Growl芸、XSから実践テストまで、多彩なトーク
折り返した5番手、檀上伸郎(lopnor)さんは「Net::Google::Spreadsheet」の発表です。
デモでは、今回の台湾滞在中の費用を管理するGoogleスプレッドシートを、Perlから読み書き。と同時に、いわゆる「Growl芸」のプレゼンスタイルも輸出。Growl(ポップアップ通知機能を提供するMac OS X向けのソフトウェア)によって、IRCやTwitter上のメッセージが画面右上に表示される度に、会場から笑いが起きました。
宮川達彦(miyagawa)さんの発表は、最近ホットな「cpanminus」でした。
Rubyのgemコマンドや、Perlのcpanコマンドは、依存解決のために大量のモジュールをオンメモリで管理するため、使用可能なメモリ量の少ないレンタルVPSサーバなどでは、メモリ不足でモジュールがインストールできない場合もありました。そうした環境でもPerlモジュールを手軽にインストールできるように開発したcpanmコマンド。設定不要で、依存モジュールもなく、10MBのメモリで利用可能です。
松野徳大(tokuhirom)さんの発表は、「Perl5.12's new feature - PL_keyword_plugin *hack*」。
Perlの構文を拡張してPerlソースコード中にSQL文を書くためのモジュールSQL::Keywordを紹介しました。SQLのSELECT文、INSERT文などをPerlソースコード中で直に利用可能になります。いつものShibuya.pmらしくなってきました。
最後にトリを務めるのは、大沢和宏(yappo)さん。「Ajax application testing」の発表です。
ほとんどすべてのプログラムがサーバ側で実行されていた従来型のWebアプリケーションとは異なり、Ajaxアプリケーションではクライアント側で実行されるJavaScriptのコード量も大量になります。自動化が難しかったブラウザ上でのJavaScriptのテストを自動化するフレームワークJSTAPdが紹介されました。jQueryのセレクタを活用し、ブラウザ上の要素内のテストなどもJavaScriptで手軽に記述できます。Perlスクリプトのテストのように、コマンドラインからJavaScriptの自動テストが可能。実際に業務でも使われている、実用的な話題でShibuya.pmの発表は締めくくられました。
各スピーカーの発表資料のURLなどは、筆者のブログでもまとめていますので、ぜひ併せて参照してください。
素晴らしい会場・ランチ!
Shibuya.pm以外のOSDC.TWの話題も紹介します。
まず、特筆すべきは素晴らしい会場。今回のOSDC.TWは、「中央研究院」(Sinica)の国際会議場をメイン会場として、3トラック並列で開催されました。各トラックの部屋共に、全席机あり・電源コンセント付・有線LAN付・無線LANは同時接続しても安定、ビデオ録画対応と、技術系カンファレンスの会場としては、この上ない環境でした。日本でもこれだけ環境が揃った会場はそう多くないでしょう。
また、セッション自体とは話が外れますが、主催者からのランチやスナック類の提供も充実しています。セッション合間ごとのコーヒーブレイクの時間には、中華料理や饅頭が出てきて、午後にはケーキも補給されます。すべて無料です。
カンファレンス参加者は、食事を取りながらスピーカーを見つけて話し込んだり、久しぶりにあった仲間との技術トークに花が咲きます。どちらかと言うと、日本のオープンソース系のカンファレンスよりも、欧米のカンファレンスに近い雰囲気です。
日本の技術系カンファレンスは、カンファレンスの間はごくごく真面目に発表を聞いて(発表中のツッコミや、質疑応答も多くないし)、反面、懇親会ではお酒が入ってスムーズに話が広がる、ということも多いと思います。切り分けでしょうか、違いがありますね。