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Googleアナリティクス API徹底活用入門

データ送信仕様Measurement Protocolを理解して活用する

Googleアナリティクス API徹底活用入門 第3回

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 デジタルメディアやIoTなどの普及によって、データを取得することができる機会が増えています。データを保存する手段にもさまざまなものがありますが、サーバーの設定が必要なものや、大仰になりやすいものが多いのが現状です。 Googleアナリティクスにはウェブサイトやアプリの計測以外に、ユーザー行動の測定データを送信して格納できる仕組みがあります。今回はデータ送信仕様であるMeasurement Protocolを紹介します。

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対象読者

  • Google AnalyticsをAPIで活用したい方
  • Google Analytics利用初心者

サンプルの動作確認環境

  • 環境の要件:Java(1.8)、Linux(CentOS6.7)、Chrome

Measurement Protocolとは(1)

 Measurement Protocolは、HTTPリクエストでユーザー行動の測定データをGoogleアナリティクスのサーバーに直接送信できる仕様です。Googleアナリティクスの通常利用と同じく制限はありますが(1セッション500ヒットまで、など)、利用は無料です。

データ解析におけるデータ取得
データ解析におけるデータ取得

 サーバーへデータを送信するための仕様なので、上図のデータ解析プロセスではデータ取得の部分に対応しています。標準で利用されるanalytics.js(ウェブサイト)やSDK(Android、iOS)などのライブラリも、最終的にはMeasurement Protocolに定められた仕様にのっとって動作します。

実店舗の購買データ送付
実店舗の購買データ送付

 Googleアナリティクスでは、ECサイトの購買データを取得するために、標準機能のEコマース機能を利用します。しかし、Measurement Protocolを利用すると、例えば実店舗のユーザーの購買データも同様に、Eコマース機能のデータと同形式でGoogleアナリティクスのサーバーに送信することができます。

HTTP Request

 リクエストとして、HTTP GETとPOSTを利用できます。本稿ではGETで表記したものを使っていますが、POSTでもペイロード部分にデータ内容を記述することで同様に使うことができます。

 HTTPリクエストは「https://www.google-analytics.com/collect」というURLに対して送信します。このドメインは、ウェブサイトに設置するGoogleアナリティクスのトラッキングコード(JavaScriptスニペット)が参照するAnalytics.jsのドメインと同一です。ウェブサイトのデータトラッキングはMeasurement Protocolと同じデータ送信仕様を用いています。

パラメータ

 Measurement Protocolでは、設定パラメータや送信したいデータを付加するために、URLクエリパラメータ(&で挟んだキーと値のペア)を利用します。

 パラメータは、例えば以下のように指定します。

?v=1&t=event&tid=UA-XXXXXXXXX-1&cid=12345&ec=email&ea=open

必須パラメータ

 以下の4つのパラメータは全てのリクエストで必須です。

(1)プロトコルのバージョン
  • 例:v=1

 プロトコルのバージョンですが、2016年12月時点では1で固定です(将来バージョン2が出た際は切り替えが必要でしょう)。

(2)トラッキング ID(ウェブ プロパティ ID)
  • 例:tid=UA-XXXXX-Y

 Googleアナリティクスのどのプロパティへデータを送信するか、を指定するためのIDです。トラッキングIDはGoogleアナリティクスの「管理」>「プロパティ設定」>「トラッキングID」で確認できます。

プロパティID確認
プロパティID確認
(3)クライアントID
  • 例:cid=a12db47b-db8b-4331-b0df-42eb88e6d62c

 接続元(クライアント)を識別するためのIDデータです。ウェブの場合はユニークブラウザを識別するため、クッキー(2年間有効)に保存されます。値はランダムに生成されたUUID(バージョン4)である必要があります。一時的なテスト用途では、以下のようにHit Builder(後述)のフォーム横のボタンでランダムな値を生成することができるので、こちらを利用してください。

ランダムなクライアントID生成
ランダムなクライアントID生成
(4)ヒットタイプ
  • 例:t=pageview

 ヒットの種類です。「pageview」(ページビュー)、「event」(イベント)を通常利用します。

 Googleアナリティクスでは「ヒット」という単位であらゆる操作データを記録します。ヒットをまとめたのが「セッション」(30分以内に操作されたヒット)、セッションをまとめたのが「ユーザー」(同一クライアントIDのセッション)になります。ヒットには、ページビュー、イベント、トランザクション(Eコマース機能利用時)などがあります。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 西 潤史郎(ニシ ジュンシロウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook<個人紹介>フリーランスとしてデータ解析エンジニアとして主にビッグデータ関連の仕事をしています。TableauなどBIやビッグデータ処理などビジネスデータ解析環境の構築・運用、また解析系のアプリケーション開発やGoogleアナリティクス活用支援などを行っています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/9941 2017/02/17 14:00

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