SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2023 Summer セッションレポート(AD)

ソフトウェア署名をクラウドで実現し、CI/CDパイプラインをセキュアに構築する方法とは?

【D-3】セキュアに構築するCI/CDパイプラインの最前線!~事例でみるソフトウェア署名をクラウドで実現する方法~

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

証明書新基準は、開発現場においてさまざまな影響を与えている

 続いて中村氏は、そのコードサイニング証明書をローカルの環境、あるいはリモートのビルドアンドデプロイ環境に直接配置し、従来型のコード署名を行う方法が、ソフトウェアベンダーにとってリスクを引き起こす理由について説明した。コードに署名する理由は3つ。1つはマルウェアの拡散を防ぐため。2つ目は、ソフトウェアが会社を代表するものとして、その身元を確認し、コンプライアンスを維持するためだ。そして3つ目はセキュリティ警告を回避するためだ。しかしながら、コード署名の管理は難しく、これが脆弱性を生み、サイバー犯罪者がこれを突く方法を探し始めていると言われている。

 署名キーは盗難に対して脆弱だ。ユーザー間で共有されていたり、あるいは安全でないストレージに保管されていたりすると、盗まれやすくなる。すべてのアプリケーションを同じキーで署名する運用をしている組織もあり、盗難にあってしまうと改修の影響が大きい。署名に対する説明責任や権限管理もなく、割り当てられた担当者が署名をしていて、監査証跡もない状況だという。

コード署名の管理は難しく、脆弱性が指摘されていた
コード署名の管理は難しく、脆弱性が指摘されていた

 署名キーが盗難にあった場合、なりすましによる署名やマルウェアの混入に使われてしまうリスクが大きい。正しい証明書として配布、インストールされるのでユーザーは気づかない。そのような被害を出してしまったソフトウェアベンダーは、修復コストもかかるし、ブランドへも悪影響を及ぼしてしまう。

 中村氏は、コードサイニング証明書の基準の変更によって影響を受けた以下3つの事例を紹介した。

  • 1つ目は分散開発環境での物理的なハードウェアトークンの必要性による問題。特に、全員がビルド担当や開発メンバーが社外の人の場合、ハードウェアトークンの管理が難しくなる。
  • 2つ目はCI/CDの自動化問題。ハードウェアトークン導入により、署名の段階で人手が必要となり自動化が妨げられる。
  • 3つ目は内製コード署名システムの強化問題。ハードウェアトークンでは解決しきれず、HSMの導入が必要だが、専門的な知識と維持費用が必要となり、負担が増える。

次のページ
コード署名を盛り込んだCI/CDパイプラインを再構築しコストを削減した事例

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2023 Summer セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:DigiCert Japan G.K.

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/18196 2023/09/29 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング