インフラエンジニアは自分を信じない? より快適に仕事をするためのマインドセット
さらに、インフラエンジニアが持っておくと良い知識として、角田氏はアプリケーション開発の知識を挙げた。このような知識があるインフラエンジニアは、顧客の状況や心情を把握しやすく、重宝される傾向にあるという。
またソフト面でも、インフラエンジニアに必要とされる素質として「知らないことや新しいことを調べようという気持ち」「アラートがきても動じない心」があればより快適に仕事ができると話す。
角田氏もインフラエンジニアになって間もない頃はアラートがきたら焦り緊張していた。しかし、危機感は大事とはいえ、冷静にアラートの内容を確認し、対処法を考えるほうが建設的だと考えるようになったという。そこに至るまでには、
- 経験を積み重ねていくこと
- 想像力
- 自分すら信じない
という3つの気づきがあったそうだ。
まず「①経験を積み重ねていくこと」について、角田氏は「エラーが起きた時に、どこに原因があるのかある程度あたりをつけることが大切。経験が役立つことが多いので、意識的に経験を積もうとすることが大事」と語る。また「②想像力」についても、さまざまな問題が起こる可能性を考え、事前にそれらに備えた構築・設計をする必要がある。「もし……」という想像から発想し、それが起きたときをイメージして先手を打っていくことが大切だ。さらに言えば、サービスの構成やネットワークの経路を把握できていなければイメージも膨らまないため、それらの知識も必要になってくる。
そして角田氏は、「③自分すら信じない」ことの重要性も強調する。「人が書いたシェルスクリプトはもちろん、自分が書いたスクリプトや設定についても構成から何から疑っている。たとえば、『実行して』と言われて、そのまま何も考えずに実行するのは危ない」と語り、「必ず実行される内容を自分で把握してから実行することが大切」と強調した。
ユーザー起点のクライアントワークから展望する、次のステップとは
インフラエンジニアとして働く中で、角田氏は「いろいろな分野の方と仕事をすることで、それぞれの業界の課題が見えてきた」と語る。確かにクラウドインフラ企業は比較的新しい業種で、クライアントワークも多い。業界を選ぶことなくいろんな分野の人と仕事ができることから、さまざまな領域の課題が見え、エンジニアとしての次のステップやキャリアの選択肢を意識することにもつながる。
「ユーザー起点で物事を考え顧客の成功を支援するというインフラエンジニアの仕事は、技術起点とはまた違った起点で自分のキャリアを考えられる。技術や環境だけで仕事を選んでいる方には、インフラエンジニアの仕事は新たな刺激があり、別の視点が得られることを知ってほしい。キャリアに悩んでいる方は何か糸口をつかめるのではないか」と角田氏は語る。
たとえば、自分が興味のある分野でSREやテクニカルアカウントマネージャーとして活躍するという選択肢もありうるだろう。また、Googleが数年前に発表したCRE(顧客信頼性エンジニアリング)という職種で、顧客をサポートし不安を取り除くという仕事もある。
また、grasysではクライアントワークに必須なスキルとして「しゃべれて作れるエンジニア」を標榜している。確かにクライアントに言われた通り作れば十分売り上げも立つが、その奥にいるユーザーの視点では、システムやインフラの品質がより高い、使いやすいサービスが求められる。grasysのエンジニアは、そうしたクライアントワークを極めていくという。
最後に、エンジニアの今後について、ChatGPTから答えをもらってコードの中身を理解しないまま仕事ができる時代への懸念を角田氏は話す。「理解しないままでは、問題に直面した時に思考停止に陥りがち。ChatGPTが出してくれるのはアイデアで、実際に手を動かして行動して初めて価値がでる。AIを賢く使いつつ、技術職であるエンジニアとして、自分で考え手を動かしながら、フットワーク軽くいろんなことに挑戦していきたい」と語った。
そして、Webサービスやネットワークが必須の存在となる中で、「なんとなく動いている」インフラが多いことも指摘した。「お客様のビジネスはもちろん、ユーザーの楽しさ・快適さを大切にしてインフラの品質を高めていきたい。もしインフラエンジニアに興味を持ってくれた人がいるなら、ぜひgrasysに問い合わせてほしい」と訴え、セッションを終えた。
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