本稿はデータベースソフトウェア「SQL Anywhere」およびデータベース全般に関する英語ドキュメントを翻訳する形で提供しています。図など、部分的に英語のままになっていますが、製品のSQL Anywhere自体は完全に日本語化されていますのでご安心ください。
2010 Sybase Techwaveユーザーカンファレンスが8月9日から11日までの間、ワシントンDCのヒルトンワシントンホテルで開催されます。本カンファレンスでは、SQL Anywhere、特に最新のリリースであるSQL Anywhere 12(注:SQL Anywhere 12 日本語版の日本での発売は初夏の予定です)に焦点を合わせたさまざまな価値ある講演を行う予定です。予定される講演をここで紹介します。
今回のAnilの講演は、以前に行ったこの講演(zipファイル)の拡大版です。より多くの例を紹介し、SQL Anywhere Version 12が提供する、外部ジョインに基づくマテリアライズドビューのマッチング機能のサポートについても取り上げます。
-
SQL Anywhere 12が提供するデータ管理の新機能 - このセッションでは、SQL Anywhereバージョン12で強化されたデータ管理の機能について見ていきます。ディスカッションやデモを通して、SQL Anywhere 12で新しくなった言語拡張機能、パフォーマンスとスケーラビリティの向上、空間データのサポート、そして管理ツールおよびモニタリングツールの新機能について学びます。
発表者:Eric Farrar(プロダクトマネージャー) -
SQL Anywhereの自己管理と自己修復機能 - このプレゼンテーションでは、最前線のビジネス環境のために、管理の最小化を目的として一から設計されたSQL Anywhereの自己管理と自己修復機能について説明します。SQL Anywhereのさまざまな自己管理機能を組み合わせることよって、ゼロアドミニストレーション環境におけるロバストなデータ管理ソリューションを実現できることがおわかりになるでしょう。
発表者:Anil Goel(エンジニアリング部門ディレクター) -
SQL Anywhere 12における空間データの概要 - 皆さんはSQL Anywhere 12のデータベースに空間データを格納できることを知っていましたか? ポイント、ライン、ポリゴンの格納に加え、サーバーはこれらのデータを高速で照会することができます。さらに特筆すべきは、SQL AnywhereはBlackBerry、iPhone、Windows Mobileデバイス用のデータ駆動型空間情報アプリケーションの開発を可能にした初めてのRDBMSであることです。このセッションでは、SQL Anywhere 12の新しい特別なデータサポート機能の数々をご紹介します。具体的には、OGC規格とSQLMM規格に準拠する空間データのタイプとAPIのサポート、shapeファイルのネイティブインポート、KML/GML/SVGフォーマットをエクスポートするためのビルトイン機能、現場作業者と一般的な企業システムの間でやり取りされる空間データや通常データの双方向同期などを取り上げます。
発表者:Jason Hinsperger(プロダクトマネージャー) -
SQL Anywhereのマテリアライズドビューによるパフォーマンスの向上について(パート1、パート2) - このプレゼンテーションでは、SQL Anywhereにおけるマテリアライズドビューと
MERGE
文のサポートについて説明します。トピックとしては、定義と動機、SA12のメリットとデメリット、設計と作成上の問題点、メンテナンスの技術と課題、クエリパフォーマンス向上のための配備、サーバー側のサポートと制限、さらにその他の話題についても触れます。
発表者:Anil Goel(エンジニアリング部門ディレクター) -
MobiLink 12: リモートデータベースの集中管理 - リモートの集中管理機能により、同期システム上でリモートデータベースの管理が可能になりました。このプレゼンテーションでは配備、メンテナンス、同期アプリケーションのアップグレードといったプロセスの管理技術について取り上げます。
発表者:Russ Chamberlain(SQL Anywhere Engineering) -
