自動テストを継続する5つのポイント
そして浅黄氏は、自動テストを継続するための5つのポイントを説明した。
1つ目のポイントは、担当者を決めること。自動テストを導入すると属人化しないと言うが、実際はテストを作った人に属人化することになる。なので、「まずは属人化させてその人がちゃんと自動テストをやれる状況を作ろう」と説いた。
2つ目のポイントは、失敗したテストを放置しないこと。12時間放置すると次のテストが始まるため、1日過ぎたら原因追及なんてほぼされない。そのためヒューマンクレストでは、24時間以内に方針を決めることを基本ルールにしているそうだ。
3つ目のポイントは、テストを安定化させること。当たり前のことだが、不安定なテストは本当に正しい結果を出しているか見ることができない。「そのために不安定なテストは捨てても構わない」と主張した。
そして4つ目のポイントとして、テストのリファクタリングを常に行うことの重要性を説いた。テストの目的が何かをもう一度考え、価値の再構築を常にやっていく必要がある。
最後のポイントは、開発者や他のメンバーの協力を得ることだ。先ほどの事例でも触れたように、自動テストだけでは実現できないことがたくさんある。
「プラットフォームチームやDevOpsチーム、セキュリティチームとどれだけコラボレーションできるかが非常に大事だと思っています」
なお、3つ目の事例については「新しい技術をちゃんと導入していこう」と強調した。あるお客さまでは、新しい技術を常に取り入れながら、同じテストを10年続けているという。
最後に浅黄氏は、「技術トレンドを追わないと自動テストも陳腐化していきます。テストエンジニアも必ず疲弊していってモチベーションも下がります。地道ですが、当たり前にきちんと技術トレンドを追っていくことが大切です」と強調し、セッションを締めくくった。