2. AWS Lambda+API Gatewayを使ってみて良かった点、困った点(海老澤 直樹)
次は海老澤の発表で、AWS上でサーバレスアーキテクチャを採った際の体験を語ってくれました。
良かった点
APIキーを使用した認証
顧客情報や金銭情報を扱うサービスだったので、セキュリティを高めるために認証機能が必要でした。
しかし、サービスを実行する端末がiPadだったので、ユーザーID/パスワードの入力など、なるべくキー入力は無くしたいという要望がありました。また、実装するとしてもそれなりの工数が必要になります。そこで、API GatewayのAPIキー認証を使うことにしました。
APIキー認証は、HTTPヘッダのx-api-keyにAPIキー文字列を含めてリクエストを送信します。送信されたAPIキー文字列がAPI Gatewayで管理されているAPIキーと一致すればアクセス許可、APIキーと一致しない、もしくはHTTPヘッダにx-api-keyが含まれていなければアクセス不可となります。
APIキーの管理(発行、削除、メソッドとの紐付けなど)はAWS マネジメントコンソールで行うことができます。
今回はAPIキーをiPadごと(iPadを所有する担当者ごと)に割り当て、万が一iPadを紛失した場合にはAPIキーを無効化するという運用にしました。これによりサービスの利用者はユーザーID/パスワードの入力をする必要がなく、かつセキュリティも考慮したサービスを作ることができました。
利用者が増えた場合にAPIキーの管理が煩雑になることが想定されること、PCなどiPad以外からの利用に対する対処は今後の課題です。
困った点
ローカルとLambdaでの動作の違い
Scalaで作成したメール送信機能がローカルの開発環境で動作したので、Lambdaにアップロードして動作させたところ、メールに添付したファイルが送信されないという現象が発生しました。原因はライブラリの違いかと思われましたが、時間がなかったのでそれ以上の調査は断念し、メール送信機能をNode.jsで実装するという手段で回避しました。
事前検証の大切さを痛感しました。