「ImageFlux」の特長は? 埋没コストを削減し、運用の不安から解放される
ImageFluxの最大の特長は、導入が容易なことだ。ImageFluxのアカウントが発行されたら、管理画面からログインし、オリジンサーバー(画像が保存されている既存のストレージ。Amazon S3プロトコルとHTTP/HTTPSのいずれにも対応)を登録する。
するとオリジンサーバーに対応するホスト名が払い出され、画像の配信ができるようになる。あとはURLに画像変換パラメータを付加するだけで希望するフォーマットの画像を取得できる。
例えば幅200ピクセルの画像を取得したい場合は、
https://demo.imageflux.jp/c/w=200/bridge.jpg
というようにURLを変更すれば完了する。オーバーレイ合成も、URLの画像変換パラメータに重ねたい画像のファイル名を指定するだけの容易な操作で完了する。
「基本的に開発者が行う作業は、画像のURLをImageFluxのURLに差し替え、そこに画像のパラメータを付けるだけ。もちろん画像のストレージを移行する作業も必要ありません。ImageFluxを導入したことで、オーバーレイ合成にチャレンジできるようになったユーザー様もいました」(道井氏)
第2の特長は、多様なフォーマットに対応できることだ。トラフィック量軽減と表示速度短縮が実現する新しいフォーマット「WebP」にも対応する。「画像はバッドノウハウの塊」と道井氏は言う。「JPEG」だけで数1000種類もパターンが存在し、pixivのユーザーの投稿画像の中には、長年画像を扱っていた道井氏でさえも「こんなフォーマットがあるのか」と驚くものもあるという。pixivの運営で培ってきたノウハウがあるので、画像処理に伴う細かな技術的対応も万全を期している。
では実際に導入するとどういった効果が得られるのか。メルカリでは、ImageFluxを採用し、画像容量を46%縮小。データ通信料を30%以上削減できたという。
実はメルカリのように、効果を数字で表せる例は少ない。なぜなら、従来のように事前にリサイズする運用の場合には、画像のリサイズコストは埋没コストになっていることが多いからだ。
数字では表せないが、導入メリットはたくさんある。画像変換のためのシステムが不要になり、運用の負荷が削減できることも効果の1つだ。
「サービス開発を担っているエンジニアが画像変換システムの運用をしていることも多く、サービスの成長につれトラブルが発生するなど大きな負担となっていました。ImageFluxを利用すればその負担を手放し開発に集中できるのでメリットは大きいと思います」(礒川氏)
またデザインの変更など、デザイナーだけでできることの幅が広がることも効果だという。例えば新しくタブレット向けに横長の画像を表示させたいと思っても、そのサムネイルの実装はサービス開発エンジニアに依頼しなければならなかった。しかしImageFluxであれば、URLを変更するだけで目的のサイズの画像を取得できるようになる。「デザインの変更の都度エンジニアのリソースを奪われることもなくなります」(道井氏)
ImageFluxは導入しやすいよう、使った分だけ支払う従量課金制を採用している。現在は転送量に対する従量課金制となっているが、もちろんこの転送量には画像変換料も含まれている。今後はよりユーザーにわかりやすいよう、改定を検討している。
近日中に映像配信コンテンツの新サービスも
ImageFluxはピクシブにとって、R&D的な位置づけも担っているという。ImageFluxがより多くの人に使われ、収益事業になることで、画像変換処理技術の開発に投資できるからだ。
「今後、静止画に加え、画像・映像配信コンテンツに関してもさまざまな課題を解決すべく、近日中に新しいお知らせができると思います。また画像処理については、多彩な情報を含みながら容量を削減できるHEIF画像への対応も検討しています。HEIFであれば大きな画像もかなり縮小でき、高品質な配信ができるようになりますからね」(道井氏)
一方、さくらインターネットでもImageFluxをより品質向上、安定させるための取り組みを検討している。
「現在の配信拠点は東京のみですが、今後は大阪など複数拠点間で配信を冗長化し災害時でもサービスが継続できるよう対応を進めていく予定です。また映像配信コンテンツの追加などImageFluxの成長に必要なネットワーク帯域の増強も行い、インフラ面の強化を図っていきます」(礒川氏)
画像変換ぐらい自社でできる──。そう考えている企業は多い。しかしそこには見えない開発時間とコストが隠れており、見直せばより本質的なサービス部分にリソースを割くことができるようになるだろう。無料トライアルが用意されているので、ぜひ、ImageFluxを試してみよう。
ビジネス、企画、マーケティング職にもわかりやすい! 事例に学ぶ「ImageFlux」解説記事はこちら
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