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OSCacheのキャッシングでWebアプリケーションのパフォーマンスを向上する

OSCasheを利用した3種類のキャッシング方法

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2006/02/01 12:00

多数のクライアントからのリクエストを処理するWEBシステムでは、パフォーマンスの問題が重要であり、その解決策の一つとして「キャッシング」技術があります。本稿では、J2EEキャッシングフレームワーク「OSCache」を使ったWEBコンテンツのキャッシング方法を、サンプルを用いて紹介します。

目次

はじめに

 多数のクライアントからのリクエストを処理しなければならないWEBシステムでは、パフォーマンスの問題が出てくることが珍しくありません。

 パフォーマンスの問題を解決する技術の一つとして「キャッシング」技術があります。これは動的コンテンツの生成結果をメモリにキャッシュ(一定期間保存)し、その間に受けたリクエストに対してはキャッシュの値を返すことにより、生成の処理数を減らすことができるというものです。また静的コンテンツでも、PDFや画像ファイルなど比較的大きいファイルをHDDではなくメモリにキャッシュすることにより、ファイルロードを高速化することができます。

 他のパフォーマンスの問題解決方法と比べて大きなメリットは、ビジネスロジックの修正を最小限に抑えることができ、デグレーションを防ぐことができるところです。ただし、キャッシュされている間は古い情報がレスポンスとして渡されることになり、常に最新の情報を必要とする場面には向いていないことに注意しなければなりません。

 本稿では、J2EEキャッシングフレームワーク「OSCache」を使ったWEBコンテンツのキャッシング方法を、サンプルを用いて紹介します。

対象読者

 JavaのWebプログラミングを行ったことがある、もしくは、JavaのWebプログラミングに興味のある方を対象としています。

必要な環境

 サンプルアプリケーションは、J2SE Development Kit 5.0 Update 6、Tomcat5.5.12にて動作確認をしています。環境についての詳細や設定方法については、「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」にある「サーバサイド環境構築設定」を参照してください。

OSCacheとは

 「OSCache」は、OpenSymphonyのプロジェクトとして開発が進められているJ2EEのキャッシングフレームワークです。高機能で様々な形のキャッシングを行うことができ、OpenSymphonyのサイトから入手することができます。

 他にもよくJava-WEBで使われているキャッシングライブラリとして、EHCacheJBoss Cacheなどいろいろありますが、、大規模なシステムで使われるクラスタリングのサポートや、現在でも安定して開発が進められていること、そしてなにより使いやすさの観点から、今回はこのOSCacheライブラリを紹介したいと思います。

 OSCacheには複数のキャッシュの種類があります。主に使う場面を含めて、以下の表にまとめました。

キャッシュの種類
種類概要使う場面(例)
フィルターキャッシュ指定されたURLパターンのリソースをキャッシングJSP、GIFなどURL単位でキャッシングしたい場合
フラグメントキャッシュページの一部分をキャッシングJSPの一部分をキャッシングしたい場合
データキャッシュ任意のオブジェクトをキャッシングJSP以外のビジネスロジックなどでオブジェクトをキャッシングしたい場合

 全てのキャッシュに関して、以下のファイルが必要になります。配置場所を参考にして、適切な場所に配置して下さい。

動作に必要なファイル
ファイル名ファイルの種類配置場所
oscache-x.x.x.jarJARファイルクラスパスに内包
oscache.propertiesキャッシュ動作設定ファイルクラスパスに内包
oscache.tldカスタムタグ設定ファイルWEB-INF配下など

サンプルアプリケーションの概要

 サンプルアプリケーションはユーザーのプロフィールを表示するものです。概要は次の通りです。

画面遷移図
画面遷移図
  1. 「index.html」からリンクをクリックすることにより、サーブレットが動き「profile.jsp」が表示されます。
  2. 「profile.jsp」から[最新表示]ボタンをクリックすることにより、サーブレットが動き「profile.jsp」が再表示されます。
  3. 「profile.jsp」から[戻る]ボタンをクリックすることにより、「index.html」の画面に戻ります。

 サンプルには以下のファイルが含まれています。

サンプルの主要ファイル
ファイル名説明
index.html トップページ
profile.jspプロフィール表示画面
OSCacheSampleServlet.javaプロフィール表示画面での処理を行うサーブレット
Profile.javaプロフィールを表現するデータオブジェクト
oscache.propertiesOSCacheの設定ファイル
web.xmlサーブレット、フィルター、カスタムタグなどの設定ファイル

サンプルのキャッシング処理

 「profile.jsp」では大きく3つの表示情報が存在し、それぞれを別の方法でキャッシングしています。

3種類のキャッシング処理
3種類のキャッシング処理

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著者プロフィール

  • WINGSプロジェクト 佐藤 真介(サトウ シンスケ)

    <WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂...

  • 山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

    静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for ASP/ASP.NET。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。 主な著書に「入門シリーズ(サーバサイドAjax/XMLD...

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