モバイル環境でのASEの利用について - このプレゼンテーションでは、SQL AnywhereとMobiLinkの技術を使用して、ASEデータベースに格納されているデータをモバイル環境で利用する方法を実演します。SQL Anywhereのビジュアルツールを使えば、企業のデータがどこに存在しようとも、データ同期モデルを簡単に定義して配備できるということを実証します。ここではASEのパッケージに含まれているサンプルデータベースを使って、ASEからのデータ同期を説明します。
発表者:Reg Domaratzki(SQL Anywhere Engineering) -
SQL Anywhereモニターの使用について - SQL Anywhereモニターはブラウザベースのツールで、SQL Anywhere、MobiLink、そしてSybase中継サーバーの状態と可用性に関する情報を提供します。これにより、サーバーに関する何ヶ月分もの診断データを蓄積し閲覧することが可能となり、履歴情報に基づいて問題の診断やユーザーの利用パターン分析を行えるようになります。この講演では、インストールとセットアップを含め、新しくなったバージョン12のSQL Anywhereモニターが提供する機能について検討します。
発表者:Eric Farrar(プロダクトマネージャー) -
SQL Anywhere 12のデータ同期の新機能 - このセッションでは、データ同期の分野で達成された技術改良の概要を紹介します。リモートデータベースの集中管理、パフォーマンスの向上、診断ツール、新たな同期クライアントのサポート(iPhone)、UltraLiteにおける機能強化などを取り上げます。
発表者:Tom Slee(上級プロダクトマネージャー) -
MobiLinkのキャパシティプランニング - このセッションでは、システムに必要なハードウェアのサイズという点に注目しながら、MobiLink同期システムのキャパシティの測定方法について考えます。パフォーマンス測定とテストの手法、そして落とし穴について説明します。特にMLReplayツールを重点的に取り上げます。
発表者:Russ Chamberlain(SQL Anywhere Engineering) -
Sybase Relay Serverの利用について - MobiLink同期を利用したモバイルワーキングについて検討する際、社内ネットワークの外にあるデバイスを社内ネットワーク内のデータにどのようにアクセスさせるかという論点は避けては通れません。SybaseのRelay Serverは、既存のIISやApache Webサーバーにプラグインして使用するサービスであり、情報送信の道筋にファイヤーウォールとDMZという「迷路」を設けることで、内部ネットワークを保護します。このプレゼンテーションでは、独自のRelay Serverのセットアップ方法と、Sybase Hosted Relay Serverを利用して社内のITスタッフの手を借りずにセットアップのテストを行う方法について説明します。
発表者:Reg Domaratzki(SQL Anywhere Engineering) -
SQL Anywhereを使ったクラウドアーキテクチャおよびマルチテナントアーキテクチャ - 企業がクラウドに移行するときには、ただ他社のアーキテクチャをまねするのではなく、その企業独特のアプリケーションの側面を保ち続けることがきわめて重要です。本当に先見の明がある企業は、クラウドの力を利用しながらも、他社との競争や差別化の原動力となる要因を維持しています。この講演では、クラウドアーキテクチャに対するいくつかの主要なアプローチを詳しく説明します。実際に、「クラウド」を利用するアプリケーションに移行しながらも顧客に対し多大なメリットを提供し続けている企業の例として、SQL AnywhereのOEMパートナーの事例を取り上げます。
発表者:Dave Neudoerffer(エンジニアリング担当副社長) -
スマートフォン用のアプリケーションの開発について - 単一もしくは複数の機種のスマートフォン用にエンタープライズアプリケーションを開発する際の大まかな流れを説明します。ここでは、利用可能な開発ツール、言語と開発の方法、そしてデータ管理の代替手段について概観します。また、BlackBerryとiPhone用のシンプルなアプリケーションを例にとり、一連の過程を詳しく説明します。
発表者:Tom Slee(上級プロダクトマネージャー)
上記の講演のいくつかはシンポジウム期間中に複数回予定されているので、興味がある講演を聴き、気になる話題についてSQL Anywhereのエンジニアリングチームのメンバーと意見交換をするチャンスは十分にあると思います。
このリストを提供してくれたChristine Weberに感謝します。