Azure Spring Apps: The Easy Way to Run Your Apps
このセッションではMicrosoftのAsir Selvasingh氏とVMwareのAdib Saikali氏から、Azure Spring Appsについて紹介されました。
Azure Spring Appsとは、MicrosoftとVMwareが共同で開発・運営・サポートするSpring開発者向けのフルマネージドサービスです。Kubernetes上に構築されており、開発者はアプリケーションをAzure Spring Appsにデプロイすることで、インフラストラクチャの管理、アプリケーションのホスティング、ライフサイクル管理、ブルーグリーンデプロイメント、ログやメトリクスの公開などをKubernetesに関する学習や管理をせずに行うことができると言います。
また、アプリケーションはAzureサービスや外部サービス、オンプレミスシステムとのやり取りが可能で、ログやメトリクスなどはAzure Monitorで監視することが可能です。そして、アプリケーションのデプロイ方法として、開発者が使い慣れたツールを用いることができるという特徴があります。セッション中では、VSCode、Eclipse、Spring Tool Suite、IntelliJやMaven、Gradleなどが使用可能なツールとして挙げられていました。
さらに、Azure Spring Appsを立ち上げるためには、3つのステップのみでよいと述べ、サービス利用の簡単さを強調していました。
また、Azure Spring Appsは既にいくつかの企業で採用されており、オートスケーリングやオートパッチ、アプリケーションの管理など様々な機能を利用していると説明されました。
続いて、実際にAzure Spring Appsを使用したデモが行われました。デモでは、サービスインスタンスを作成するところから、コンポーネントやネットワークの設定、開発のひな型となるApplication Acceleratorを使用してアプリを作成し、デプロイする様子などが実演されました。
デプロイされたアプリはKubernetesのコンテナ上で実行されますが、Azure Spring Appsが自動的にコンテナ化するため、開発者はDockerfileを作成する必要がありません。また、Application Acceleratorを使用することで企業の求める様々なポリシに基づくアプリが作成できるといいます。ここでも、Kubernetesでのメリットを得ながら、それらの管理や学習に対して労力を割かなくてよいことを強調しているようでした。
さらに、Azure Spring Appsで利用できる機能やその使用方法の詳細について、こちらもデモを交えながら紹介されました。具体的には以下の内容等に言及し、Azure Spring Appsの多彩な機能を明らかにしました。
- Cloud Native Buildpacks
- Spring Cloud Gateway
- Application Configuration ServiceとSpring Cloud Config Serverの違い
- Observability
最後にAsir Selvasingh氏は、Azure Spring Appsを使ってSpringアプリケーションの可能性を最大限に引き出しましょうと述べ、Azure Spring Apps関連のリソースを紹介しました。
セッション全体を通して、Azure Spring Appsを利用するハードルの低さ、ならびにアプリケーション開発の手助けになる部分を強調して説明されており、実際に使ってみたいと思わせる内容となっていました。
おわりに
以上、SpringOne Essentialsのセッションから抜粋し、内容を紹介してきました。公式サイトからはセッションの動画・スライドが参照できる他、トップページから”The Golden Path to SpringOne”のリンクを辿ると、2023年8月にVMware Exploreの一部として米国ラスベガスで開催予定のSpringOneに向けて毎週2回新たな動画が公開されています。ぜひアクセスしてみてください。