アジャイルアカデミーは、より実践に近い形をめざし、少人数のワークショップ形式で、組織に見合った入り口でスタートできるような4つのコースを用意しました。
今回は、本セミナーの学長である西村直人さんと、テスト駆動開発(以下、TDD)の講師である和田卓人さんに、担当講座への想いや、得られるものなどについて話を聞きました(聞き手:アジャイルアカデミー事務局)。
コード書かなきゃ誰が価値を提供するの?
――では、いきなりですが、アジャイルアカデミーで、TDDの有料講座を開講するに至るまでの想いを教えてください。
和田:私は仲間と一緒に「TDD Boot Camp(TDDBC)」というイベントを日本各地でコミュニティに向けて開催しています。TDDBC は「学びたい、体験したい」という有志の熱意が原動力になっています。
アジャイルアカデミーでは、内容をやや企業向けにカスタマイズし、さらにはアジャイルの中でのTDDの役割をお伝えしていきたいと思っています。たとえば、会社の研修の一環として受けてもらいたいと考えています。
技術的な側面が無いアジャイルは、ただの絵に描いた餅になりかねません。実践的に学びたいというアジャイルアカデミーの枠組みの中で、技術的な側面を無視してはならないでしょう。
チェンジビジョンの平鍋さんもブログ記事『アジャイルの「ライトウィング」と「レフトウィング」』で、プロセスだけ、技術だけと、どちらかに偏っていてはうまくいかないと言っています。
「技術的卓越」という考えもあります。ともすると、XPは技術に寄りすぎていたり、逆にScrumはプロセスに寄り過ぎていたりするところがあるので、「コード書かなきゃ誰が価値を提供するの?」という問いに対して、「ちゃんとコードを書き続けることが大事なんだよ」ということを伝えていけたらなと思っています。
『アジャイルサムライ』で言うところの第V部を極めましょう、というところですね。
会社に申請して、1日だけ来てみてください
――どんな人に来てもらいたいですか?
和田:あまり絞りたくはないのですが(笑)。
プロジェクトマネージャの方とか、社内の間接部門の方に来てもらっても仕方がないところがあります。プロマネの方には、別のコースに参加してもらいたいですね。技術面でのリーダーから初心者レベルの方まで、短時間でテスト駆動開発を体験してもらいたいというのが趣旨です。ですから、参加のハードルは低めにしたいです。
とはいえ、プログラミング言語に初挑戦だと難しいので、できれば2~3年程度の経験者が望ましいですね。
迷ったら、会社に申請して1日だけ来てみて下さい。もし、通しで受講する方がいる場合には、アジャイルプロセスの中でのTDDの意味合いとか立ち位置に関しても学んでいただけると思っています。