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話題のあの人にインタビュー!

自動化の誤解を解き本来の意味を知る
~アジャイルアカデミー「Jenkins Boot Camp」講座


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アジャイルアカデミーのJenkins講座の特徴

 西村:今までの受講生のアンケートなどを見ると、動機として、Jenkinsを導入してみたいけれどその手前で迷っていて、まず自分でやって理解をしないと組織にも説明しづらいということで受講される方も多かったですね。

 太田:そうですね。そこは講師としても意識しています。講座では『持ち帰るVM』というものを用意しているのですが、受講後持ち帰って、もう一度ハンズオンして見せることができる。そのVMによって、「ここまでできますよ」ともう一度組織で展開して見せることができるんですね。VM自体もフリーで使えるようにしてあるので、受講後もう一度自分で構築してみて、さらに理解を深めていけますよね。

 西村:それはよいですね! 持ち帰るVMという発想は、講座を開講するにあたって最初から講師のみなさんで考えていたことなんですか?

 太田:そうですね。考え方について学ぶ講座は結構あると思うのですが、実践的なことを学ぶというのは少ないと思っていまして、講座をやるなら受講生みんながでデプロイまでやれるというのを1つの目標としようと思いまして、講師のメンバーで考えました。

 講師みんなが現場経験が豊富ですから、それぞれ『ここはぜひ押さえておきたい』というポイントがあるんですね。ユニットテスト、画面解析、プロモーションなど、実際にそれぞれ現場で必要という経験を反映して作っていますね。

 VMを持って帰ってもらおうというのもその一環です。

 西村:受講生をみていて思うことは?

 太田:プロセスのところで前半の座学ではScrumの言葉を使っているので、今までウォーターフォールでいた人には、なかなか言葉が分からなかったりするんですね。例えばチケットってなんだろうとかね。そういう方はScrum講座などと合わせて受講してもらうと、より深く理解しながらJenkins講座を受講してもらえるのかなと思っています。

 最近の受講生の方には組み込み系の方も多いですね。アジャイル開発とCIとTDDをやりたいといって地方から来ている方もいました。組み込みも今はどんどんリリース時期が早まったりしているので、従来のガチガチのウォーターフォールだと間に合わないし対応できなくなってきている。なので、今の開発業界の環境的にも会社としてもCIを学んできてほしい、というニーズが高まっているのかなと感じます。

 西村:その人たちというのは、エンジニアの方ばかりなんですかね?

 太田:いえ、「そもそもCIってなんなんだろう」「会社に取り入れていいんだろうか」とマネジメント層が受講されるパターンもあります。その場合、自分でガリガリにコードを書けなくても導入できる、と体感されているようです。

 チーム全員が入れるものなので、マネジメントする立場の人が理解しているのは非常に有利かな、とも思いますね。実際に自分でも手を動かしてディシジョンするので非常に強力ですよね。参加していただくのはとてもありがたいことだなと感じています。

 若い人とマネージャー層の方が一緒に受講いただくのが、一番理想的なパターンかもしれません(笑)。

 西村:受講者の方の受講後アンケートを見ていると、受講してみて「もっと受講したい、もっと広げて2日間でもっと実践までできるようになりたい」という意見もありました。やってみることでさらに深く『これがやってみたい』という感覚が出てくるんでしょうね。大規模開発の場合は、置かれた環境でニーズも違いますしね。

Scrum Boot Camp Premium 担当 西村直人氏
Scrum Boot Camp Premium 担当  西村直人氏

 太田:組織がかっちりしているところなどだと、セキュリティのためにもっと細かく制御したいとかがありますね。ハンズオンでやるのはそこまでではなくて、セキュリティでも認証・認可のところなのですが、そういう細かなこともできるフリーのJenkinsの機能やプラグインについても質問に答える形などで紹介しています。

 和田:まとめるならば、Jenkins Boot Camp Prelemiumの午前中の部分ではいわゆる一般論を、午後はCIの考え方を再現するソフトウェアの一例としてのJenkinsをやってみる、というイメージですかね?

