はじめに
前回は、プログラマが直面している問題や課題を解決するための手段として、フレームワークの導入を提案しました。今回はWeb開発におけるフレームワークについて、よく利用されている3言語PHP/Perl/Rubyをベースに比較を行っていきます。
前回の記事
Web開発におけるフレームワークとは?
Web開発では、大規模サイトから中小規模サイトに至るまで、Java、PHP、Ruby、Perlなどさまざまな言語を使用して開発されています。最近では、処理の実行にコンパイルを必要としないインタプリタ系の言語が頻繁に使用されます。Web開発では迅速な開発が求められるため、Webプログラマにとってもライトウェイトな言語を柔軟に利用して対応したいところです。
そもそもPHP、Ruby、Perlといった言語はフレームワークを使わなくてもWeb開発が可能です。フレームワークを使用するには、その実装されている処理、構文についての十分な理解が必要であり、新しい言語を勉強するような感覚で習得していかなくてはならず、実際に開発において利用できるようになるにはそれなりの時間を要します。
『そこまでして導入する必要があるのか?』という疑問もあるとは思いますが、私たちが普段開発において抱えている問題を思い浮かべてみてください。
コーディングのルールがうまく共有されていなかったために結合時にとんでもないトラブルが発生したり、ページ表示処理において共通部分を毎回コピー&ペーストして生成しなくてはならなかったり、デザイン部分の修正であるのにロジックの書かれたソースコードを何回も編集しなくてはならなかったり…。
フレームワークの導入には、最初に多少のコストを要しますが、一度自分のものにしてしまえば、前述のような問題を解決することが可能になります。選択したフレームワークの構造さえ理解しておけばWeb開発における汎用処理は意識することなく、具体的なロジックの実装に時間を費やすことが可能になり、MVCにより分割された機能ごとに、開発者間やWebクリエイターとのやり取りがスムーズになります。
次章からは、Web開発においてよく使われる3つの言語PHP/Ruby/Perlで採用されているフレームワークの比較を行っていきます。