はじめに
前回はAWSを利用したクラウド設計のベストプラクティスを知る方法と、AWS上に実際に環境構築して学習する方法を説明しました。今回は、AWSの各サービスを実際に使用してからわかる疑問点を解決していくための学習方法についてご紹介します。
対象読者
- AWSを使ったことはあるが利用経験が少なく、試験の学習をすることでさらに理解を深めたい方
- AWS認定資格を取得することで顧客や同僚へAWSのシステム設計力や理解度を示したい方
必要な環境
- AWS(Amazon Web Services)のアカウント
- AWS マネジメントコンソールでサポートされているブラウザ(サポートされているブラウザはこちらに記載されています)
AWSを実際に使用してからわかる疑問点
AWSの一部のサービスを使ってみたり、実際にAWS上にサービスを構築して運用レベルで利用していたりすると、使い方に関する疑問点は必ず出てくると思います。さらに以下のような点については継続的に調べていく必要があります。
- 障害が起きた時の対処法
- ソフトウェアに脆弱性が見つかった時の対処法
AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイトレベル試験では「トラブルシューティング」が出題分野の一つとなっていることからも、上記のようなトラブル対処方法については、試験を受ける上でも重要であると考えられます。
これらのような分からないことを同僚や知り合いに聞ける環境であれば良いのですが、そうでない方もいると思います。実際のところ筆者も、会社でAWSを使っているのが自分一人だけだったので、わからないことは自分で調べるしかありませんでした。
AWSを利用する上での疑問点を解決していくための方法
AWSでは疑問点を解決するため、公式の資料やサービスが数多く用意されています。その中でも特に有用と思われるものを3つご紹介します。
AWS各サービスのFAQを参照する
概要や料金を知るためAWS各サービスの紹介ページを参照する機会は多くありますが、各サービスには「よくある質問」というページが用意されています。例として主要サービスのよくある質問ページは以下の通りです。
Amazon EC2インスタンスをシャットダウンしたときのデータの取り扱われ方や、Amazon S3での具体的な課金のタイミングなど、サービスを利用して間もないころに疑問になりがちな部分についてもQA形式で回答されています。
名前の通り、利用者から多く質問されていると思われる項目がまとめられており、このページだけでも基本的な疑問であれば解決できることは多いです。
AWS セルフペースラボを活用する
AWSでは自分のアカウントを使わずに学習用の環境を使用し、手順に従って実践形式で各サービスの使い方を学習できるセルフペースラボというサービスがあります。
ラボの利用には有料の「トークンコード」が必要なものもありますが、入門レベルである「Introductory」のラボは、下記の画像の通り無料で利用できるものも多く用意されています。
AWS セルフペースラボの利用方法
AWS セルフペースラボの利用方法を簡単にご紹介します。利用にはAWSアカウントとは別のアカウント作成が必要です。
まずはrun.qwikLABS.comにアクセスし、画面右上の「新規アカウント作成」をクリックします。
必要事項を入力し、「新規アカウント作成」よりアカウントを作成します。
アカウント作成後、メニューの「ラボのカタログ」を選択すると受講可能なクエスト(テーマごとにラボがまとめられたもの)とラボが一覧表示されます。
さらにラボを選択すると、画面右にどのようなことを演習で学べるかの詳細や所要時間が表示されます。「選択」をクリックするとラボの開始画面に遷移します。次の画面で「ラボを開始」した時点でトークンの入力を求められます。
手順に沿った形で自分のペースで進めることができ、試験のためだけでなく新たなサービスを使いはじめる際にも有効な学習方法です。