Java開発環境の使い方(4)シンプルなJavaアプリケーションの作成と実行
ここまでの手順を終えると、ソースプログラムのスケルトン(骨格)が自動作成されます。そして、Javaパースペクティブの空いていた中央のスペースに「エディタービュー」が表示され、ソースプログラムが表示されます。エディタービューの上ではマウスカーソルがI字型になります。
このカーソルを用いて、コメント「// TODO Auto-generated method stub
」の下の空き行にプログラムをタイプしてみましょう。今回は、標準出力に文字列「Hello Eclipse」を出力する処理させる次の1行を記述していきます。
System.out.println("Hello Eclipse");
まず、「System.
」まで打ち込むとJavaエディターの補完機能が動作し、この後に続くであろう単語の候補が表示されます。今回は[out
]をダブルクリックします。
Javaエディターのこの補完機能のトリガー(起動するきっかけ)は、初期設定ではピリオドに当てはめられています。候補から選択する代わりにタイプインを続けると、タイプインされた文字列に従って候補が絞り込まれます。選択せずにタイプインを続けることもできます。
「out
」の後ろに、残りのプログラムを打ち込んでいきます。なお、途中の「(
」と「"
」(ダブルコーテーション)では自動的に「)
」と「"
」が最適な位置に挿入されるので、カッコや文字列指定の閉じ忘れが防げます。打ち終わり、文法エラーになるようなタイプミスがなければ、その行の先頭に表示されていた赤い「×」マークが消えます。消えなければタイプミスをチェックし、修正します。
メニューの下の[フロッピーディスク型のアイコン]をクリックするか、メニューの[ファイル(F)]-[保管(S)]を実行して、ソースファイルを保存します。
では、ビルドと実行に移りましょう。Javaの場合、ビルドとはバイトコードへのコンパイルです。Eclipseでは「自動的にビルド」が規定値でオンになっているので、これをオフに変更しない限り、ビルドを意識的に行う必要はありません。今回作成した独立して動作するJavaアプリケーションの場合、実行を選択すると自動的にビルドが行われます。このプログラムを実行するにはメニューの下にある[実行アイコン]をクリックするか、メニューの[実行(R)]-[実行(S)]-[Javaアプリケーション]を選択します。
ビルドが自動的に開始され終了すると、問題ビューの上に「コンソールビュー」が表れ、「Hello Eclipse」と表示されます。プログラムが標準出力に書き出した情報がある場合、Eclipseはコンソールビューを開いてそこに情報を表示してくれます。
Eclipseの終了方法
最後にEclipseの終了方法について触れておきます。まず編集後未保存のソースがあれば、前述の通り、メニューの下の[フロッピーディスク型のアイコン]をクリックするか、メニューの[ファイル(F)]-[保管(S)]を実行して、ソースファイルを保存します。
その後のEclipseの終了方法は2パターンあります。ひとつはメニューの[ファイル(F)]-[終了(X)]を実行する方法です。この場合、Eclipseは即時に終了します。これに対してウィンドウ右上の[X]ボタンをクリックした場合は、「終了の確認」ウィンドウが表示され「終了しますか?」と確認されます。次回以降、[X]ボタンの場合も即時に終了して構わないのでしたら、[常にプロンプトなしで終了(A)]のチェックをオンにします。どちらにしろ、Eclipseはワークスぺースの保管を行ってから終了します。
まとめ
第1回の概要説明から、この第2回までで、Eclipseを活用する基礎知識が得られたと思います。まずは簡単なJavaプログラムをいくつか試してみることをお勧めします。
次回はプラグインの利用方法の説明と、Eclipse 3.4で利用可能な代表的なプラグインの紹介です。