SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Developers Summit 2025 セッションレポート(AD)

トラブルシューティングはエンジニアの学びの宝庫!価値を生み続ける開発のためのオンコール実践術

【13-C-8】トラシューアニマルになろう ~開発者だからこそできる、安定したサービス作りの秘訣~

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

心理的安全性の高いオンコール実現のための工夫

オンコールに入ると、心理的な負担が大きいのでは

 呼び出しの頻度が減れば、先述したようなベロシティへの影響は少なく抑えられると予想できるものの、やはりスタンバイしているだけでも心理的な負担はあるだろう。ここは配慮が必要な重要なポイントだ。負担が積もると「燃え尽き」が起きてしまいかねない。

 対策としては無理のないローテーションにする、深夜対応の翌日は半休や休日にするなどのルールを整備していくといいだろう。何よりも「職場の雰囲気作りが大事」と草間氏は言う。何かあれば相談しやすい雰囲気、心理的安全性が保てることが重要だ。

 あとオンコールでも監視画面をずっと凝視する必要はない。呼ばれたら対処すればいい。いざとなったら見る監視画面もできるだけ不要なノイズを除去できるものがいい。そうすれば不要な呼び出しを減らすことにもつながる。

家庭の事情で深夜・休日のオンコールに入るのは厳しい

 子どもが生まれたばかりや、親の介護などでオンコールに入るのが難しいメンバーもいるだろう。可能な限り対応したいものの、免除し過ぎると逆に不公平感を生んでしまい、士気や連帯感を損なってしまう。例えば一定期間だけ日中だけ担当、あるいはセカンダリ対応という分担にすることもできる。

 あるいは「インシデント対応ではなく、ポストインシデントレビュー(ポストモーテム)のファシリテーターを担当してもらうのはどうでしょう」と草間氏は提案する。インシデントがなぜ起きたか振り返る場合、インシデント対応していない人のほうが客観的に分析ができる。改善のフィードバックでは大事な役割になるので、オンコールに入れないメンバーの選択肢の1つとして考慮しておきたい。

 ポストモーテムでは、インシデントで起きたことを時系列に並べて分析したり、オペレーションミスがあったら関係者に事情を聞いたりする。ここで責めるように問いただしてはいけない。自動ではなく手動で作業しなくてはならなかったところに改善の余地があるからだ。例えば「マニュアルはあるけど、ボリュームがありすぎて該当箇所を探せず、記憶に頼って作業したら違うコマンドを打ってしまいました」なんてこともあるかもしれない。それならオペミスした人を責めるのではなく、やるべきはドキュメント整備ではないだろうか。

 最後に草間氏は「インシデントを減らし、価値を生み続けるソフトウェア開発にはライフサイクルすべての責任を持つフルサービスオーナーシップが重要です。敬遠されがちなオンコールを開発者も担うことで、開発から運用まで含めてライフサイクルの改善につなげることができます。この一連のサイクルを実現するためにPagerDutyも貢献しています。ぜひトラシューアニマルになり、一緒にやっていきましょう」と呼びかけた。

PagerDuty Operations Cloud
PagerDuty Operations Cloud

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Developers Summit 2025 セッションレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加山 恵美(カヤマ エミ)

フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。Webサイト:http://emiekayama.net

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

丸毛 透(マルモ トオル)

インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:PagerDuty株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/21149 2025/04/03 12:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング