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クロスブラウザなレイアウトデザインテクニック

ナビゲーションのマークアップとCSSデザイン

クロスブラウザなレイアウトデザインテクニック 第4回


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リスト項目を横に並べる

 li要素はブロックレベル要素ですから、li要素で示されるリスト項目はデフォルトでは、縦に並べて表示されます。これを横に並べるには、次の2つの方法があります。

  1. 「display: inline」を指定して、li要素をインライン化して表示する方法
  2. 「float: left」を指定して、後に続くli要素を右側に回りこませる方法

 使い分けとしては、1の方法は、単純にテキストを横並びにしたい場合に向いています。次の例では、まず「list-style-type: none」としてマーカーを表示しないように設定したうえで、「display: inline」を指定して、リスト項目を横に並べています。さらに、paddingプロパティで左右に適度な間隔を指定しています。

[リスト7]CSSソース:「display: inline」でリスト項目を横に並べた例
ul {
  margin: 0;
  padding: 0;
  list-style-type: none; /* マーカーを表示しない */
}
ul li {
  display: inline; /* インライン表示 */
  margin: 0;
  padding: 0 0.5em; /* 適度な間隔を指定 */
}
図8:「display: inline」で指定した表示結果
図8:「display: inline」で指定した表示結果

 また、2の「float: left」を指定して後に続くli要素を回り込ませる方法は、画像を利用したよりグラフィカルな表現や、高さや幅などを指定してより詳細な位置を指定したい場合などに向いています。

 次の例では、li要素に画像を含め、「float: left」で回り込ませています。これは、最も単純な例ですが、「float: left」によるテクニックは、ロールオーバー(画像やテキストの上にポインタを乗せるとその画像やテキストが切り替わる効果)のような複雑な表現を実装する手段としても利用されています。次回から、そのようなより高度なテクニックについても紹介していきたいと思います。

[リスト8](X)HTMLソース:画像を利用した例
<ul>
<li><a href="a.html"><img src="a.gif" alt="リストA" /></a></li>
<li><a href="b.html"><img src="b.gif" alt="リストB" /></a></li>
<li><a href="c.html"><img src="c.gif" alt="リストC" /></a></li>
<li><a href="d.html"><img src="d.gif" alt="リストD" /></a></li>
<li><a href="e.html"><img src="e.gif" alt="リストE" /></a></li>
</ul>
[リスト9]CSSソース:「float: left」を利用して横に並べた例
img {
  border: none;  /* 枠線の表示を消す */
}
ul, ul li {
  margin: 0;
  padding: 0;
  list-style-type: none;  /* リストマーカーの表示を消す */
}
ul li {
  margin: 0;
  padding: 0;
  float: left; /* リスト項目を回り込ませる */
}
図9:「float: left」で指定した表示結果
図9:「float: left」で指定した表示結果

まとめ

 以上、ナビゲーションのマークアップとスタイリングの基本として、a要素とul要素を例に、見た目をコントロールするための代表的なプロパティを紹介しました。

 冒頭で述べたように、リンク部分であることを示すのに最も適した視覚表現は、ブラウザのデフォルトのリンクスタイルをそのまま反映した表現だと言えます。逆に、リンクではない箇所の文字色を青や紫にしたり、下線を引いたりすると、リンク箇所であるかのような誤解を与えてしまう恐れがあります。このような表現に遭遇すると、ついカーソルを移動させてクリックできるかどうかを確かめたくなってしまうものです。リンク箇所なのに、それと気付かれない表現や、リンク箇所ではないのに、クリックできそうな紛らわしい表現をすることは避けるようにしましょう。

 どのようなケースであれ、サイト内で展開するナビゲーションは、色や形、位置など、表現のルールを一貫し、ユーザーに疑問を与えることのないインターフェイスを提供することが大切です。

 さて次回は、本稿で紹介した基本テクニックやそれらの組み合わせを使用して「グローバルナビゲーション」や「ローカルナビゲーション」、「パンくずリスト」などといったナビゲーションパーツをスタイリングしていきたいと思います。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 宮本麻矢(ミヤモト マヤ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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