SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Women Developers Summit 2023 セッションレポート(AD)

未経験からエンジニアへ! キャリアを築くためのアウトプット4つのフェーズ

【A-5】「未経験エンジニアがアウトプット駆動で自らのキャリアと生きる道を切り開くまで」

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

4つのフェーズに分かれる、これまでのアウトプット歴

 崎原氏がアウトプットを行ってきた時期を分類すると、4つのフェーズに分かれる。フェーズ1はエンジニアを志し、就活をして内定を得るまでであり、フェーズ2は内定者時代である。フェーズ3は大学卒業後、社会人として研修を終え、現場に投入されるまでの期間で、フェーズ4は研修を終え、実際に働き始めた時期だ。

 崎原氏は中学・高校を普通科で卒業し、大学では工学部の情報系学科に進んだ。大学での教育は主に数学と理論に基づいており、C言語で有名なアルゴリズムを書く程度の授業が中心だった。このため、大学卒業時にはコンピュータの基本的な知識も不足していた。

 ITの基礎知識もほとんどなく、サーバーにログインすることすら知らなかった。大学の授業は主に標準入力からのデータ処理に限られていたのだ。大学3年の秋に転機が訪れる。

 DjangoというPythonのWebアプリフレームワークを使ったことでエンジニアとしてのキャリアを志すこととなったのだ。しかし、実績がないために就活は困難を極めた。インターンの機会にも恵まれず、仕方なく自分で学び、作ったアプリのURLを就活のエントリーシートに記載することになった。さらに、他にもなにか成果物を作りたいとの思いから、アプリ作成時に得られた知見を技術記事としてまとめるようになり、これが執筆を始める動機となった。また、既存の技術記事が初学者にとって理解しにくいことも執筆の動機の一つとなった。

フェーズ1:就活時代のまとめ
フェーズ1:就活時代のまとめ

 崎原氏はアクセンチュアに内定し、卒業後の職を確定させることができた。就活が終わり、働き始める前のモラトリアム期間がフェーズ2だ。この時期は義務感から解放され、自分の興味に基づいてGo言語やAWSを使ったインフラ構築に取り組んでいた。

 この時期のアウトプットの主な動機は、初学者にわかりやすい記事が世の中にないため自分で書きたいということに加え、試行錯誤や学んだ内容のサマリーを外に出すことで他人からのフィードバックを得たいという願いがあった。学生で技術に興味を持つ同僚や同好の士が周りにいない環境であったがゆえ、自作の内容がベストプラクティスに沿っているかのアドバイスを身近な場所で得ることが難しかったためである。

フェーズ2:フィードバックを求めた
フェーズ2:フィードバックを求めた

 フィードバックを受けることを望みながらアウトプットを続けた結果、技術者コミュニティと繋がることができ、フェーズ3に至る。崎原氏はGo言語のコミュニティに参加し、ハンズオンや技術同人誌の執筆、LT登壇などを通じて新たな形のアウトプットを始めた。

 投稿する記事について技術者コミュニティからは「いい記事だね」「いいまとめだね」「これは誰も書いてなかった」といった肯定的な反応を多く得ることができた。自分の活動に対するフィードバックを得る目的は達成されたのだ。これにより彼女は自信を得て、初学者や中級者向けの技術記事を書くことが自分のミッションであると感じるようになっていった。

フェーズ3:自身のミッションを明確にした
フェーズ3:自身のミッションを明確にした

 崎原氏はコミュニティ活動を行いながら大学を卒業し、アクセンチュアに就職した。新卒研修を終えて現場投入を迎えることで、フェーズ4に入った。趣味とは異なり、仕事としてITエンジニアリングに向き合う必要が出てきた。

 仕事では明確な課題解決が必要であり、そのための切迫感が個人開発とは異なる。コンサルティング会社では、課題解決のためのプロとしての助言が求められる。ただ作業を行うだけでなく、その結果から何が学べるかを考える必要がある。また、自分たちだけでなく業界全体を見渡す横断的な視点も求められるようになった。

 「明確な課題感があることは、記事の知見がなぜ求められているのかという動機の厚みを増しますし、記事の結論が普遍的で現場横断的な知見になることも良いことです。アウトプットが大好きな人間として、エンジニアとしてコンサルティング会社で働くことは、意外にも居心地が良いと感じています」(崎原氏)

フェーズ4:コンサルティング会社は技術記事執筆のための良い環境
フェーズ4:コンサルティング会社は技術記事執筆のための良い環境

次のページ
アウトプットする時に大切なこととは

関連リンク

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Women Developers Summit 2023 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

川又 眞(カワマタ シン)

インタビュー、ポートレート、商品撮影写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:アクセンチュア株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/18713 2023/12/20 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング