シナリオ1)ソース管理において提出時にワークアイテムの関連付けを必須とする
これはこの記事の冒頭でプロセス・エンアクトメントの例として説明した動作です。
この動作の設定を行うのは、プロセス構成タブの中の「構成」セクション内の[チーム構成]-[操作の振る舞い]を選択します。
細かい操作ごとと役割ごとのマトリクスが表示され、該当する操作と役割の組み合わせにおける設定が画面右下部に表示されます。
デフォルトのプロセスでは図のように、以下の組み合わせが指定されています。
- 操作=ソース管理(クライアント)
- 役割=利用者(デフォルト)
- 前提条件=変更セットの説明
この時の制約として、以下が設定されています。
- 変更セットに対してコメントと関連付けたワークアイテムの両方が必要であること。
- ワークアイテムの所有者が指定されていること。ただし、操作をしている開発者である必要はない。
- そのワークアイテムの計画対象に何かしらの計画が指定されていること。ただし、その計画が現在操作している該当の計画でなくてもよい。
今回、これを「スクラム・マスター以外は提出できない。提出時はワークアイテムの関連付けだけでコメントはオプションとする」というルールに変えるとしましょう。
まず、利用者(デフォルト)の動作指定を解除します。そのためには画面中段の「この操作に前提条件およびフォローアップ・アクションが構成されます」のチェックをはずします。
次に、操作の中の[ソース管理]-[提出(クライアント)]行のスクラム・マスターの欄をクリックして、[この操作に前提条件およびフォローアップ・アクションが構成されます]のチェックを入れます。
引き続き、前提条件セクションの[追加]ボタンを押します。前提条件として指定できる候補の一覧が表示されますので、[ワークアイテムおよびコメントは必須]を選択して[OK]を押します。
制約セクションの提出時に変更セットに必要なものが「関連付けられたワークアイテム」にチェックがはいっていることを確認してください。
最後に画面右上の[保存]ボタンで保存しましょう。下図が設定が終了した状態の画面です。
これで「スクラム・マスター以外は提出できない。提出時はワークアイテムの関連付けだけでコメントはオプションとする」というルールを設定することができました。
この設定は[保存]ボタンを押したタイミングでリアルタイムに反映されます。ソース管理の機能で試してみるとこのルールに沿った動きをすることが分かると思います。
シナリオ2)役割ごとにできる操作を変える
次にプロジェクトに指定した役割ごとに、操作の許可・不許可を設定する場面を見てみましょう。
シナリオ1)で行ったようなプロセス設定の変更をプロジェクト・メンバーの誰もができてしまっては困りものです。ここではルールとして「スクラム・マスター以外はプロセス構成を変更できない」というルールを作ってツールに設定しましょう。
この役割ごとの操作の許可設定もプロジェクト・エリアのプロセス構成タブで設定します。
構成セクションから[プロジェクト構成]-[アクセス権]を選択します。
右画面に役割ごとに許可されたアクションが表示されます。チェックボックスのスタイルになっているので、許可する場合はチェックを入れます。逆に操作を許可しない場合はチェックをはずします。
また、上部の[すべてのアクションおよび役割を表示]にチェックを入れると、アクションと役割のマトリクス形式でチェックする画面に切り替わります。これは同じ設定の見方を変えているだけですので、いずれか好きな方で設定を行うとよいでしょう。
今回、スクラム・マスター役割のプロセス仕様の変更にはチェックを入れ、それ以外の役割にはこのチェックをはずせば、今回のルール「スクラム・マスター以外はプロセス構成を変更できない」を実現することができます。
試しにスクラム・マスターではなく、チーム・メンバーである開発者:次郎がプロセス構成を変更しようとした時のエラー画面をお見せします。この場合、次郎に解決策はないので、チーム・アドバイザーは単にその操作が権限に違反していることだけを通知しているだけになります。