リスト項目を横に並べる
li要素はブロックレベル要素ですから、li要素で示されるリスト項目はデフォルトでは、縦に並べて表示されます。これを横に並べるには、次の2つの方法があります。
- 「display: inline」を指定して、li要素をインライン化して表示する方法
- 「float: left」を指定して、後に続くli要素を右側に回りこませる方法
使い分けとしては、1の方法は、単純にテキストを横並びにしたい場合に向いています。次の例では、まず「list-style-type: none」としてマーカーを表示しないように設定したうえで、「display: inline」を指定して、リスト項目を横に並べています。さらに、padding
プロパティで左右に適度な間隔を指定しています。
ul { margin: 0; padding: 0; list-style-type: none; /* マーカーを表示しない */ } ul li { display: inline; /* インライン表示 */ margin: 0; padding: 0 0.5em; /* 適度な間隔を指定 */ }
また、2の「float: left」を指定して後に続くli要素を回り込ませる方法は、画像を利用したよりグラフィカルな表現や、高さや幅などを指定してより詳細な位置を指定したい場合などに向いています。
次の例では、li要素に画像を含め、「float: left」で回り込ませています。これは、最も単純な例ですが、「float: left」によるテクニックは、ロールオーバー(画像やテキストの上にポインタを乗せるとその画像やテキストが切り替わる効果)のような複雑な表現を実装する手段としても利用されています。次回から、そのようなより高度なテクニックについても紹介していきたいと思います。
<ul> <li><a href="a.html"><img src="a.gif" alt="リストA" /></a></li> <li><a href="b.html"><img src="b.gif" alt="リストB" /></a></li> <li><a href="c.html"><img src="c.gif" alt="リストC" /></a></li> <li><a href="d.html"><img src="d.gif" alt="リストD" /></a></li> <li><a href="e.html"><img src="e.gif" alt="リストE" /></a></li> </ul>
img { border: none; /* 枠線の表示を消す */ } ul, ul li { margin: 0; padding: 0; list-style-type: none; /* リストマーカーの表示を消す */ } ul li { margin: 0; padding: 0; float: left; /* リスト項目を回り込ませる */ }
まとめ
以上、ナビゲーションのマークアップとスタイリングの基本として、a要素とul要素を例に、見た目をコントロールするための代表的なプロパティを紹介しました。
冒頭で述べたように、リンク部分であることを示すのに最も適した視覚表現は、ブラウザのデフォルトのリンクスタイルをそのまま反映した表現だと言えます。逆に、リンクではない箇所の文字色を青や紫にしたり、下線を引いたりすると、リンク箇所であるかのような誤解を与えてしまう恐れがあります。このような表現に遭遇すると、ついカーソルを移動させてクリックできるかどうかを確かめたくなってしまうものです。リンク箇所なのに、それと気付かれない表現や、リンク箇所ではないのに、クリックできそうな紛らわしい表現をすることは避けるようにしましょう。
どのようなケースであれ、サイト内で展開するナビゲーションは、色や形、位置など、表現のルールを一貫し、ユーザーに疑問を与えることのないインターフェイスを提供することが大切です。
さて次回は、本稿で紹介した基本テクニックやそれらの組み合わせを使用して「グローバルナビゲーション」や「ローカルナビゲーション」、「パンくずリスト」などといったナビゲーションパーツをスタイリングしていきたいと思います。