1月27日に開催された「Microsoft tech・days Japan 2009」初日のセッション「Silverlightの未来」では、マイクロソフト株式会社 デベロッパーエバンジェリスト 大野元久氏により、Silverlight 2の機能詳細と今後実装が予定されている機能が紹介された。
Silverlightって今どうなっているの?
Silverlight 2は、2008年10月に正式版がリリースされた。.NET Frameworkのサブセットを基盤としたことで、.NET言語で開発できるようになった他、Silverlight Tools for Visual Studio 2008 SP1により、Visual Studio上でのビジュアル開発にも対応。様々なコントロールコンポーネントも標準で用意され、既存の開発ノウハウを活かして効率よく開発できるようになっており、本格的に実務でも利用できるようになってきたと言える。実際、北京オリンピックやオバマ大統領就任式の中継等、特にメディア配信において大きな事例も出始めている。
次期バージョンのSilverlight 3では、H.264/AACコーデック、3D描画、GPU利用のサポートが予定されている。他にも、リッチなデータバインディング機能、コントロールの拡充、Linux対応(moonlight)等、より一層の表現力の向上が期待できそうだ。昨今のクラウドコンピューティングへの注目に伴い、それに釣り合うクライアント側の性能向上も求められることが予想される。今のうちから動向を把握しておきたいRIA技術の一つと言えるだろう。
Silverlightのコントロール
Silverlight 2では、ボタン(Button)、ハイパーリンク(HyperLinkButton)、チェックボックス(CheckBox)、データグリッド(DataGrid)等、代表的なアプリケーションで利用するコンポーネントを標準で提供しており、評価・確認用のソースコードも公開されている。
また、Silverlight 3に搭載される現在開発中のコントロールは、「Silverlight Toolkit」としてCodeplexで公開されている。ソースコードの他、ドキュメントやサンプル、ユニットテストも同梱されているため、実際にダウンロードして試してみるとよいだろう。定期的なリリースと顧客からのフィードバック反映を繰り返し、成熟した段階で頻繁に利用されるものは「コアランタイム」として、それ以外はSDKの「Tools」としてリリースされるという。
なお、サンプルは英語で作成されているが、今回大野氏は「Silverlight Toolkit December 2008」をすべて日本語化したサンプルを用意し、サイトで公開している。December 2008のビルドを対象にしているため、次のビルドが出る前に早めにダウンロードして是非試して欲しい。上記のサイトでは、ブラウザ上でサンプルを直接試すこともできる。