SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Windows Azure Virtual Machineの取り扱い説明書

Windows Azureの仕組みとAzure VMでWindowsを動かす

Windows Azure Virtual Machineの取り扱い説明書(3)

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Windows Azure Virtual Machine上でSQL Serverを使用する際に留意すること

 Windows Azure Virtual Machine上で、SQL Serverを使用する際のサイジングで考慮すべきことを説明します。

(1)ネットワーク帯域に注意する

 仮想マシンのサイズに応じて、利用できる帯域幅が設定されています(表2)。バッチリクエスト数やテーブル設計、ストアドプロシージャの作りによって必要となる帯域幅は変動しますので、アプリケーション作成後によく検討してください。なお、帯域幅が細いと同期遅延などが発生する原因です。

表2:仮想マシンのサイズ別帯域幅
仮想マシンのサイズ 帯域幅(Mbps)
Extra Small 5
Small 100
Medium 200
Large 400
Extra Large 800

(2)ディスクサイズに注意する

 仮想マシンにはVHDを別途アタッチしてディスク領域を増やすことができます。アタッチできるVHD数は、仮想マシンのサイズに応じて上限が決まっています(表3)。VHD1つの上限サイズは1TBなので、Mediumサイズの場合、最大4TBまで使用できます。

 VHDを格納するストレージアカウントには、新しいアカウントを使用してください。新しいアカウントを使用するメリットは、2012年6月7日以降に作成されたストレージアカウントには第2世代ハードウェアSKUが適用され高速になっているからです(注4)。

 オンプレミスでの物理I/Oのパフォーマンスチューニングと同様の考え方が適用できます。トランザクションログは、1つのディスクに1つのファイルだけを作成するようにしてください。複数のVHDをアタッチして、データファイルを分散させるようにすると性能向上が期待できます。ソフトウェアストライピングの使用は推奨されていません。TempDBはDドライブに配置してください。

表3:仮想マシンのサイズ別ディスク数
仮想マシンのサイズ データディスク数
Extra Small 1
Small 2
Medium 4
Large 8
Extra Large 16

 現時点では、物理I/Oの遅さがパフォーマンスボトルネックとなりやすくなっています。マイクロソフトも認識しており、ストレージの性能向上に取り組んでいて正式サービスまでには、ある程度改善されていると思われます。

Azure上にMongoDBをインストールする

 Windows Azure Virtual Machinesの使用例の2つ目は、MongoDBです。

 MongoDBはNoSQLデータベースとして有名な製品です。BSONと表現されるBinary JSONオブジェクトを格納します。ロードバランシングと高可用性を提供するレプリカを基にした柔軟で自由度の高いレプリケーション機能を持っています。ハードウェアスケールアップをしにくいがスケールアウトをしやすいAWSやWindows Azureのようなクラウド環境下において、水平分散機能を保持するMongoDBは効力を発揮します。実際に、そこそこのトラフィックと規模があるFourSquareやThe New York Timesのサイトで使用されています。

 MongoDB Installer for Windows Azureを使用することで、AzureにMongoDBを簡単にインストールすることができます。Windows PowerShellスクリプト用のコマンドラインツールで、Windows Azure Virtual Machine上にMongoDBレプリカセットを自動的にインストールすることができます。ノード数やDNSプレフィックスなどを指定すれば、インストーラーが仮想マシンにMongoDBをインストールし、レプリカセットを設定します。レプリカセットの設定が完了すると、MongoDBを使用できるようになります。

 以下では、MongoDB Installer for Windows Azureを使用して、MongoDBがインストールされた仮想マシンを作成する手順を見ていきます。現時点(2012/12/3)で提供されているMongoDB Installer for Windows Azureには、日本語OSへの対応が不十分なため多少手順が増えます。

1.MongoDB Installer for Windows Azureをダウンロードする

 mongodbのサイトで提供されているMongoDB Installer for Windows Azureをローカルマシンにダウンロードします。

2.MongoDB Installer for Windows Azureをインストールする

 ダウンロードしたMongoDBInstVM.msiを実行して、MongoDB Installer for Windows Azureをインストールします(図3)。ライセンス条項に同意し、Installボタンをクリックすると、インストールが始まります。

図3:MongoDB Installer for Windows Azureのインストール
図3:MongoDB Installer for Windows Azureのインストール

 インストールが完了すると、「C:\Program Files (x86)\MongoDB」(64ビットOSの場合)に関連ファイルがインストールされ、[スタート]-[すべてのプログラム]-[MongoDB Installer for Windows Azure]フォルダーが作成されます。

次のページ
まとめ

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Windows Azure Virtual Machineの取り扱い説明書連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 大和屋 貴仁(ヤマトヤ タカヒト )

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/6944 2013/01/15 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング