いたるところに広がるAI機能、これからの開発者に求められることとは
次はGitHub Copilot Extensionsだ。これはユーザーがIDEやGitHubを離れることなく、任意のサードパーティーのツール、データベース、サービスを統合するものだ。服部氏は「GitHub Copilotが学習された知識のモデルに依存するのでは最終的には開発生産性は頭打ちになってしまいます。そのためオープンソースや専門的な知識など、それぞれのエンジニアがそれぞれの開発現場で必要なツールや知識をどのように引き込んでいけるかにチャレンジしています」と話す。
例えばDockerファイルがないリポジトリがあるとすると、ユーザーがチャットに「Dockerファイルを作って」とリクエストすればGitHubがDockerファイルを作成し、プルリクを投げるところまでやってくれる。
服部氏は「エージェントというものが何をもってエージェントたらしめるかというと、アクションなのです。質問にテキストで返答するだけではなく、アクションでワンステップ先に進んでもらうところが次のAI駆動の機能になります」と言う。
こうした機能は主にGitHub Copilot Enterpriseに実装され、それぞれの処理や作業のなかで自然言語で入力して対話するような形で進んで行く。単純な機能ではないので、「それぞれのツールで何が重要かを定義して、AIモデルの選定やレスポンスを設計するなどを細かく実装しています」と服部氏は説明する。
今後はGitHub のプラットフォームにAIがさらに組み込まれていくことになるが、どの機能がどのようなことができるのかをよく理解して、うまく使いこなしていくのが重要になりそうだ。もちろんユーザーが手動でやるべき部分もある。服部氏はたとえとして「移動手段と同じで、全工程を新幹線または自動車で行けるかというとそうではありません。やはりどこかで徒歩も必要になります。現状のAIツールもそれと同じで、GitHubは最もうまくいく方法を探っているところです」と話す。
今回の講演は20分という短時間だったため、紹介できるものが限られてしまい他にもメトリクスのAPIなど開発が進行/計画中のものもある。要所で適切に開発の生産性を高められるものを提供しており、適材適所で使いこなしていくといいだろう。
最後に服部氏は「AIネイティブ開発では、エディターだけではなくポイントごとにAI機能が散らばっていくということが理解していただけたら幸いです。GitHub Copilot Enterpriseだけではなく、いろんなユースケースでAIを使っていただけるように今後もいろんな機能を実装していきますので、ぜひ楽しみにしてください」と力強く述べた。
11月27日開催!GitHub Universe Recap 東京
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