LightSwitchによるサンプルアプリケーションの作成
それでは、LightSwitchを使用して、実際にサンプルアプリケーションを作成してみましょう。
サンプルの概要
学習塾経営のための、シンプルなアプリケーションを作成してみましょう。
このアプリケーションは、生徒データと先生データを管理します。生徒には一人の先生を割り当てることができ、先生は複数の生徒を受け持つことができます。このアプリケーションは、デスクトップアプリケーションとして動作します(図6)。
サンプルの作成
それでは、サンプルを作成してみましょう。データ設計→画面設計→動作確認という一連のサイクルの繰り返しにより、段階的に開発作業を進めます。
先生一覧画面の作成
まずは、先生データ管理用のTeacherテーブルと先生一覧画面を作成してみましょう。
以下の手順で作成します。
[1]LightSwitchプロジェクトを作成する
Visual Studio 2010を起動し、新しいプロジェクトを作成します。[新しいプロジェクト]ダイアログボックスで[インストールされたテンプレート]の一覧に新たに追加された[LightSwitch]テンプレートを選択し、中央の一覧からはC#用の[LightSwitch Application]を選択します。[名前]には「LightSwitchSample」と入力し、[OK]ボタンをクリックしてLightSwitchプロジェクトを作成します(図7)。
[2]Teacherテーブルを作成する
先生データを格納するための、Teacherテーブルを作成します。表示されているデザイナで[Create new table]をクリックします(図8)。
すると、テーブルデザイナが表示されます。まず、テーブル名となる[Table1Item]を「Teacher」に変更します。次に、テーブル列を定義します。Id列は既定で定義されているテーブル列で、変更や削除はできません。表3の内容どおりに、テーブル列を定義します(図9)。
Name | Type | Required | 説明 |
Id | Int32 | True | ID |
Name | String | True | 名前 |
各テーブル列のさらに詳細なプロパティは、プロパティウィンドウから設定できます。ここでは、Name列の[Display Name]プロパティの値を「名前」に設定します(図10)。[Display Name]プロパティは、画面上での表示名となります。最後に[ファイル]メニューから[すべてを保存]を選んで、Teacherテーブルの変更を保存します。
[3]先生一覧画面を作成する
Teacherテーブルの内容を表示する、先生一覧画面を作成します。表示されているTeacherテーブルのデザイナ上部にある[Screen...]ボタンをクリックします(図11)。
すると[Add New Screen]ダイアログボックスが表示されます。左側の画面テンプレートの一覧から[Editable Grid Screen]を選択します。[Screen Name]には「先生一覧画面」と入力し、[Screen Data]では先ほど作成した[TeacherSet]を選択します。最後に[OK]ボタンをクリックして先生一覧画面を作成します(図12)。
[4]先生一覧画面を実行して確認する
ここまでの手順で、先生データを管理するTeacherテーブルと、先生一覧画面を作成できました。それでは、動作を確認してみましょう。
[デバッグ]メニューから[デバッグ開始]を選ぶと、ビルドが実行され、しばらくすると生成されたアプリケーションが起動して先生一覧画面が表示されます(図13)。
[Add...]ボタンをクリックすると[Add New Teacher]ダイアログボックスが表示されます。任意の名前を入力し[OK]ボタンをクリックすることによりデータを追加します(図14)。
同様の方法で、いくつかのデータを作成します。この時点では、追加したデータはSQL Server Express上のデータベースには保存されていません。リボンの[Home]タブ内の[Save]ボタンをクリックすると、追加したデータがデータベースに保存されます(図15)。
先生一覧画面には[Edit...]ボタンや[Delete]ボタンも備えられているので、データの編集や削除を行うこともできます。
動作を確認したら、ウィンドウ右上にある[閉じる]ボタンをクリックして、アプリケーションを終了します。