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ネイティブプラグインを使ったPhoneGapの拡張~Android編

原題:ネイティブプラグインでPhoneGapを拡張する(Android)

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最初のプラグインを作成する

 最初のPhoneGapネイティブプラグインの作成を開始するには、『EclipseとPhoneGapでAndroidアプリケーションを開発する』で説明されている手順に従って、新規PhoneGapプロジェクトを作成する必要があります。私のプロジェクトには、「MyFirstPhoneGapNativePlugin」という名前を付けました。

JavaScriptクラス

 Hello Eclipseプロジェクトをセットアップしたら、ネイティブプラグイン用のJavaScriptインターフェイスを作成できます。ネイティブコードで提供されるロジックに対応するクラスと関数を作成します。wwwフォルダーの下に、以下のような単純なJavaScriptクラスが含まれるHelloPlugin.jsという名前のJavaScriptファイルを作成します。

var HelloPlugin = {
    callNativeFunction: function (success, fail, resultType) {
       return cordova.exec( success, fail,
                            "com.tricedesigns.HelloPlugin",
                            "nativeAction", [resultType]);
    }
};

 HelloPluginクラスにはcallNativeFunctionという名前の関数が1つあり、この関数は、成功のコールバック関数、失敗のコールバック関数、resultType文字列パラメーターを取ります。このcallNativeFunction関数でcordova.exec関数をラップして、実際のネイティブコードを呼び出します。このクラス内には、その他のJavaScriptはありませんが、必要に応じて、ここにJavaScriptコードを追加できます。cordova.execが呼び出されるとき、5つのパラメーターが渡されます。

  1. 成功のコールバック関数への参照(ネイティブコードレイヤーからの成功の応答時に呼び出される関数)
  2. 失敗のコールバック関数(ネイティブレイヤーからの失敗の応答時に呼び出される関数)
  3. ネイティブコードクラスへの文字列参照(後ほど詳しく説明します)
  4. 呼び出されるアクションへの文字列参照(iOSとその他のプラットフォームで異なり、Android用のアプリケーションを構築する場合、呼び出される関数の名前ではなく、アクションへの参照となる)
  5. ネイティブコードに渡されるパラメーターの配列

 JavaScriptとネイティブコードレイヤー間でのコード実行は、同時進行ではありません。したがって、PhoneGapネイティブプラグインを開発するときには、コールバック関数と非同期のコーディング手法を用いる必要があります。

ネイティブクラス

 ネイティブコードレイヤーを作成するには、核となるCordova APIのorg.apache.cordova.api.Pluginクラスを拡張する新しいJavaクラスを作成することから始めます。Eclipseで、File(ファイル)/New(新規)/Class(クラス)を選択します。

図1:新規ファイルの作成
図1:新規ファイルの作成

 次に、New Java Class(新規Javaクラス)ウィザードの手順に従って、「org.apache.cordova.api.Plugin」クラスを拡張する「HelloPlugin」という名前のクラスを作成します。

図2:Eclipseの新規Javaクラス
図2:Eclipseの新規Javaクラス

 org.apache.cordova.api.Pluginクラスは、Cordovaクラスで拡張する際に必ず元となる親クラスです。org.apache.cordova.api.Pluginクラスには、PhoneGap APIによるネイティブからJavaScriptへの通信に必要なロジックがすべてカプセル化されています。

 cordova.exec JavaScript関数が呼び出されると、対応するネイティブプラグインクラスの「execute」関数が呼び出されます。PhoneGapアプリケーションでHTMLコンテンツをレンダリングするときに使用されるAndroid WebViewでは、WebView APIを使用して、ネイティブコードとJavaScriptクラス間の通信を有効にします。

 org.apache.cordova.api.Pluginを拡張するネイティブJavaクラスを作成したら、後は、「execute」メソッドを上書きして、ネイティブ機能を作成するだけです。このメソッドのパラメーターは、文字列「action」、JavaScriptからネイティブコードに渡されるパラメーターのJSONArray配列、現在のネイティブメソッドの呼び出しに対する固有の参照であるcallbackIdです。ネイティブクラスに渡されるアクションパラメーターにかかわらず、「execute」メソッドは常に呼び出されます。JavaScriptレイヤーからネイティブレイヤーに渡されるアクションを評価し、結果に従って応答するかどうかは、デベロッパーが判断します。

 以下に示すのは、org.apacha.cordova.api.Pluginを拡張するHelloPluginクラスです。

注意

 Javaクラス、com.android.Logを必ず含めてください。これが含まれていないと、Eclipseプロジェクトでコンパイルエラーが発生します。

public class HelloPlugin extends Plugin { 
public static final String NATIVE_ACTION_STRING="nativeAction";
       public static final String SUCCESS_PARAMETER="success";
       @Override
       public PluginResult execute(String action, JSONArray data, String callbackId) {
              Log.d("HelloPlugin", "Hello, this is a native function called from PhoneGap/Cordova!");
              //only perform the action if it is the one that should be invoked
              if (NATIVE_ACTION_STRING.equals(action)) {
                    String resultType = null;
                    try {
                           resultType = data.getString(0);
                    }
                    catch (Exception ex) {
                          Log.d("HelloPlugin", ex.toString());
                    }
                    if (resultType.equals(SUCCESS_PARAMETER)) {
                          return new PluginResult(PluginResult.Status.OK, "Yay, Success!!!");
                          }
                    else {
                           return new PluginResult(PluginResult.Status.ERROR, "Oops, Error :(");
                    }
              }
              return null;
       }
}

