はじめに
ここ最近、Unreal Engine 4(以下、UE4)というゲームエンジンの名前を、ゲーム開発系の記事などで目にする機会が増えてきました。最近では、ストリートファイターVや鉄拳7などの有名格闘ゲームのゲームエンジンとして採用されたというプレスリリースも記憶に新しいところです。
このようにプロが利用するUE4ですが、法人のみならず個人でも利用できます。つまり、みなさんが遊んでいるゲームの開発環境と全く同じ環境で、個人がゲーム制作できるのです。このようなことは、以前では到底考えられませんでした。
ここでは、UE4の特徴や、ゲームの作成方法、その後の学習方法までを解説していきます。なお、ここでは、Windows版のUnreal Engine 4.7.3をベースに解説します。
対象読者
- 3Dゲームを開発してみたい方
- 3Dグラフィックスを簡単に構築してみたい方
Unreal Engine 4とは
UE4は、ゲームを効率よく開発するためのゲームエンジンです。通常、ゲームエンジンとは、ゲーム制作のためのライブラリを指すのが一般的ですが、UE4ではライブラリに加えてゲームの統合開発環境も提供しています。
UE4は、2014年3月にUnreal Engineの最新版として発表、公開されました。Unreal Engineはver 1が1998年に発表され、そこから幾度かのバージョンアップを重ねて、2014年のUE4の発表に至るという、数あるゲームエンジンの中でも歴史があるゲームエンジンです。
UE4は、2014年3月のリリース当初は、月額19ドルのサブスクリプションライセンス(学生は無料)契約を結ぶことで、個人でも利用出来ました。しかし、 2015年3月のGCD(Game Developers Conference)では、そのサブスクリプションライセンスを廃止し、誰でも無償で入手できるようにしたと発表されました(※1)。
※1 ロイヤリティとして四半期に3,000ドル以上の売り上げがあった場合、売り上げの5%を支払わなくてはなりません。
開発環境
UE4をインストールしていきましょう。PCはWindows PC、Macを利用します(試験的にLinuxにも対応)。ただ、そのPCスペックは、3Dゲームがそこそこ動作するPCが必要となります。詳細は、推奨環境に書かれています。
インストールするには、Unreal Engineのサイトでユーザ登録を行い、ログインしたあと、「Unreal Engineをダウンロード」からダウンロード、インストールします。
ここでインストールされるのは、Unreal Engine自体ではなく、「エピック・ゲームズ・ランチャー」という起動用ソフトウェアです。「エピック・ゲームズ・ランチャー」を起動し、ユーザ登録時のIDとパスワードを入力した後、メニューが表示されます。そこから「ライブラリ」を選択し、上部にある[バージョンの追加]を押し、そこから4.7.3を選択してインストールを開始します。なお、4.7.3では、約4.4ギガバイトのファイルをダウンロードします。
あとは、ランチャーからバージョンを選択して起動します。
メニューの日本語化
なお、ここでは日本語のメニューで解説を進めますが、メニュー表記が英語表記であった場合、以下の手順で日本語表記に変更できます。
Unreal Editorのメニューから、[Editor Preferences]を選択します。
そのEditor Preferencesのダイアログの左側にあるメニューから[Region & Language]を選択し、Languageで[日本語]を選択します。あとは、メニュー上部にある[Set as Default]ボタンを押して設定を保存します。Unreal Editorを再起動すると、メニュー表記が日本語となります。