Node.jsでの開発を支援するSDKも用意
Windows Azureのホームページにあるデベロッパーセンターを見れば、マイクロソフトのオープンソース戦略の本気度は伝わってくる。同プラットフォームでアプリケーション開発言語として.NETと同列に、Node.js、Java、PHPがラインナップされているのもその表れだ。「今回のデモはそれらの技術を使ったいくつかのシナリオを用意している。「Windows Azureにおけるこれらの言語への対応には、大きく2つある」と佐藤氏は語る。
第一はWindows Azureの仮想マシンの上で各種言語のアプリケーションを動かすこと。もう一つはWindows Azure上、あるいはWindows Azure外部のアプリケーションからWindows Azureのサービスにアクセスし、ストレージ、SQL Azureデータベース、サービスバス、認証、キャッシュなどの機能を使うことである。
「そのために、.NET、Java、PHP、Node.jsで書かれたアプリケーションをAzure向けにパッケージするためのユーティリティやIDE、またWindows Azureのサービスにアクセスするためのこれらの言語向けのクライアント・ライブラリをマイクロソフトとして強化していく」(佐藤氏)
Windows Azure向けのアプリケーション開発では、仮想マシン上にWebロールとワーカー・ロールという役割ごとに異なるインスタンスを構成する。WebロールはフロントにIIS(Webサーバ)が設定されたロールで HTTP/HTTPS のリクエストを処理する。一方のワーカー・ロールはバックエンド処理やIIS以外のサーバー機能を担当する。これらを1つのAzureパッケージの中で、定義していくのである。
「ではNode.jsアプリケーションを実際につくってみましょう」と佐藤氏は参加者に呼びかけ、第一のシナリオ「Windows Azure SDK for Node.js」のデモを開始した。このシナリオの完成版として、佐藤氏はNodechatというデモアプリを披露。これはNode.jsとWebSocketを使ったオンライン・チャットで、書き込めば参加した全員にその内容がプッシュで通達されるというアプリだ。これをWindows Azure SDK for Node.jsをインストールするところから、ローカル・エミュレーターでのテスト、インターネット上で公開するところまでを佐藤氏は実演して見せた。「デプロイの状況もWebベースの管理コンソールで確かめることができる」と佐藤氏はその使いやすさも強調する。
先のNodechatの開発で佐藤氏が用いたのはコマンドラインのみ。だがNode.jsの開発環境にはIDEも存在する。その代表例がCloud9である。第二のシナリオとしてCloud9を使った開発デモを実施。Cloud9はNode.jsでの開発に特化したブラウザベースのIDE。ブラウザのみでコーディング支援、デバッグ、実行、実際のターゲット環境にAzureを指定してデプロイまでできるというもの。先のデモではエミュレータはローカルで動かしたが、この場合はCloud9が提供している環境の中で実行。「呼び出しのスタックが見られるなど、ブラウザベースにしてはかなり良くできている。日本語対応などまだまだこれから進化していくはずなので、ぜひ試してみてほしい」(佐藤氏)
最後は最近、マイクロソフトが力を入れているHadoopの管理画面などを簡単に紹介。現在のところAzure上のHadoop環境はプレビュー版が公開されており、登録して招待コードを受け取ると利用可能になる状態にある。「マイクロソフトでは今後もOSS関連のサポートを強化していく。ぜひみなさんも触れて、マイクロソフトの変化を実感してほしい」と佐藤氏は語る。「4月~5月ごろのWindows Azure関連の情報は要チェック。きっと楽しくステキな時間が過ごせると思う」。砂金氏は最後にこう語り、セッションを締めた。
日本マイクロソフト株式会社
マイクロソフト カスタマー インフォメーション センター
TEL:0120-41-6755(9:30~12:00、13:00~19:00、
土日祝日、弊社指定休業日を除きます)