SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

20年経ってもデファクトスタンダードIDEのEclipse入門

EclipseでGit操作をしてみよう〜EGitプラグインを紹介

20年経ってもデファクトスタンダードIDEのEclipse入門 第8回

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

GitHubとEGitの連携

 前節で、手順の1と2が終了し、ローカルリポジトリができ上がりました。次に、手順3のGitHubリポジトリの作成と4のプッシュを行っていきましょう。

GitHubリポジトリを作成する

 まず、GitHubリポジトリの作成です。そのためには当然ですが、アカウントを持つ必要があります。GitHubのアカウントを持っていない人は、こちらのアカウント作成ページから、アカウントの作成、認証などを済ませておいてください。なお、GitHubは有料アカウントもありますが、無料アカウントで十分です。

 作成されたアカウント、あるいはすでに存在するアカウントでログインしたTOPページ右上の[+]ナビゲーションをクリックすると、ドロップダウンメニューが表示されます(図17)。

図17: 新規リポジトリ作成メニュー
図17: 新規リポジトリ作成メニュー

 表示されたメニューから[New repository]を選択してください。すると、図18の新規リポジトリ作成画面が表示されます。

図18: 新規リポジトリ作成画面
図18: 新規リポジトリ作成画面

 図18のように以下の項目を入力し、[Create repository]をクリックしてください。

  • Owner: 現在ログインしているGitHubユーザ
  • Repository name: CodeZineEGit
  • Privateを選択
  • 各チェックボックスにはチェックを入れない

 すると、図19の画面が表示され、無事リポジトリが作成されたことになります。

図19: 作成されたCodeZineEGitリポジトリの画面
図19: 作成されたCodeZineEGitリポジトリの画面

 ここで、先の入力項目についていくつか補足しておきます。

Repository name

 まさに、リポジトリ名です。この名称でリポジトリを区別するので、自分が所有するリポジトリの中で重ならない名前で、わかりやすいものにします。

publicとprivateの選択

 デフォルトはpublicとなっています。このpublicとしてリポジトリを作成すると、名称通り、そのリポジトリ内のソースコードは、公開されてしまいます。オープンソース開発のリポジトリのように、そもそもソースコードを公開するならばpublic、公開したくないならばprivateとします。

Add a README file

 このリポジトリの説明を記述したファイル(READMEファイル)を自動生成するかどうかのチェックボックスです。チェックを入れると、リポジトリ名が記述されただけのREADMEファイルが自動生成されます。

Add .gitignore

 .gitignoreファイルとは、Gitのバージョン管理対象から除外するファイルを設定するファイルです。この.gitignoreファイルをあらかじめ用意された雛形から作成する場合はチェックを入れます。

Choose a license

 ここで作成するファイル類のライセンスを記述したファイルを、あらかじめ用意された雛形から生成する場合にチェックを入れます。

 なお、チェックボックス類にひとつもチェックを入れず、自動生成するファイルがない場合、リポジトリは空となります。空のリポジトリはクローンが行えないため、通常はどれかにチェックを入れてリポジトリを作成します(READMEが多いです)。ただし、今回のように、あえて空のリポジトリを作成してから、EGitなどによってこのリポジトリにプッシュする場合は、全てチェックを入れずに作成します。

ローカルリポジトリをプッシュする

 前項で作成したGitHubリポジトリに、EGitを使ってローカルリポジトリをプッシュしましょう。EGitでプッシュするにあたり、リモートリポジトリのURIが必要です。GitHubの図19の画面の[Quick setup]に記載のhttpsから始まるURLをあらかじめコピーしておいてください。URL表示欄右横のをクリックすると、コピーできます。

 次に、EclipseのパッケージエクスプローラーでFirstEGitProjectプロジェクトフォルダを右クリックし、表示されたメニューから
[チーム] > [ブランチのプッシュ]
を選択してください(図20)。

