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Visual Studio Team System 徹底活用

TFSの作業項目をプロジェクトに合わせてカスタマイズする(後編)

Visual Studio Team System 徹底活用(2)

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フォーム定義

 作業項目定義の中身を説明していた時とは順番が前後しますが、次に作業項目のフォーム定義を編集しましょう。同じく、「MyTask.xml」ファイルを編集していきます。

 今度は、<FORM>要素を探してください。ファイルの中ほどから3分の2ほどのあたりに見つけることができます。ここがVisual Studioなどで作業項目を開いたときの見た目を決定している部分ですが、今回は図1に示したように、詳細というタブの中に追加したフィールド定義を表示するように構成していきます。

 実際に編集するためには<Tab Label=”詳細”>となっている要素を見つけ出してください(ファイルの最後尾から探した方が早いはずです)。見つけ出した部分で定義しているのは図1の編集前となっている部分を定義している情報です。これを編集後の状態にするために定義情報を追加すると、リスト3のようになります。なお、リスト中の太字は追加している部分です。

[リスト3]MyTask.xmlファイルにコントロール定義を追加する
<FORM>
<!-- 今回編集対象外の部分は省略 -->
  <Tab Label="詳細">
    <Group>
      <Column PercentWidth="50">
        <Group Label="全般">
          <Column PercentWidth="100">
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Common.Issue" Label="懸案事項(&amp;U):" LabelPosition="Left"/>
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Common.ExitCriteria" Label="終了基準(&amp;X):" LabelPosition="Left"/>
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Build.IntegrationBuild" Label="統合ビルド(&amp;B):" LabelPosition="Left"/>
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Scheduling.TaskHierarchy" Label="タスク コンテキスト(&amp;A):" LabelPosition="Left" ReadOnly="True"/>
          </Column>
        </Group>
      </Column>
      <Column PercentWidth="50">
        <Group Label="スケジュール">
          <Column PercentWidth="100">
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Scheduling.RemainingWork" Label="残存作業 (時間)(&amp;W):" LabelPosition="Left" NumberFormat="DecimalNumbers" MaxLength="10"/>
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Scheduling.CompletedWork" Label="実績作業 (時間)(&amp;P):" LabelPosition="Left" NumberFormat="DecimalNumbers" MaxLength="10"/>
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Scheduling.StartDate" Label="開始日(&amp;E):" LabelPosition="Left" ReadOnly="True"/>
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Microsoft.VSTS.Scheduling.FinishDate" Label="完了日(&amp;F):" LabelPosition="Left" ReadOnly="True"/>
            <Control Type="FieldControl" FieldName="Jp.CodeZine.WIT02.ActualWork" Label="予定作業時間:" LabelPosition="Left" />
          </Column>
        </Group>
      </Column>
    </Group>
    <Group Label="レビュー">
<Column PercentWidth="100">
<Control Type="FieldControl" FieldName="Jp.CodeZine.WIT02.ActualReviewDate" Label="レビュー予定日:" LabelPosition="Left" />
<Control Type="FieldControl" FieldName="Jp.CodeZine.WIT02.Reviewer" Label="レビューア:" LabelPosition="Left" />
<Control Type="FieldControl" FieldName="Jp.CodeZine.WIT02.ReviewCompletedWork" Label="レビュー実績時間:" LabelPosition="Left" />
</Column>
</Group>
</Tab> ・・・

 始めから定義されている<Control>要素を確認すると、Label属性の名前の後ろには(&amp;T)のような文字列が設定されています。これは、VSで作業項目を開いたときにキーボードショートカットが利用できるようにするためのものです。

 本稿で元ネタにしているMSF for Agileというプロセステンプレート内では、作業項目全体にわたって統一感を持たせてキーボードショートカットが設定されています。これは、設定してもしなくてもどちらでもよいものになりますので、今回の例では省略しています。

 また、図1とリスト3を見比べながら確認していただくと分かりやすいですが、コントロールをグループ化表示(WindowsフォームアプリケーションのGroupBoxと同様の表示方法)にするために、<Group>要素を利用しています。

 さらにその中はテーブルレイアウト形式になっており、<Group>要素は必ず1つ以上の<Column>要素を含みます。複数の<Column>要素を利用する場合、それぞれの列幅は<Column>要素のPercentWidth属性(パーセント指定)やFixedWidth属性(ピクセル指定)を使って変更することができます。そして、それぞれの<Column>要素の中に実際に画面に表示するラベルとコントロールを<Control>要素を使って指定していきます。

 以上で新しいフォーム定義の追加は終了です。

ワークフロー定義

 最後にワークフロー定義として、状態と状態遷移を定義していきます。先ほどまでと同じく、「MyTask.xml」ファイルを編集していきます。

 今度は、<WORKFLOW>要素を探してください。ファイルの中ほどあたりに見つけることができます。<WORKFLOW>要素内を確認してみると、アクティブと終了の2つの状態が定義されていることが確認できます。また、もう少し下に移動するとデフォルトの状態遷移などいくつかの状態遷移定義を確認することができます。

 では、ここに「中断」という状態とアクティブ状態からの相互の状態遷移を記述していきます。すべてを定義するとリスト4のようになります。この部分で作業している部分を太字で示してありますので、実際に作業をする場合にはリスト4をよく確認しながら行ってください。

[リスト4]MyTask.xmlファイルに状態と状態遷移定義の追加
<WORKFLOW>
  <STATES>
    <STATE value="アクティブ">
      <FIELDS>
        <FIELD refname="Microsoft.VSTS.Common.ClosedDate"><EMPTY/></FIELD>
        <FIELD refname="Microsoft.VSTS.Common.ClosedBy"><EMPTY/></FIELD>
      </FIELDS>
    </STATE>
    <STATE value="終了">
    </STATE>
    <STATE value=”中断”>
</STATE>
</STATES> <TRANSITIONS> <TRANSITION from=”アクティブ” to=”中断”>
<REASONS>
<DEFAULTREASON value=”作業中断” />
</REASONS>
</TRANSITION>
<TRANSITION from=”中断” to=”アクティブ”>
<REASONS>
<DEFAULTREASON value=”作業再開” />
</REASONS>
</TRANSITION>
<TRANSITION from="" to="アクティブ"> <REASONS> <DEFAULTREASON value="新規"/> </REASONS> ・・・

 以上で、状態と状態遷移の定義は終了です。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト りばてぃ(リバティ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

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