マージ操作
よくある例としては新しく作成したブランチで修正・コミットを繰り返し、必要ならばそれらの修正をmasterブランチに取り込むことになるでしょう。
この時に考えられる状況として、masterブランチ側の修正の有無があります。masterブランチ側に修正がない場合や、修正に競合(コンフリクト)が発生しなければ、問題なくマージできますが、競合がある場合は手動での作業が発生します。ここでは、これらのケースについて説明していきます。
競合しないマージ操作
master側に修正がなかった場合や、それぞれの修正が別の個所であった場合、問題なくマージできます。
bugfixブランチの修正をmaster側に取り込むには、mergeコマンドを利用します。bugfixブランチに未コミットファイルが無い状態で、masterブランチに切り替えた後、mergeコマンドにマージしたいブランチ名を指定し実行します(リスト5)。
$ git checkout master Switched to branch 'master' $ git merge bugfix Updating 52aced7..d17f1a8 Fast-forward Program.cs | 1 + 1 file changed, 1 insertion(+)
Gitでは、このようにmasterブランチ側に修正がない状態でマージを行うと、ファストフォワードという方法でマージを行います。図7を見ると一目瞭然ですが、materブランチにbugfixブランチをマージした状態というのは、masterブランチ=bugfixブランチという状態になるため、単にmasterブランチのポインタを移動するだけになり、なるべく履歴を一直線に保つようにします。コミット履歴が単純になるメリットもありすが、マージしたという記録が残らないデメリットもあります。
それを防ぐ方法としては、-no-ffオプション(*)をつけてファストフォワードによるマージを抑止する方法があります(リスト6)。
$ git merge --no-ff bugfix Merge made by the 'recursive' strategy. Program.cs | 6 ++++++ 1 file changed, 6 insertions(+)
コミット履歴を見ると、ファストフォワードによるマージと、非ファストフォワードによるマージの差が理解できるでしょう(図8)。
図示すると以下の通りです(図9)。
masterブランチに修正が入っていた場合は、当然ファストフォワードによるマージはできないため、非ファストフォワードのマージと同様の結果になります。
GUI操作では、Gitブラウザのメインメニューから、[Git]-[ブランチのマージ]を選択します(図10)。マージ対象ブランチをbugfixとして、[マージ]ボタンをクリックすれば完了です。