 今回のHelloPluginクラスでは、executeメソッドを拡張しましたが、ここで最初に行われるのは、ネイティブコードが実際に実行されたことを確認できるように、デバッグメッセージを記述することです。次に、プラグインのコードは、上記のNATIVE_ACTION_STRINGにあるアクション「nativeAction」をチェックします。ネイティブコードは、アクションパラメーターの値が、実際に「nativeAction」の値と一致する場合にのみ応答します。このテクニックは、ネイティブコードの誤用を防ぐために使用されます。

 この例では基本的用法を示していますが、実際のシナリオでもこのテクニックを使用する必要があります。また、1つのプラグインクラスで複数のアクションを可能にする場合も、このテクニックが必要になります。

 ネイティブアクションのチェックが終わると、JSONArrayからresultType文字列が評価され、適切なPluginResult応答が返されます。resultTypeパラメーターが「success」の場合、ネイティブのPluginResultクラスのインスタンスが、PluginResult.Status.OKのステータスで返されます。その他の値の場合、PluginResultはPluginResult.Status.Errorのステータスで返されます。

 executeメソッドの結果値を返すときは、org.apache.cordova.api.NativePluginのインスタンスを返す必要があります。NativePluginインスタンスで返されるステータスとメッセージの値が評価され、ネイティブ機能を呼び出したJavaScriptコードから適切な成功/失敗のコールバックハンドラーが呼び出されます。

プラグインを呼び出す

 プラグインが完成したら、PhoneGapアプリケーションから呼び出すことができます。

 まず、新しいプラグインのJavaScriptインターフェイスクラス(HelloPlugin.js)への参照を追加する必要があります。index.htmlファイルに新しい<script>タグを追加します。

<script type="text/javascript" charset="utf-8" src="HelloPlugin.js"></script>

 また、onDeviceReady()関数の後に、ネイティブプラグインを呼び出してプラグインの結果を処理するためのJavaScriptを追加します。以下のように、callNativePlugin、nativePluginResultHandler、andnativePluginErrorHandlerという名前のJavaScript関数を追加します。

function callNativePlugin( returnSuccess ) {
    HelloPlugin.callNativeFunction( nativePluginResultHandler, nativePluginErrorHandler, returnSuccess );
}
function nativePluginResultHandler (result) {
    alert("SUCCESS: \r\n"+result );
}
function nativePluginErrorHandler (error) {
    alert("ERROR: \r\n"+error );
}

 callNativePluginは、単にネイティブプラグインクラスのJavaScriptインターフェイスを呼び出すための関数です。この関数がcallNativeFunctionメソッドを呼び出すときに、ネイティブコードレイヤーから受け取る成功および失敗ステータスのコールバック関数が渡されます。ネイティブコードレイヤーから成功のコールバックが返された場合は、nativePluginResultHandler関数が呼び出され、ネイティブコードレイヤーから失敗のコールバックが返された場合は、nativePluginErrorHandler関数が呼び出されます。

 次に、下記のコードに示すように、プラグインを呼び出すJavaScriptボタンを2つ追加します。

<body onload="onBodyLoad()">
    <h1>Hey, it's Cordova!</h1>
      <button onclick="callNativePlugin('success');">Click to invoke the Native Plugin with an SUCCESS!</button>
      <button onclick="callNativePlugin('error');">Click to invoke the Native Plugin with anERROR!</button>
</body>

 最初のボタンがクリックされると、callNativeFunctionメソッドが「success」のパラーメーターと共に呼び出されます。PhoneGapは次にネイティブコードを実行し、JavaScriptレイヤーで成功のコールバックを呼び出します(thenativePluginResultHandler関数を呼び出します)。

 2番目のボタンをクリックすると、callNativeFunctionメソッドが「error」のパラーメーターと共に呼び出されます。PhoneGapは次にネイティブコードを実行し、JavaScriptレイヤーで失敗のコールバックを呼び出します(thenativePluginErrorHandler関数を呼び出します)。

次のページ
ネイティブコードクラスをマッピングする

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この記事の著者

Andrew Trice(Andrew Trice)

Universal Mind の主席ソフトウェアアーキテクト。RIA の設計および実装に10年以上の経験を持ち、FlexやAIR、Objective C、Flash、Java、MySQL、Oracleなど多くの技術に精通し、オブジェクト指向、マルチデバイス開発、リアルタイムデータシステム、データ可視化など様...

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