運営総括
事務局リーダーの神谷(@ryokamiya)です。
前述の各担当者からの紹介で、事務局のそれぞれの担当の作業内容は分かっていただけたと思います。ここでは開催が決まってからの1年間の大まかな流れを紹介しようと思います。
事務局の作業は、年末に参加者数目標と予算の大部分を占める会場費を仮決めして予算を策定するところから始まります。策定された目標と昨年の実績をもとにスポンサー獲得目標の設定とチケット価格の決定をします。この予算は、スポンサーの獲得進捗や当初想定していなかった費用などがあるため、都度見直しされます。
今年は事務局、会場、プログラム、メディアというチーム制での運営でした。事務局チームでは、メンバーみんなが都合がつくのが夜遅くしかなかったため、水曜日夜10時からSkypeで週次ミーティングを行いました。週次ミーティングではマイルストーンの確認、タスクの確認や議論する必要のあるものについてはその場で話し合うなどして、これまでの1週間の進捗の確認と次の1週間の目標などを設定しました。
なかなか顔を合わすチャンスはないのですが(なにせ夜10時なので基本的にみんなビデオで顔を見せない……)、スタッフ全体での作業日や、開催少し前の6月、7月などは直接顔を合わせての打合せなどもして、少しずつ打ち解けあってチームらしくなっていきました。5月まではどちらかというとやりかたを決めたり、準備作業などが多かったのですが、それ以降はスポンサー企業とのやり取りも増えたり、デザイン・発注の作業を進めたり、チケット販売の開始したりなど、具体的な作業が増えて忙しくなり、カンファレンス運営らしくなっていきました。
よかったこと・反省点
ミーティングで日本語以外にも英語や中国語が飛び交い、最初はどうなるかと思いましたが、なんとか最後まで1つのチームとなって走りきれたのはメンバーみんなのおかげだと思っています。この混成チームのおかげで、これまでコンタクトのなかった海外企業にも気軽にコンタクトした結果スポンサーになっていただけたケースがあったり、受付もとても国際色豊かな海外からの参加者に優しいカンファレンスにできたのではと思っています。ほかのカンファレンスの事情に詳しいメンバーからは他ではこうやっていたとか、参加者・スポンサー企業としてはこうしてほしかった、などのフィードバックもいれつつ、自分たちカラーの事務局にできたと思います。
私もふくめて事務局を担当するのが初めてのメンバーが多く、はじめのころは何をすればいいのか分からない手探りの状態で、いろいろなことが決められなかったり、事情が分からなかったりして、座長や昨年の担当者から教えてもらっていたのが前半戦でした。後半になってからは慣れてきたのもあるけれど、どちらかというと開催日が近づくにつれて切迫感がまし、どんどん進めていかないと間に合わない、というところまできてエンジンがかかってきた感じがします。反省点としては、(1度やったから言えることではあるけれど)もっとはじめからエンジン全開でいけばもっとうまくできたかなぁというところです。
あともう一点、メンバーがそれぞれ、家庭がある、学業が忙しい、仕事で手いっぱい、などなど、なかなかまとまった時間が取れなかったので、週次のSkypeミーティングを減らす代わりに対面の打合せにする、とかやりかたを変えてみたらもっとやりやすくなったかもしれません。
個人的には昨年担当したパーティ手配と運営や同時通訳準備に比べてずいぶんと大きな役割を任せていただけだので、大変だった一方で、いろいろと学ぶことが多くよい経験になりました。この機会を下さった方々や、私が仕事のほうが忙しくて手が回らない時にも支えてくださった方たちに感謝の気持ちでいっぱいです。
全体の総括と PyCon JP 2015 に向けて
座長(Chair)の鈴木たかのりです。
第1回のレポートでも書きましたが、PyCon JP 2014は過去最大の545名の参加となり、盛会のうちに終えることができました。昨年のAPAC(アジア太平洋地域)から日本のイベントに戻りましたが、海外からの発表者・参加者も多く、国際的なカンファレンスとして定着しつつあると思います。
全4回のレポートを通じて各チームどのような作業をこなして、当日を迎えたのかということを感じてもらえたと思います。当日大きな混乱なくイベントが運営できたのは、スタッフ全員と参加者のみなさんの協力によるものと思います。みなさんありがとうございました。
昨年3月に一般社団法人PyCon JPを設立し、代表理事を昨年までのPyConの座長である寺田が務めています。PyCon JP運営スタッフのサポートとして、契約の主体と財務管理などを行っています。クロージングで、一般社団法人PyCon JPから地方PyCon開催支援、他のコミュニティー支援などの充実を図る発表がありました。詳しくは一般社団法人のWebサイトをご確認ください。
来年も引き続き私(鈴木たかのり)が座長としてPyCon JP 2015の開催に携わっていきます。PyCon JP 2014に参加してみて不満があった方、もっとこうだったら楽しいのになーと思った方、ぜひPyCon JP 2015にスタッフとして参加して自分の色を入れてもらいたいです。一緒に今までで最高のPyCon JP(the best PyCon JP ever)を作りましょう。スタッフに興味のある方は下記のフォームから申し込みをお願いします。
来年、PyCon JP 2015でお会いしましょう。
最後に
メディアチームの筒井です。全四回に渡って、運営スタッフの作業内容について紹介しました。一般のカンファレンス参加者とは違った、別の醍醐味を感じていただけたでしょうか? また、他のイベントの運営に携わる人が、この連載を読んで参考にできる点を見つけてもらえれば幸いです。
それでは、次回PyCon JP 2015でまたお会いしましょう!