スプリントバックログの進捗をカンバンで管理する
スプリントを開始した後に「ボード」をクリックすると、そのスプリントのスコープに設定したユーザーストーリーが表示されたカンバンができます。
デフォルトでは、「作業前」「進行中」「完了」の列(レーン)があります。
ステータス(列)を追加して、チームのプロセスを定義しよう
デフォルトで用意されている3つの列で十分な場合もありますが、各開発チームのワークフローに応じて、ステータス(列)を追加しましょう。筆者が必ず入れる列は「レビュー」のステータスです。プロダクトオーナーの確認や、開発チーム内のコードレビューなどに利用しています。
それ以外にも開発チームで必要なステータスがあれば追加しましょう。次世代プロジェクトでは、このステータスを追加するために、Jira Software管理者への依頼は不要です。チームのプロセスはチームで定義することができます。
ステータスを追加するときは、ステータスごとの「完了の条件」をチームで事前に決めておきましょう。例えば「進行中」から「レビュー」へ移動するときには、以下のような決まりごとをチームとして作ると良いです。
(例)レビューへ移る時の完了の条件
- リポジトリにプッシュして、自動テストをパスしている
- ローカルでの静的解析ツールからの指摘をクリアしている
- 必要なテストデータを自身で作って、テストを実施している
などです。こうすることでステータスを移す時に、チーム内の品質のバラツキが減り、手戻りも少なくなります。
自動化のルールを作成して、カンバンの管理をラクにする
Jira Software Cloudの次世代プロジェクトでは、自動化のルールを作成することができるようになりました。この設定もJira Software管理者に依頼することなく、チームが行えるようになっています。
現時点(2019年3月)では、「課題を誰かに割り当てる」と「フィールドの更新を自動的」のルールが用意されています。設定は、左上の「その他アイコン(…)」から「ルールの管理」を選択することで作成できます。
課題の割り当てを自動的にしてみよう
例えば課題を「進行中」に移動させる時に、カードを操作している人(現在のユーザー)に自動的に割り当てることができます。この設定は、チームリーダーがすべてのタスクを割り当てるのではなく、自分で取りに行く(サインアップする)ことをワーキング・アグリーメントにしているチームにとってうれしい機能です。
または、割り込みなどでタスクが中断するときは、Jiraのステータスを「進行中」から「作業前(手付かず状態)」に戻します。カンバンでタスクを管理し、状況を見える化するためには、ステータスを正しく動かすことが重要です。
ステータスを動かす時に、同時に担当者をクリアすることで、今誰もそのタスクを担当していないことを分かりやすくします。
課題のフィールド更新のルールでは、開発チームのメトリクスを取得するために、開発着手になったら、「Start Date」のようなフィールドを自動で更新させて、実際に開発に必要だった時間の記録などを分かりやすく設定します。
チームのプロセスを自動化できるか一度考えてみよう
チームの中で自動化できるプロセスがあるか一度検討することで、より合理的にカンバンを運用できるようになります。
ルールの機能は、最近利用可能になった機能で、これからも機能追加を予定しているようです。Atlassianのロードマップは、こちらで公開されています。
「ロードマップ」を使って、プロジェクトを見える化する
ロードマップ機能は、次世代プロジェクトの目玉機能の一つです。このロードマップを常にメンテナンスすることで、開発プロジェクトの状況をステークホルダーに対して、見える化することできます。これで報告のための資料をわざわざ作る必要がなくなります。
「エピック」という課題タイプを使って、課題を作成するとロードマップに表示させることができます。
エピックには、子タスクとして複数の課題を紐づけることができます。これらの子タスクがすべて完了すると、このエピックが終了したとみなすことができます。
また、ロードマップは上から優先度が高いように並んでいる状態が望ましいです。優先度はドラッグ&ドロップで並び替えできます。
エピックに紐づくタスクの見積もりを行った上で、紫のラインを調整しリリース日を決定しましょう。