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Visual Studio 2005 Team Edition for Software Developersを使ってみよう

VSTDのパフォーマンスプロファイラで、アプリケーションのボトルネックを検出しよう

Visual Studio 2005 Team Edition for Software Developersを使ってみよう (3)


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レポートの出力

 パフォーマンス分析を行って得られたレポートは、CSV形式またはXML形式にエクスポートすることができます。レポートを出力するには、パフォーマンスセッション内に表示されているレポート(.vsp)を右クリックし、[レポートのエクスポート]を選択します。

図20:レポートのエクスポート
図20:レポートのエクスポート

 表示されるレポートのエクスポートダイアログでエクスポートするデータ種類やエクスポート先、ファイル形式を選択します。[エクスポ]となっているのはご愛嬌ということにして押してしまいましょう。

図21:レポートのエクスポートの設定
図21:レポートのエクスポートの設定

 エクスポートされたXMLやCSVをそのまま閲覧するのはかなり困難を極めますが、例えばXSLTを利用したり、独自のアプリケーションを構築して読み込ませたりといった応用的な使い方のために利用することができます。

プロファイル方法

 ここまで最も簡単な方法でパフォーマンス分析を実行し、その結果を確認する方法を紹介しました。ご理解いただけたでしょうか。前述の説明の中でも時折、サンプリングやインストルメンテーションという言葉が登場していましたが、パフォーマンスプロファイラには2種類のプロファイリング方法が用意されています。このそれぞれをサンプリング、インストルメンテーションと呼んでいます。

サンプリング

 サンプリング方式はアプリケーションに特別な変更を加えることなく、パフォーマンスデータを収集する方法です。この方法では、アプリケーションに対して定期的な割り込みを発生させそのタイミングでデータの収集を行います。パフォーマンス分析の一部としてアプリケーションを起動して、操作を行うだけでデータの収集が行えるため、非常に簡単に実行することができます。

 また、アプリケーションに対して特別大きな負荷をかけないため、オーバーヘッドが比較的小さく、後述のインストルメンテーションよりは実稼働に近い状態で動作させることができます。この方法のデメリットは、あらかじめ決められたサンプリング間隔ごとに定期的にデータ収集を行うため、サンプリング間隔が長い場合には関数の実行データが取得できない可能性があることです。しかし、間隔を短くしすぎてしまうとオーバーヘッドが大きくなるため注意が必要です。なお、サンプリング方式でのサンプリング間隔は表2に示す4つから選択することができ、これらはサンプリングイベントと呼ばれます。

表2 サンプリングイベントの種類
サンプリングイベント サンプリング間隔の規定値 説明
クロックサイクル 10,000,000 決められたサンプリング間隔のCPUクロックサイクル数ごとにサンプリングを行います。
ページフォールト 10 決められたサンプリング間隔のページフォールト数ごとにサンプリングを行います。
システムコール 10 決められたサンプリング間隔のシステムコール数ごとにサンプリングを行います。
パフォーマンスカウンタ 1,000,000 決められたサンプリング間隔のパフォーマンスカウンタ数ごとにサンプリングを行います。

 サンプリングイベントしてパフォーマンスカウンタを選択した場合には、さらにどのカウンタを基にするかを選択する必要があります。

インストルメンテーション

 インストルメンテーション方式はプロファイリング実行時に、アプリケーションにプローブというものを追加し、パフォーマンスデータを収集する方法です。この方法では関数の開始、終了部分にプローブと呼ばれるものが自動的に挿入され、プローブからの情報をもとにデータの収集を行います。

 このため、サンプリングと比較してより詳細で正確な情報が取得できますが、関数の実行ごとにプローブを通したデータ収集処理が行われるため、オーバーヘッドは大きくなります。また、個々の関数に対してプローブを設定するため、コンパイラの最適化オプションによってインライン関数になってしまうものにはプローブが設定されません。インライン関数の展開を行うことでプローブの設定は可能ですが、最適化に影響がでるためどちらを取るかは慎重に選択してください。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト りばてぃ/FUJIKO/ナオキ(リバティ, フジコ, ナオキ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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