FileMaker社のビジネスのうち23%は日本市場
続いて、FileMaker社のビジネスについての説明に移った。同社は最近まではFileMakerシリーズのデータベースアプリケーションだけを製品として提供してきているが、これまで1,500万本以上の出荷を果たしている。Apple Inc.の100%出資会社として設立以来11年、すべての四半期で利益を計上しており、調査や開発へ継続的な投資を行い最近ではその投資も増えていると説明した。
FileMakerは世界各国に売り上げているが、2009年度の売上に関して、日本での売上比率は23%となっており、日本市場が同社のビジネスに対して大きな比率を占めていることを示した。そして、日本のユーザーや開発者に対しての感謝の言葉が述べられた。
そしてFileMaker製品の紹介に移った。FileMakerは4種類の製品があり、さらに個人向けデータベースのBentoとiPhone対応版があることも紹介した。これらはMacとWindows、そしてWeb公開まで含めたもので「完全なるデータベース・プラットフォーム」と表現した。そして、各製品とも最新版は2009年になってから出荷されたものであり、全製品がフレッシュなものであることも強調した。そして、前半の内容を改めて補強する形で、FileMakerはワークグループをターゲットにした製品であることも紹介した。
FileMaker製品の導入先についても紹介があった。メディアで賞賛されていることやフォーチュン100社内の70社で採用されていること、そして教育機関や公共機関等での利用なども紹介した。また、日本での導入実績として、2010年の大卒者に対する就職人気企業ラインキングの100位中86社で導入されていることも紹介された。ライセンスプログラムや開発社組織等についての紹介で締めくくった。
FileMakerの製品像と今後をクリアにしたセッション
FileMakerという製品は歴史が長いだけに知名度は悪くないものの、誤解している人が多いことも事実である。また、どんな使われ方がなされているのか分かりにくいソフトウエアであるとも言える。もちろん、個人利用から受託開発まで使えるデータベースソフトではあるが、グピール氏のプレゼンテーションは FileMakerが適合するユーザー像を開発者にもユーザーにも分かりやすい視点で説明した。FileMakerユーザーの中心像は基本的には「開発者」となるが、プロではない開発者が多い市場だけに、いわゆる業界向けのアピールは大きなうねりとはならない。FileMaker市場のバランスを見据え、さらに今後、FileMakerとどのようにかかわるべきなのかをさまざまな立場のユーザーおよび潜在ユーザーにメッセージできた点では成功したセッションと言える。