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ASP.NET Identity入門

ASP.NET 5に向けて知っておきたい、最新のASP.NET Identityのポイント

ASP.NET Identity入門 第14回

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DI用サービス登録

 次に標準のDI機能を使い、ASP.NET Identityのサービスを登録します(リスト2)。

リスト2 ASP.NET Identityのサービス登録(Startup.csより)
// This method gets called by the runtime. Use this method to add services to the container.
public void ConfigureServices(IServiceCollection services) // (1)
{
  ...(略)...

  // Add Identity services to the services container.
  services.AddIdentity<ApplicationUser, IdentityRole>()	//(2)
    .AddEntityFrameworkStores<ApplicationDbContext>()
    .AddDefaultTokenProviders();

  ...(略)...
}

(1)ConfigureServicesメソッドを定義

 各種サービスを登録/構成するため、ConfigureServicesメソッドを定義します。引数はMicrosoft.Framework.DependencyInjection.IServiceCollection型のservicesで、このservices引数に対して必要なサービスを登録していきます。

(2)ASP.NET Identityサービスを登録

 servicesメソッドのAddIdentity拡張メソッドを呼び出し、ASP.NET Identityのサービスを登録します。登録処理はいわゆる「Fluent API(流れるようなインターフェース)」となっており、登録用メソッドの後に続けて、メソッドチェーンでサービス構成処理を記述します。既定のテンプレートでは、AddEntityFrameworkStoresメソッドでEFを使ったデータストアを登録し、AddDefaultTokenProvidersメソッドで2段階認証に使う確認トークンなど各種トークンの生成を行う既定のプロバイダーを登録しています。

ASP.NET Identityの構成

 今度はWebアプリケーションでASP.NET Identityを使うよう構成を行います(リスト3)。

リスト3 ASP.NET Identityの構成(Startup.csより)
// Configure is called after ConfigureServices is called.
public void Configure(IApplicationBuilder app, IHostingEnvironment env, ILoggerFactory loggerFactory)  //(1)
{
  ...(略)...

  // Add cookie-based authentication to the request pipeline.
  app.UseIdentity();  //(2)

  // Add authentication middleware to the request pipeline. You can configure options such as Id and Secret in the ConfigureServices method.
  // For more information see http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkID=532715
  // app.UseFacebookAuthentication();   //(3)
  // app.UseGoogleAuthentication();
  // app.UseMicrosoftAccountAuthentication();
  // app.UseTwitterAuthentication();

  ...(略)...
}

(1)Configureメソッドを定義

 ASP.NET 5Webアプリケーションの構成を行うためのConfigureメソッドを定義します。引数は次の通りです。

Microsoft.AspNet.Builder.IApplicationBuilder app

 ASP.NET 5パイプラインの構成を行うための引数で、OwinのIAppBuilderと同じような働きをします。appオブジェクトに各種のAdd~拡張メソッドを呼び出すことで、静的ファイルへのルーティングやMVCの利用などを行えるようにします。

Microsoft.AspNet.Hosting.IHostingEnvironment env

 ASP.NET 5 Webアプリケーションをホストする環境に関する情報を取得するための引数です。開発環境/プロダクション環境を判定などに利用します。

Microsoft.Framework.Logging.ILoggerFactory loggerFactory

 ASP.NET 5組み込みのロガーを生成するための引数です。出力先やエラー/警告/情報といった出力ログレベルを指定します。

(2)ASP.NET Identityを使用

 app引数のUseIdentity拡張メソッドを呼び出し、ASP.NET Identityを使用するよう設定します。バージョン2.xまでのapp.UseCookieAuthentication拡張メソッドにほぼ対応します。

(3)外部アカウント認証を設定

 必要であれば、app.UseFacebookAuthentication拡張メソッド等、各種Use~Authentication拡張メソッドを呼び出すことで、外部アカウントによる認証設定を行います。

 以上でASP.NET Identityを使うための設定は終わりました。

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Eメール、SMS送信の設定

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高野 将(タカノ ショウ)

<個人紹介>新潟県長岡市在住の在宅リモートワークプログラマー。家事や育児、仕事の合間に長岡IT開発者勉強会(NDS)、Niigata.NET、TDDBCなどのコミュニティに関わったり、Web記事や書籍などの執筆を行ったりしている。著書に『アプリを作ろう! Visual C#入門 Visual C# 2017対応』(日経BP社、2017)など。<WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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