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イベントレポート

AIによるコーディング支援とGitHubとの統合、サーバレス/コンテナ対応を進展させたクラウドプラットフォーム【Microsoft Connect(); 2018】

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 米国時間の12月4日に開催されたデベロッパー向けイベント「Microsoft Connect(); 2018」のキーノートにおいて、Microsoftが提供するソフトウェア開発の技術およびプラットフォームに関する数々の新発表が行われた。本稿では、その主なトピックスをお伝えする。

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去年に引き続き、同社執行副社長でクラウドとAIの領域を担当するスコット・ガスリー(Scott Guthrie)が、トレードマークの赤いポロシャツを着て司会進行を務めた

去年に引き続き、同社執行副社長でクラウドとAIの領域を担当するスコット・ガスリー(Scott Guthrie)が、
トレードマークの赤いポロシャツを着て司会進行を務めた

AIによるコーディング負荷の軽減や、チーム開発を快適にする機能が拡充されたVisual Studio

 まず、開発環境の側面では、統合開発環境(IDE)の次のメジャーバージョンに当たる「Visual Studio 2019」のPreview 1(最初のプレビュー版)が発表され、ダウンロード提供も開始された。

 特に、コーディング支援や、10月末に買収が完了したGitHubとの機能統合にフォーカスを当てた発表となった。GitHub上のオープンソースプロジェクトのデータから学習したAIを用いて改良されたインテリセンス「Visual Studio IntelliCode」や、同僚とのリアルタイムコラボレーションを支援する「Visual Studio Live Share」、ツール内からシームレスにローカル/リモートのGitレポジトリ操作が行える機能などが拡充されている(詳細:米MSのブログポスト)。

Visual Studio 2019のスタートウィンドウの最上部には、「Gitレポジトリのクローン/チェックアウト」が表示されるようになった

Visual Studio 2019のスタートウィンドウの最上部には、
「Gitレポジトリのクローン/チェックアウト」が表示されるようになった

 Visual Studio 2019では、Live Shareが標準搭載され、同僚を招待して一緒にコーディング作業を行ったり、デバッグを手伝ってもらったりすることが簡単にできる。マルチプラットフォーム対応で無料の軽量エディタ「Visual Studio Code」でも使うことができ、イベントのデモではmacOS上のVisual Studio Codeと、Windows上のVisual Studioがシームレスに連携し、macOSのローカル環境で実行しているアプリをWindowsからもデバッグできる様子などが示された。

macOS上のVisual Studio Code(左)と、Windows上のVisual Studio(右)とが共同作業を進めている様子

macOS上のVisual Studio Code(左)と、Windows上のVisual Studio(右)とが共同作業を進めている様子

 GitHubとの統合においては、コードのレビュー、実行、デバッグ、同僚からのデバッグのプルリクエストといった、一連のアクションをIDE上で完結することができるようになり、プルリクエストの体験が向上した。Visual Studioマーケットプレイスから拡張機能「Pull Requests for Visual Studio」を入手することで試せる。

 細かい部分では、現状の「クイック起動」ボックスに代わり、設定やコマンド、インストールオプションをスマートに検索できる機能が追加される。検索語があいまいだったり、ミススペルがあっても対応する。

 また、リファクタリング機能も強化されており、GitHub上の同様のコードをもとにAIが提案する修正コードをボタン操作一つで反映したり、ユニットテストを自動生成したりする様子が紹介された。

リファクタリング機能の適用前(上)と適用後(下)の様子
リファクタリング機能の適用前(上)と適用後(下)の様子

WPFやWindows Formsも対象に含まれ、プラットフォームのオープンソース化が加速

 オープンソース活動については、.NET Frameworkのオープンソース実装の次期バージョン「.NET Core 3」のPreview 1が発表された。ダウンロード提供も開始されている。前述のVisual Studio 2019も.NET Core 3をサポートする。

 特筆すべきは、従来のバージョンではWebアプリケーションやコンソールアプリケーションが対象とされていたが、今回から「WPF」や「Windows Forms」といったWindowsデスクトップアプリケーション関連の部分が含まれた点。他にも、ASP.NET Core 3ではRazorビューエンジンが使えるようになり、Entity Framework Core 3はAzure Cosmos DBをサポートした(詳細:米MSのブログポスト)。

 また、社外のコミュニティから延べ61000以上のプルリクエストを既に受け付けており、.NETのオープンソース化が成功を収めていることも強調した。

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この記事の著者

斉木 崇(編集部)(サイキ タカシ)

株式会社翔泳社 ProductZine編集長。1978年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学専門分野)を卒業後、IT入門書系の出版社を経て、2005年に翔泳社へ入社。ソフトウェア開発専門のオンラインメディア「CodeZine(コードジン)」の企画・運営を2005年6月の正式オープン以来担当し、2011年4月から2020年5月までCodeZine編集長を務めた。教育関係メディアの「EdTechZine(エドテックジン)」...

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