対象読者
- Google AnalyticsをAPIで活用したい方
- Google Analytics利用初心者
サンプルの動作確認環境
- 環境の要件:Java(1.8)、Linux(CentOS6.7)、Chrome
Measurement Protocolとは(1)
Measurement Protocolは、HTTPリクエストでユーザー行動の測定データをGoogleアナリティクスのサーバーに直接送信できる仕様です。Googleアナリティクスの通常利用と同じく制限はありますが(1セッション500ヒットまで、など)、利用は無料です。
サーバーへデータを送信するための仕様なので、上図のデータ解析プロセスではデータ取得の部分に対応しています。標準で利用されるanalytics.js(ウェブサイト)やSDK(Android、iOS)などのライブラリも、最終的にはMeasurement Protocolに定められた仕様にのっとって動作します。
Googleアナリティクスでは、ECサイトの購買データを取得するために、標準機能のEコマース機能を利用します。しかし、Measurement Protocolを利用すると、例えば実店舗のユーザーの購買データも同様に、Eコマース機能のデータと同形式でGoogleアナリティクスのサーバーに送信することができます。
HTTP Request
リクエストとして、HTTP GETとPOSTを利用できます。本稿ではGETで表記したものを使っていますが、POSTでもペイロード部分にデータ内容を記述することで同様に使うことができます。
HTTPリクエストは「https://www.google-analytics.com/collect」というURLに対して送信します。このドメインは、ウェブサイトに設置するGoogleアナリティクスのトラッキングコード(JavaScriptスニペット)が参照するAnalytics.jsのドメインと同一です。ウェブサイトのデータトラッキングはMeasurement Protocolと同じデータ送信仕様を用いています。
パラメータ
Measurement Protocolでは、設定パラメータや送信したいデータを付加するために、URLクエリパラメータ(&で挟んだキーと値のペア)を利用します。
パラメータは、例えば以下のように指定します。
?v=1&t=event&tid=UA-XXXXXXXXX-1&cid=12345&ec=email&ea=open
必須パラメータ
以下の4つのパラメータは全てのリクエストで必須です。
(1)プロトコルのバージョン
- 例:v=1
プロトコルのバージョンですが、2016年12月時点では1で固定です(将来バージョン2が出た際は切り替えが必要でしょう)。
(2)トラッキング ID(ウェブ プロパティ ID)
- 例:tid=UA-XXXXX-Y
Googleアナリティクスのどのプロパティへデータを送信するか、を指定するためのIDです。トラッキングIDはGoogleアナリティクスの「管理」>「プロパティ設定」>「トラッキングID」で確認できます。
(3)クライアントID
- 例:cid=a12db47b-db8b-4331-b0df-42eb88e6d62c
接続元(クライアント)を識別するためのIDデータです。ウェブの場合はユニークブラウザを識別するため、クッキー(2年間有効)に保存されます。値はランダムに生成されたUUID(バージョン4)である必要があります。一時的なテスト用途では、以下のようにHit Builder(後述)のフォーム横のボタンでランダムな値を生成することができるので、こちらを利用してください。
(4)ヒットタイプ
- 例:t=pageview
ヒットの種類です。「pageview」(ページビュー)、「event」(イベント)を通常利用します。
Googleアナリティクスでは「ヒット」という単位であらゆる操作データを記録します。ヒットをまとめたのが「セッション」(30分以内に操作されたヒット)、セッションをまとめたのが「ユーザー」(同一クライアントIDのセッション)になります。ヒットには、ページビュー、イベント、トランザクション(Eコマース機能利用時)などがあります。