ビューヘルパの解説 2
アクションビューヘルパとパーシャルビューヘルパは、作成済のコントローラアクションやビュースクリプトをページの一部として表示するためのヘルパです。
アクションビューヘルパ
アクションビューヘルパは、コントローラのアクションを呼び出すための仕組みです。アクション名、コントローラ名、モジュール名と、アクションに渡す引数を与えます。モジュール名は省略可能で、指定しなかった場合にはデフォルトのモジュールからコントローラとアクションを探します。ただし、_forward()が呼び出されたり、他のアクションにリダイレクトされるようなアクションは無効ですので注意してください(空の文字列を返します)。
以下は、アクションビューヘルパを使って、IndexコントローラのHelloアクションを呼び出す例です。
<?php echo $this->action('hello','index')?>
パーシャルビューヘルパ
パーシャルビューヘルパは、他のビュースクリプト(パーシャルスクリプト)を呼び出すための仕組みです。この呼び出された先の名前空間は元のビュースクリプトとは独立なので、変数名の衝突を気にせずに別に作られたビュースクリプトを呼び出すことができます。
ヘルパ名 | 引数 | 説明 |
partial | $name、 $module、 $model | $nameのスクリプトを処理した結果を返す。 |
partialLoop | $name、 $module、 $model | $modelは配列か、反復処理が可能(iterative)なオクジェクト。$nameのスクリプトを、$modelの各要素について処理した結果を返す。 |
Zend_Viewは、標準ではビュースクリプトのパス「C:/codezine/zendapps/views/scripts」へパーシャルスクリプトを探しに行きます。しかし、これではファイルの整理がしづらいので、パーシャルスクリプトを置くためのフォルダを作成し、これをパスに追加することにします。
... class IndexController extends Zend_Controller_Action { public function init() { //パーシャルビューヘルパで使うビュースクリプトを置く場所 $this->view ->addScriptPath('/codezine/zendapps/views/scripts/partial');
パーシャルビューヘルパの例
それでは、まず普通のパーシャルビューヘルパの例を見てみます。
... <h2>新たなメモを入力する</h2> <?php echo $this->partial('inputForm.phtml', array('dateTimeMemos' =>$this->dateTimeMemos)) ?> <?php echo $this->partial('clearForm.phtml') ?> ...
実は先程説明した入力フォームはビュースクリプト本体(index.phtml)ではなくパーシャルスクリプト(inputForm.phtml)に記述しておいたものだったのでした。このように、ページの部品を別々に記述することで、ページの編集の見通しを良くできます。
ここで注意が必要なのは、元のスクリプトとパーシャルスクリプトでは名前空間が違うので、同じ名前の変数(この場合ではdateTimeMemos)でも明示的に渡す必要があることです。
パーシャルループビューヘルパの例
次に、パーシャルループビューヘルパです。パーシャルループビューヘルパは$modelの各要素に対して、繰り返しパーシャルスクリプトを呼ぶメソッドです。
例えば「dateTimeとmemoを鍵に持つ連想配列」の配列である、dateTimeMemosがあったとします。
dateTimeMemos = array(array('dateTime' => '2008年6月20日 13:57:46', 'memo' => 'テスト1'), array('dateTime' => '2008年6月20日 13:58:32', 'memo' => 'テスト2'), array('dateTime' => '2008年6月20日 14:02:46', 'memo' => 'テスト3'));
これに対して、パーシャルループビューヘルパは次のように呼び出します(これはパーシャルビューヘルパを複数回呼び出すのと同じ意味です)。
//パーシャルループビューヘルパを使用 echo $this->partialLoop('hiddenMemos.phtml', null, $this->dateTimeMemos); //パーシャルビューヘルパを使用した次と同じ意味 echo $this->partial('hiddenMemos.phtml', null, array('dateTime' => '2008年6月20日 13:57:46', 'memo' => 'テスト1')); echo $this->partial('hiddenMemos.phtml', null, array('dateTime' => '2008年6月20日 13:58:32', 'memo' => 'テスト2')); echo $this->partial('hiddenMemos.phtml', null, array('dateTime' => '2008年6月20日 14:02:46', 'memo' => 'テスト3'));
hiddenMemos.phtmlの方からは、次のようにdateTimeとmemoを参照できます。
<?php echo $this->formHidden("memos[$this->dateTime]", $this->memo);
これを実行すると次のようになります。
<input type="hidden" name="memos[2008年6月20日 13:57:46]" value="テスト1" id="2008年6月20日 13:57:46" /> <input type="hidden" name="memos[2008年6月20日 13:58:32]" value="テスト2" id="2008年6月20日 13:58:32" /> <input type="hidden" name="memos[2008年6月20日 14:02:46]" alue="テスト3" id="2008年6月20日 13:57:46" />
隠し要素なので見えていませんが、これがサンプルでメモを保持しておくための仕組みになっています。