9.0Jの改善点
9.0Jでは、新機能だけでなく、既存の機能についても操作性やレイアウト精度を見直してブラッシュアップを図っています。ここでは、主な改善点について紹介します。
Excelエクスポート
ページレポート/RDLレポートに、専用のExcelエクスポート(描画拡張機能)を追加しました。従来のExcelエクスポートを使用した場合に比べて、レイアウト精度が飛躍的に向上しています。プレビュー画面の表示とほぼ同じレイアウトでのExcel出力が可能となり、データの一部を更新して印刷したい場合にもレイアウトの修正が不要です。
マウスでFixedSizeプロパティの変更
ページレポートでは、マウス操作でFixedSizeプロパティ(Tableなどのデータ領域の描画範囲)を変更できます。
9.0JでページレポートにTableなどのデータ領域を配置すると、マウス操作用の2つのハンドルが表示されます。1つは、データ領域のセルの大きさを設定するハンドル(白四角)で、これは他のTextBoxコントロールなどにも共通のものです。もう一つは、その外側に表示されるハンドル(黒丸)で、これをドラッグしてデータ領域の描画範囲を変更します。
角丸罫線の個別設定
セクションレポートでは、ShapeコントロールおよびCrossSectionBoxコントロールの角丸の大きさを個別に設定できます。日本の帳票では罫線を多用したレイアウトがよく見られますが、上の角だけ丸くしたり個別に角丸の大きさを変えたりといった細かな要件にも容易に対応できます。
なお、ページレポートは7.0Jで対応しており、9.0Jで追加されたRDLレポートでも同様に利用できます。
クラウド対応
9.0Jでは、従来の物理サーバーに加えて、クラウド仮想マシン(Microsoft Azure Virtual Machines、Amazon EC2)での運用を正式にサポートしています。これにより、運用環境の変化に合わせて安心して帳票アプリケーションを動作させることが可能となっています。
まとめ
今回は、9.0Jで追加された新機能および改善点の概要を紹介しました。9.0Jで追加されたRDLレポートを含め、作成する帳票レイアウトに合わせて3つの帳票デザイン方式を使い分けることで、さらに効率のよい帳票作成が可能です。
次回は、「RDLレポート」の特長を利用したレポートレイアウトの作成方法を紹介します。