 太田:まさにそうですね。午前中を念頭にしていただければ、Jenkinsに限らずどのツールでもやれること、やるべきことが分かると思います。CIを導入するきっかけ、知識は身につけられると思います。

 講座終盤では単純な振り返りではなく、OpenJamで振り返りをするんですね。「明日からもっと勉強が必要」「帰ったらこれをやるぞ!」というのをやっていますね。

 西村:それに、講師の方が4名いるのですが、皆さん大規模開発で苦労されたりとかさまざまな実践経験を持っているエキスパートなので、メインの講師が講義をしている間、午後の実践では他の講師がチューター役としてサポートや質問にも答えるという構成はとてもよいですよね。見てる現場の数が多いので、導入のアドバイスまでしてくれる。

 太田:そうですね。それがこの講座の特色でもありますね。それに、毎回講師4人で講座修了後に振り返りをしているのですが、講師の意見を反映してどんどんブラッシュアップしています。

 例えば、画面系のテストは裏で何が行われているかというのがあるんですけど、こういう仕組みで動いていてこういうことをしているのです、と資料に丁寧に種明かしを追加してブラッシュアップしました。自分で考えることも重要なのですが、仮に受講時・受講後につまずかないために何を足すべきかなど、+αを常に講師同士で話しています。

 メイン講師を期ごとにローテーションで交代しているのですが、自分が聞くことでどういう話し方が良いかなど、さらに次に良い講座をしていく上での刺激になっていると感じます。

 西村:世の中的にはどんどん、アジャイル開発やCIを導入する企業は増えてきていますよね。

 和田:生き抜くために、アジャイル開発的な考え方が必要ということはだいぶ根付いてきていますよね。日本でもWeb系の会社はScrumであれCIであれ、どんどん吸収して取り入れる風潮になってきている。

 太田:組み込み系も、ファームウェアが自動アップデートになったりとか従来とはかなり変わってきている。オンラインアップデートが普通になってくると、当然今までと違ってきますよね。

 和田:お客様に価値を届ける構造がネットワークによって大きく変わった分野は、すでにだいぶアジャイル寄りになっているのですね。それに対して、お客様に価値を届けるまでの流れというのが従来と変わらない世界においても、今のままだとうまくいかなくなっていて、さまざまなアジャイル開発のエッセンスをどん欲に吸収していかないと、結局競合に勝てない。そういう時代になってきていると思います。

 西村:最後に、講座を検討している人に対して、どんな方に受講してほしいとか、受講後こうなって欲しいなどありますか?

 太田:そうですね。一番は、実際に参加されている人にも多いのですが、自分でCIを導入しようとして失敗してしまったけど、もう一度きちんとやれるということを試したい人に再チャレンジしてほしいですね。私自身がそうだったということもあって、受講することでノウハウを身につけてほしいと思います。

 和田:一歩目を踏み出したい人とか、もしくは一歩目を踏み出してみたけど自分では失敗しちゃった人に、もう一度リベンジしてほしいですよね。

 太田:受講して帰るときには自動化がもうできている、できるようになっている、というのを目指しています。一度は挫折した人でもインフルエンサーとなってもらえれば。これからやろうとしている人も、受講することですぐさまインフルエンサーになって帰ってもらうのが理想だなと思っています。

 受講することで、今の無駄だと思っている繰り返し作業が自動化され、もっと生産性の高いことに時間を使えるようになると思います。

 あとは、テストを自動化しなくてはいけないというイメージや誤解が先行しているけど、自動化はそんなに間口の狭いものではなくて、ささいなところから取り入れどんどん自動化できるんだということを知ってほしいですね。自動化の本来の意味を知るというか。

 和田:なるほど、 Jenkinsはコミットすると自動テストを走らせるツールと誤解されている節もありますが、そのような誤解を解き、「自動化とはこういうものだ」ということを体感できるセミナーになっているわけですね。

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この記事の著者

アジャイルアカデミー事務局(アジャイルアカデミージムキョク)

翔泳社の主催するアジャイルアカデミー事務局の中の人です。アジャイルアカデミーは、4半期に1度のペースであなたの現場に合ったアジャイルをスタートさせるための実践型ワークショップを1週間開催します。それぞれ1日完結コースですので、プログラマからマネジメントまで、皆様のご参加心よりお待ちしております。イベント詳細は公式ページから参照ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/7621 2014/02/07 19:11

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