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実例で学ぶASP.NET Webフォーム業務アプリケーション開発のポイント

エラー処理をパターンにはめよう

実例で学ぶASP.NET Webフォーム業務アプリケーション開発のポイント 第3回

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業務エラーへの対処法

 それでは、それぞれのエラーへの対処方法について順番に学んでいきましょう。まずは業務エラーからです。

 業務エラーには前述のとおり、単体入力エラーと突合せエラーの2種類があり、それぞれ対処法は異なります。ただ、一般的な正常処理の流れの中で行われることは同じです。

単体入力エラー

 単体入力エラーへの対処は、 ASP.NET Webフォームに用意された検証サーバーコントロールを用いて行います。

 検証サーバーコントロールとは、チェック対象のコントロールを指定し、入力値にエラーがある場合、自動的にメッセージを表示するサーバーコントロールです。

 ASP.NET Webフォームの標準で用意された検証サーバーコントロールには、次のようなものがあります。

検証サーバーコントロールの種類
コントロール名 説明
RequiredFieldValidator 項目が入力されたかどうか検証する キー項目が入力されたかどうか検証する
CompareValidator 入力された値を他の値、項目と比較検証する 納品日が出荷日以降かどうか検証する
RangeValidator 入力された値が正常な範囲かどうか検証する 月が1~12の範囲で入力されたか検証する
RegularExpressionValidator 正規表現を使い入力された値の書式を検証する 郵便番号が正しく入力されたか検証する
CustomValidator 上記の4つではできない独自のルールで検証する どちらか一方のみ入力されたか検証する

 検証サーバーコントロールを使うことの最大の利点は、1つの検証サーバーコントロールでクライアントサイド、サーバーサイド両方の検証処理が行われることです。これにより、クライアントサイドはJavaScript、サーバーサイドはC#、といった複数の言語を扱う必要がなくなります(注1)。

注1

 CustomValidatorコントロールだけは例外で、独自の検証処理をクライアントサイド、サーバーサイドそれぞれで記述する必要があります。なお、クライアントサイドの検証処理は必須ではありません。

 検証サーバーコントロールを用いた単体入力チェックの結果は、Page.IsValidプロパティを判断するだけで可能です(注2)。

 Page.IsValidプロパティの具体的な使い方は以下のようになります。

[リスト1]Page.IsValidプロパティの使用方法(MeetingRoomsAdd.aspx.csより)
protected void InsertButton_Click(object sender, EventArgs e)
{
  if (!Page.IsValid)  // (1)
  {
    // 単体入力エラーあり
    return;
  }

  // (2) 入力値の取得
  var meetingRoom = new MeetingRoom()
  {
    MeetingRoomName = MeetingRoomNameTextBox.Text,
    LocationId = Int32.Parse(LocationDropDownList.SelectedValue)
  };

  // ... 省略 突合せエラー以後の処理
}
(1) Page.IsValidプロパティを判定する

 Webフォームの配置した検証サーバーコントロールの内、いずれか1つにでもエラーがあった場合、Page.IsValidプロパティはfalseに設定されています。従って、Page.IsValidプロパティがfalseの際、そこで処理を抜けるようにします。

 突合せエラーを含む以後の処理は、単体入力エラーがない場合のみ行うようにするのが原則です。なぜなら、単体入力エラーの有無にかかわらず以後の処理を行うと、業務ロジック側でも入力値の妥当性を確認しなくてはならなくなるからです。

(2) 入力値を取得する

 この段階では単体入力エラーがないことが保障されているので、入力された値の妥当性を確保した状態で以後の処理を進めることが可能になります。

注2

 もちろん、個々の検証サーバーコントロールごとの検証結果も、それぞれの検証サーバーコントロールのIsValidプロパティで判断できます。

次のページ
突合せエラー

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高野 将(タカノ ショウ)

<個人紹介>新潟県長岡市在住の在宅リモートワークプログラマー。家事や育児、仕事の合間に長岡IT開発者勉強会(NDS)、Niigata.NET、TDDBCなどのコミュニティに関わったり、Web記事や書籍などの執筆を行ったりしている。著書に『アプリを作ろう! Visual C#入門 Visual C# 2017対応』(日経BP社、2017)など。<WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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