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【最新Javaアップデート解説】変更点と過去バージョンからのおさらい

「Java21」で何ができる? 新機能とJava17以降の変更点を紹介

Java21での新しいAPI、変更点とJava17からのおさらい

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 前回のJavaのLTSバージョンであるJava17が2021年9月にリリースされ、その2年後である今年の9月に次のLTSバージョンであるJava21がリリースされました。今回は、Java21での変更点を中心に紹介しますが、Java17以降の継続してバージョンアップされてきた機能もありJava21だけの紹介では少々わかりにくいところもあります。その間にリリースされたJava19の内容もふまえて、Java21の機能について紹介します。

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Java18以降の変更(Java18〜20の概要)

 すべてのバージョンアップで変更点を見ている方は少ないと思います。そのような方にとっては、Java21の変更点だけを紹介してもわかりにくいところがあります。

 Java17以降のリリースであるJava18からJava19については前回記事で詳しく紹介しています。今回は、Java 20までに正式リリースされた変更点について改めて簡単に紹介します。

 表1がJava18〜20までの正式リリースされた主な変更点です。

表1:Java18〜20までの主な正式リリースされた変更点
JEP 名称 リリースされたバージョン
JEP400 UTF-8のデフォルト化 Java18
JEP408 簡易Webサーバ Java18
JEP413 JavaDoc用のコメントの改善 Java18
JEP418 インターネットアドレス名前解決のSPI化 Java18
JEP421 削除のためのファイナライズの非推奨化 Java18

 JEP418以外についても前回記事で紹介しているので、そちらを参照ください。また、JEP418の意味は名前解決がSPI化されたことにより独自実装が可能になることで、自ら利用する必要があるエンジニアは多くありません。

 これらを振り返ると、正式リリースの範囲に限れば、多くのJavaエンジニアにとって既存のコードや、これから作成するコードに対しても、大きな変更点はなかったと言えます。

 一方、Java19とJava20では、Project Amber関連のPreview版リリースが多くありました。そして、これらのPreview版機能が今回のJava21の主なリリース内容になっています。

Java21での主な変更点

 Java21でリリースされた主な変更点は表2の通りです。

表2:Java21で正式リリースされた変更点
JEP 名称
JEP431 順番を保持したコレクションインターフェース(Sequenced Collections)
JEP440 レコードパターン(Record Patterns)
JEP441 Switchでのパターンマッチ(Pattern Matching for switch)
JEP444 仮想スレッド(Virtual Threads)

 また、Preview版としてリリースされたものが表3です。

表3:Java21でプレビュー版での変更点
JEP 名称
JEP430 文字列テンプレート(String Templates)
JEP443 無名パターンと無名変数(Unnamed Patterns and Variables)
JEP445 mainメソッドの改善(Unnamed Classes and Instance Main Methods)

 「仮想スレッド(JEP444)」については、Java19のPreview版としてリリースされたものがそのまま正式版になり、こちらで紹介しているのでそちらを参照してください。

 このJEP444とJEP431以外の変更内容がProject Amber関連の変更になります。これらの変更の多くはそれぞれが関連していて、これらを組み合わせることでよりコードが記述しやすく、そして、読みやすいコードになります。

順番を保持したコレクションインターフェース(JEP431)

 これまでは明確に要素の順番を維持するコレクションインターフェースがありませんでした。そこで、図1に示すようにSequencedCollection、SequencedSet、SequencedMapのインターフェースが追加されました。

順番を保持したコレクションインターフェースの概要
順番を保持したコレクションインターフェースの概要

 筆者も以前、HashMapやHashtableクラスなどを使った時に自分が想像した順番に並んでいないことに驚いたのを覚えています。これまでは、各実装ごとにこれらに注意して適切なクラスを選択しなければいけませんでした。しかし、これからは、これらのインターフェースを見れば順番が保証されているかどうかがすぐに分かります。そのため、これからJavaプログラミングを始める人にとっては分かりやすくなったのではないかと思います。

次のページ
追加されたインターフェースとそのメソッド

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 小林 昌弘(コバヤシ マサヒロ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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