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データサイロ化とコストの課題を克服してノバセルが迅速にデータ基盤を構築できた理由【デブサミ2022】

【17-D-2】ノバセルの急成長を支えるために、爆速でデータ基盤を構築した話

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構築やメンテナンスに手間をかけずマネージドサービスを活用する

 サービス開始当初から広い範囲のユーザー層にビジネス展開するならば、早い段階からデータ基盤の優先度は高まる。ノバセルではビジネスを開始した当初はユーザーも限られ、顧客状況のデータを集めるデータ基盤の整備よりも人手による個々のユーザーからヒアリングを重視していたと戸辺氏は振り返る。

 また組織が小さい段階でデータ基盤を導入する際は、専任担当者がいなくても構築できるものを目指すべきだとも指摘する。目的に合わせ最初は最小限で構築する。その際にはSnowflakeのスキーマ・オン・リードの自由度の高さと、柔軟で簡単にデータを収集できるtroccoがあればデータを溜めるのに手間がかからない。手間なくデータを溜められることで、浮いたぶんの工数をサービス開発などに充てられると言うのは、primeNumberのCPO 小林寛和氏だ。

株式会社primeNumber 取締役執行役員CPO 小林寛和氏
株式会社primeNumber 取締役執行役員CPO 小林寛和氏

 ノバセルも事業立ち上げ時、まだエンジニアが少ない中で迅速にデータ基盤を構築できたのは、troccoとSnowflakeでデータ収集やその後のチューニングに手間がかからなかったからで、それが事業のスピードを上げることに貢献したと戸辺氏も言う。

 primeNumberは2015年に創業、データエンジニアに特化した事業を展開している。troccoはデータ基盤のための技術スタックをSaaSとして提供している。主要となるETL/ELT機能では、約100種のデータソースに対応し、データを渡す先のデータウェアハウス・データベースも主要なものを網羅している。Webブラウザ上で操作が完結するため、ノーコードで分析データを統合し、専属のエンジニアがいなくともデータウェアハウスやデータレイクを構築できる。

 troccoのもうひとつの特長は、データ基盤を作った後に必要となる、データマネージメントを実現出来ることだ。複雑化したジョブを管理するためのGUIワークフロー、データ・ガバナンスを確保するためのデータカタログなど、基盤の運用をサポートする多様な機能を備えている。

 データソースからデータウェアハウスなどにデータを渡すETLのパイプラインが少なければ、自前で開発しメンテナンスをするのでも問題ないだろう。しかし、利用したいデータが増えれば多くのデータソースとの接続が必要になり、パイプラインはさらに多様化し複雑化する。そうなればAPI接続のための学習コスト、開発・構築コスト、メンテナンスコストが大きくかかる。パイプラインが増えれば、ETLのジョブの依存関係なども複雑化する。

 SaaSのフルマネージドなサービスとして提供されるtroccoは、「それらの課題全てを解決するデザインで作られています。データソースごとのコネクタをあらかじめ用意しているので、ユーザーが構築する必要はありません。メンテナンスも、APIのバージョンアップやスキーマ変更の追従をtroccoが自動で管理するため、最小限です」と小林氏。

 さらに特徴的なのが、シンプルな料金プランだ。ライトプランであれば月額10万円から利用できる。これにより少人数のスタートアップや新規事業を立ち上げる際にも、比較的安価にすぐに分析環境を整えられる。

 primeNumberではtroccoの提供だけでなく、データ基盤をどう作れば良いかのコンサルティング、基盤の設計、構築のサポートも行う。さらに組織でのデータ基盤の普及、活用までサポートできる。

 最後に戸辺氏は、データ基盤の構築はあくまでもHowであり、目的設定が大事だと強調する。そして手段はなるべく簡素にし、目的を達成できるものを選ぶ必要があると言う。小林氏も自前で構築する選択肢もあるが、構築に時間をかけるよりも多少お金はかかってもマネージドのtroccoやSnowflakeを活用し、ユーザーには自身のサービス開発などに注力してほしいと言う。

troccoを活用したデータ活用事例

 troccoの利用やデータ活用サポートを通じて成果を挙げた顧客事例をご紹介しております。

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

 かつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリストとして、クラウド、データベース、ビッグデータ活用などをキー...

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