対象読者
- 今までプログラミングの経験がまったくない人
- Java以外の言語しか経験がないJava初心者の人
- Javaを使った業務アプリの開発をすることになった人
必要な環境
今回必要な環境はJDKとEclipseです。今回使っているものは下記になります。開発環境の構築手順は前回を参照してください。
- JDK8(Java SE 8)
- Eclipse Luna(4.4.1)
Eclipseは前回はKepler(4.3.2)でしたが、Java 8に対応したLunaが出たので変更しています。Eclipse Lunaでも同じ方法でインストールできます。
1. Javaの基本的な文法
今回はJavaの基本的な文法について学んでいきます。Javaでは記述する際のいくつかの表記ルールがあります。まずは実際にソースコードを読んだり書いたりする前に最低限知っておいたほうがよいJavaの書式について見ていきます。
1.1. Javaの書式の概要
Javaのソースコードは主に次の3つのものによって記述されています。
- Javaが指定しているキーワード
- ソースコードを書く人が自分で名付ける名前(識別子)
- 何らかの役割を持つ記号(演算子など)
Javaで指定されているキーワードは予約語と呼ばれ、それらはコンパイル時にプログラムを解析するのに使われる単語や「true」「false」「null」など、すでにその単語自体にプログラム上の意味があるものになります。そのため、それらと一字一句同じ単語は識別子(ソースコードを書く人が名付ける名前)に付けることはできません。
予約語とは逆にソースコードを書く人が名付けるものを識別子といいます。例えば、プログラムで「○○が△△を□□する」ような処理を書く際に、この「○○」や「△△」や「□□する」に対して、それぞれ「何を表すのか」や「何をするのか」などの意味を人が読んで分かるようにプログラム言語で許されている文字を使って名称を付けます。このソースコードを書く人が名付ける名称を識別子と言います。
また、記号はデータの計算などに使われたり、条件の判定などに使われたりと主に演算子(処理を行うための記号)として使われます。そのため、「_」と「$」を除いて、識別子として使うことはできません。
そして、それらのキーワードと識別子と記号をJavaの文法に則ってつなぎ合わせJavaの文を作ります。そしていくつかの文を集めたブロックを作り、Javaのアプリケーションが実行できるソースコードを作成していきます。
1.2. 文とブロック
Javaのソースコードでは、値の設定や処理の呼び出しに使われる文と、それらのいくつかの文をまとめたブロックがあります。文は単語や記号を組み合わせて最後に「;」(セミコロン)で終わり、ブロックは「{}」(波カッコ)で対象の文を囲むことによって、文が影響する範囲を設定します。
文は値の設定や処理の呼び出しに主に使われ、ブロックはそれらの値を設定する文を集めてブロック自体を特徴づけたり、処理を呼び出す文を順に配置することで1つの大きな処理の流れを作成したりするのに使われます。
例えば、「人」というブロックに「名前」と「趣味」の値が設定された文と、「自己紹介する」ことと「挨拶をする」ことを行う処理のブロックがあった場合、下記のように表現できます。
人{ 名前は「○○」; 趣味は「××」; 自己紹介する { 挨拶をする; 名前を言う; 趣味を言う; } 挨拶をする{ 挨拶の言葉は「こんにちは」; 挨拶の言葉を言う; } }
ブロック内の文にはそれぞれ有効範囲が設定されています。ブロック内から同じ階層もしくはその外側にある文やブロックを参照することは可能ですが、逆に内側のブロックにある文を外側のブロックから参照することはできません。