Google App Engineにサービスをデプロイする準備と基礎知識
Google App Engineは、非常にパワフルなクラウドサービスであるにもかかわらず、月間500万アクセスに相当するCPUパワーとネットワーク帯域を無償提供してくれており、人気サイトになるまで(つまり、収益の目処が立つまで)は無料で試せるリーズナブルな設定になっています。
また、Google App Engineをスケールアウトするには、事前に入金しておき、1日当たりのリソース利用上限を設定しておく必要があります。上限の設定がない場合は、無料で利用できる上限までリソースを利用した時点でサービスへのアクセスが不能になります。「どのリソース」に「費用をどれだけ」割り当てるかは、管理画面から細かく調整できます(下記の価格は2009年4月14日執筆時点のもの)。
リソース | 単位 |
レスポンス | 10ギガバイト |
リクエスト | 10ギガバイト |
CPU利用時間 | 46.3CPU時間 |
ストレージ | ギガバイト |
電子メール | 2,000通 |
リソース | 単位 | 単位当たりの費用 |
レスポンス | 1ギガバイト | $0.12 |
リクエスト | 1ギガバイト | $0.10 |
CPU利用時間 | 1CPU時間 | $0.10 |
ストレージ | ギガバイト・日 | $0.005 |
電子メール | 1通 | $0.0001 |
Google App Engineにサービスをデプロイするには、まずGoogle App Engineのアカウントを取得してからサービスを公開するためのアプリケーション領域を確保する必要があります。
日本国内で「Google App Engine for Java」のアカウントを取得するには、本人確認のためにメールが利用できる国内キャリアの携帯電話が必要です。アカウントは10,000ユーザ限定で公開されましたので、この記事が公開される頃には取得できなくなっているかもしれません。
アカウントの取得ができなかった場合でも、登録手続きをしておくとウェイティングリストに追加されますので、サーバが増強され次第、メールで通知が届きます。それまで、ローカル環境で開発を進めておきましょう!
Google App Engine for Javaの枠が25,000名に増やされました(公式ブログの2009年4月15日のエントリより)。
領域の確保をするには、まず、http://appengine.google.com/にログインし、[Create an Application]をクリックします。
[Application Identifier]は、実際にサービスを公開するappspot.comのサブドメインになるために、全世界でユニークである必要があります。もちろん、URLに利用可能な文字しか入力することができません。一般的な単語はほとんど取得済みですので、テスト用には自分の名前などを利用すると良いと思います。誰にも使われていなさそうな文字列を入力したら、[Check Availability]をクリックします。「Yes, "入力した文字" is available!」と表示されればOKです。
次に[Application Title]を入力して下さい。こちらは表示に利用されるだけですので重複を気にする必要はありませんが、日本語の利用はできません。
[Application Identifier]と[Application Title]の入力が完了したら、[Save]をクリックします。
「Application Registered Successfully」と表示されていれば、Google App Engine上でのサービス公開用の領域確保が成功です。