知識や技術の「融合」から生まれるイノベーション
都内某所で異色のミーティングが行われています。技術コミュニティ「Tech-Circle」のメンバーと、専門学校生のプログラミングサークル「(仮)カッコカリ」のメンバーが一同に会して、最新のAI技術やロボット開発などの技術談義に花を咲かせています。年齢も、性別も、所属も、立場も、技術スキルも、なにもかもが異色の取り合わせにも見えますが、「ロボットと人間が共生した未来」という共通の話題で盛り上がっています。
カッコカリのメンバーがRaspberry PiとAWSを使って手作りで開発した、お風呂で高齢者の事故を減らすための雑談対話を行うみまもりAIロボットや、Tech-CircleメンバーがIBM Watsonを使った災害対策アプリや、Pepperを使った対話ロボット開発の裏話など、お互いにさまざまな情報を交換しあっています。
「(仮)カッコカリ」のメンバーは、横浜市にある横浜医療専門学校の医療IT科の学生たち4人です。将来は、医療システムの導入や保守を専門に行う人材となるべく、ITの基礎知識と医療システムに関する業務知識を4年間かけて学んでいます。横浜医療情報専門学校では、IT系の資格取得講座やプログラミングの文法など基礎的なIT教育を座学で行うとともに、プログラミング技術を高めたい・人に役立つものをつくりたい、など意欲の高い学生を創出するため、アクティブラーニング方式で、アプリ開発をする講義もカリキュラムに盛り込まれています。カッコカリのメンバーはこのアプリ開発の講義で、ロボット開発技術を通して仲良くなったメンバーでもあります。
カッコカリのメンバーは、高齢者がお風呂で事故にあうニュースを見て、「なんとか自分たちで助けられないか!」と考え、Raspberry Piを使ってお風呂場で入浴中の高齢者と雑談するAIロボットを開発しました。カッコカリのメンバーが所属する岩﨑学園では、毎年5月に学内でプログラミングコンテストを実施しています。約300名の学生のなかから、本選に選出された5チームは、ステージ上で学生たちの成果を発表する場が与えられます。カッコカリは、このコンテストにエントリーし、みごと最優秀賞を受賞しました。
専門学校では、資格試験の取得有無/講義の課題/筆記試験の点数などで、成果を評価されることが多いのが現状です。しかし、そんな中でも、カッコカリの所属する岩﨑学園では、新しい取り組みへのチャレンジそのものを評価するしくみがあります。
最新技術をふれて学べる勉強会
一方のTech-Circleは都内を中心に活動する技術コミュニティです。Tech-Circleでは月1回のペースで勉強会を開催しています。発足から1年足らずの若いコミュニティですが、勉強会への参加申込者はすでに1000名を超えています。
Tech-Circleは、次のようなエンジニアに向けて、月に1回のペースで最新技術についての技術勉強会を開催しています。
- 「最近、このツールの名前よく聞くけど、どうだろう?」
- 「ツールを使ってみたいけど、なかなか試す時間が取れないな」
- 「話を聞くだけじゃなくて触ってみたい、でも、最初にどこから手をつけていいのだろう」
- 「機械学習技術を応用する方法を学びたい」
- 「インフラにも機械学習技術を使いたい、機械学習をインフラ技術で自動化したい」
これまで、Terraform/Chainerでの自然言語処理/Apache Spark/ChefやAnsibleなどプロビジョニングツール/Zabbixなどのテーマを中心に勉強会を開催してきました。