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Android Studio 2で始めるアプリ開発入門

Androidアプリのメニュー ~ オプションメニューとコンテキストメニュー

Android Studio 2で始めるアプリ開発入門 第8回


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アクティビティへの記述

 メニュー用のxmlファイルの記述ができたところで、今度は、アクティビティクラスにソースコードを記述します。MenuListActivityに以下のメソッドを追加してください。

リスト3 MenuListActivityにオプションメニュー表示メソッドを追加
@Override
public boolean onCreateOptionsMenu(Menu menu) {
    MenuInflater inflater = getMenuInflater();  //(1)
    inflater.inflate(R.menu.menu_options_menu_list, menu);  //(2)
    return super.onCreateOptionsMenu(menu);  //(3)
}

 メソッドの追加が終了したら、アプリを再起動し、動作確認を行ってください。オーバーフローメニューが表示され、そこをタップしたら、選択肢が表示されたことが確認できるはずです。

 オプションメニューはその本体をxmlファイルで記述し、それを表示させるには、アクティビティクラスにonCreateOptionsMenu()メソッドを記述します。onCreateOptionsMenu()内の記述は、リスト3の3行をほぼ定型として記述する思ってかまいません。変わってくるのは、(2)のinflate()メソッドの第1引数として、該当メニューxmlファイルのR値を指定するところだけです。

 なお、inflateという単語は「膨らませる」という意味です。ちょうど風船を膨らますように、xmlに記述された画面部品を実際のJavaオブジェクトに「膨らます」のをAndroidではinflateと表現しています。リスト3の(1)で取得しているMenuInflaterは、メニューを「膨らます」ためのクラスであり、そのメソッドinflate()を使うことで、xmlに記述されたメニュー部品がJavaオブジェクトになります(リスト3の(2))。リスト3の(3)は、親クラスのonCreateOptionsMenu()を実行し、その戻り値をそのままreturnしています。

選択肢選択時の処理

 ここまでで、メニュー表示はできました。今度は、メニューの選択肢をタップした時の処理の記述です。これは、アクティビティクラスにonOptionsItemSelected()メソッドを記述します。MenuListActivityに以下のメソッドを追加してください。

リスト4 MenuListActivityにオプションメニュー選択時処理メソッドを追加
@Override
public boolean onOptionsItemSelected(MenuItem item) {
    int itemId = item.getItemId();  //(1)
    switch(itemId) {  //(2)
        case R.id.menuListOptionTeishoku:  //(3)
            _menuList = createTeishokuList();  //(4)
            break;
        case R.id.menuListOptionCurry:  //(3)
            _menuList = createCurryList();  //(4)
            break;
    }
    SimpleAdapter adapter = new SimpleAdapter(MenuListActivity.this, _menuList, android.R.layout.simple_list_item_2, FROM, TO);  //(5)
    _lvMenu.setAdapter(adapter);  //(5)

    return super.onOptionsItemSelected(item);  //(6)
}

 メソッドの追加が終了したら、アプリを再起動し、動作確認を行ってください。選択肢を選択すると、リスト内容が変更されるはずです。

 onOptionsItemSelected()の引数であるitem(MenuItemオブジェクト)は選択された選択肢ひとつ分を表します。このメソッドgetItemId()を使えば、選択されたメニューのidのR値が取得できます(リスト4の(1))。このR値を使って、選択肢ごとの処理を分岐させていきます。それが、リスト4の(2)のswitch文です。caseでは比較対象として各<item>タグのidのR値を使います(リスト4の(3))。ここでは、選択されたのが定食かカレーかでフィールドの_menuListを作り直しています(リスト4の(4))。さらに、新しく作られた_menuListを使って、リストビューのアダプタクラスを作り直しています(リスト4の(5))。

 なお、このメソッドは、return文として、(6)の1行を定型として記述する必要があります。

「戻る」メニュー

 オプションメニューの最後として、「戻る」メニューを作成しましょう。これは、注文完了画面の方を改造していきます。現在、注文完了画面では、「リストに戻る」というボタンが配置されています。これを廃止し、代わりに、以下の画面のようにアクションバーに戻るメニューを配置しましょう。

図6 戻るメニューが追加された注文完了画面
図6 戻るメニューが追加された注文完了画面

 まず、activity_menu_thanks.xmlの<Button>タグを削除してください。

 次に、MenuThanksActivityのonCreate()メソッドの最後に以下の2行を追加してください。

リスト5 MenuThanksActivityに戻るメニューを追加
@Override
protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {

      ~省略~

    ActionBar actionBar = getSupportActionBar();
    actionBar.setDisplayHomeAsUpEnabled(true);
}

 これだけで、戻るメニューが追加されます。

 次に、この戻るメニュー選択時の処理を記述しますが、これは、通常メニュー同様にonOptionsItemSelected()メソッドに記述します。MenuThanksActivityのonBackButtonClick()メソッドを削除し、以下のメソッドを追加してください。

リスト6 MenuThanksActivityに戻るメニュー選択時処理を追加
@Override
public boolean onOptionsItemSelected(MenuItem item) {
    int itemId = item.getItemId();
    switch (itemId) {
        case android.R.id.home:
            finish();
            break;
    }
    return super.onOptionsItemSelected(item);
}

 記述方法の基本は、前項での解説通りです。戻るメニューのidのR値が「android.R.id.home」であることに注意しておけば問題ありません。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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