図20: ブランチのプッシュメニューを選択
図20: ブランチのプッシュメニューを選択

 すると、図21の宛先Gitリポジトリ画面が表示されます。

図21: 宛先Gitリポジトリ画面
図21: 宛先Gitリポジトリ画面

 [ロケーション]の[URI]欄に先ほどコピーしたURLをペーストしてください。他の入力欄が自動的に入力されます。その上で、[認証]の[ユーザ]と[パスワード]にGitHubのログインIDとパスワードを入力してください。[セキュアストアに保管]のチェックを入れておくと、この後、IDとパスワードの入力を省略できます。一通り入力できたら、[プレビュー]をクリックします。図22のリモートのブランチへプッシュ画面が表示されます。

図22: リモートのブランチへプッシュ画面
図22: リモートのブランチへプッシュ画面

 プッシュ内容が表示された画面ですので、特に問題なければ、そのままもう一度[プレビュー]をクリックします。すると、図23のプッシュ確認画面が表示されます。

図23: ブランチのプッシュ確認画面
図23: ブランチのプッシュ確認画面

 [プッシュ]をクリックしてください。無事プッシュが行われると、図24のプッシュ結果画面が表示されます。[閉じる]をクリックして、この画面を閉じます。

図24: プッシュ結果画面
図24: プッシュ結果画面

 これで、無事プッシュが完了し、ローカルリポジトリとリモートリポジトリが同期されました。この状態で、GitHubのリポジトリの画面を表示させると、図25のようになっており、無事、ローカルファイルがリモートリポジトリに格納されていることがわかります。

図25: プッシュ後のGitHubのリポジトリ画面
図25: プッシュ後のGitHubのリポジトリ画面

すでにあるリポジトリへの対応

 前節で、初期作業は終了したことになります。以降は、存在するこのリポジトリに対して作業を行っています。

コミット対象外のファイルの追加

 先述の通り、ファイルの追加や編集を行ったら、Gitステージングビューを利用して、ステージング→コミットを行っていきます。図26は、試しにHelloWorldクラスを追加した状態のパッケージエクスプローラーです。

図26: HelloWorldクラスが追加されたプロジェクト
図26: HelloWorldクラスが追加されたプロジェクト

 この状態でGitステージングビューは図27のようになっています。

図27: HelloWorldクラスを追加した後のGitステージングビュー
図27: HelloWorldクラスを追加した後のGitステージングビュー

 コーディングしたHelloWorld.javaファイルだけでなく、コンパイルされたHelloWorld.classファイルも対象として表示されています。しかし、コンパイルされたファイルはGitの管理対象として外す必要があります。そこで、HelloWorld.classファイルを右クリックし、[無視]を選択してください(図28)。

図28: HelloWorld.classファイルをGitの管理対象外に設定
図28: HelloWorld.classファイルをGitの管理対象外に設定

 すると、Gitステージングビューは、図29のように変わり、.gitignoreファイルが追加されています。あとは、これらのファイルを、ステージング、コミット、プッシュを行えばよいです。

図29: 追加された.gitignoreファイル
図29: 追加された.gitignoreファイル

リモートリポジトリのクローン

 最後に、リモートリポジトリのクローンの方法を紹介します。パッケージエクスプローラーの余白部分を右クリックし、
[表示] > [Gitリポジトリ]
を選択してください。図30のGitリポジトリビューが表示されるので、[Clone a Git repository]をクリックします。

図30: Gitリポジトリビュー
図30: Gitリポジトリビュー

 すると、図21と同様の画面が表示されるので、URLとユーザとパスワードを入力し、あとは、そのまま[次へ]をクリックして進めていけば、クローンできます。ただし、ウィザード最終画面である図31のローカル宛先画面の[ディレクトリー]に、ワークスペースを設定するようにしておいた方がいいでしょう。

図31: ローカル宛先画面
図31: ローカル宛先画面

まとめ

 今回は、EclipseでGitを操作するプラグインであるEGitの使い方を紹介しました。次回は、データベースの設計が行えるプラグインである、ERMasterを紹介します。

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
20年経ってもデファクトスタンダードIDEのEclipse入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

WINGSプロジェクト 齊藤 新三(サイトウ シンゾウ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook <個人紹介>WINGSプロジェクト所属のテクニカルライター。Web系製作会社のシステム部門、SI会社を経てフリーランスとして独立。屋号はSarva(サルヴァ)。HAL大阪の非常勤講師を兼務。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/14500 2021/07/29 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング