「DIVE TO AWS」で実感する“景色の変化”
「AWSクラウドを用いることで得られるメリットがある一方で、パブリッククラウドに対しては『セキュリティ』『SLA』『スイッチングリスク』という3つの大きな懸念も依然として存在している状況もある」と栄藤氏は続けます。それらの不安要素、懸念点については「使い始めてみることが大事。使いながらそのノウハウを学び、改善していくこと」と、向き合い方についてコメントしました。
セキュリティについてはVPCやIAM、MFAを始めとして、多くのセキュリティ機能登場しており、セキュリティに対する意識や対策もさまざまな視点で捉えることが求められています。以下にキーワードとして登場したものを列挙します。
- VPC:Amazon VPC (仮想プライベートクラウド Amazon Virtual Private Cloud )
- SSE/CSE:【AWS発表】 Amazon S3でサーバーサイド暗号化が利用可能に
- NACL:ネットワーク ACL - Amazon Virtual Private Cloud
- VPN:[AWSマイスターシリーズ] Amazon VPC VPN & Direct Connect
- IAM:クラウドの AWS Identity and Access Management(IAM)
- MFA:Multi-Factor Authentication - クラウドの AWS Identity and Access Management(IAM)
スイッチングコストに関しては、栄藤氏は「当時(2011年の終わり頃)の環境として、(当時就任していた)社長に『とにかく早く作れ』と言われ、AWSにダイブ(飛び込む)する形になったのですが、結果としてそれが良かった」と振り返ります。飛び込む前はいろいろと考えたり、準備したりで結局AWSを利用できないでいた状況が、いざ飛び込んでみる(DIVE TO AWS)とその状況に変化が訪れ、良いスパイラルへと変化を遂げることができたといいます。先に紹介したVPCなどのセキュリティ要件が増えてきたことも要因として大きいですが、使い始めていくことで段々とその景色が変わってくることが実感できてきたそうです。
ビッグデータの活用においても、その認識は従来のものから変わりつつあります。ドコモでは、現在以下のようにビッグデータ周辺の活用に取り組んでいます。
オンプレミス時代では、過去NetezzaやGreenplumといった製品を用いていたそうですが、栄藤氏は「まさかAWSを使うという判断になるとは思っていなかった」とその時を振り返ります。セキュリティ面での懸念が改善され、条件的にHadoopを使うべきかと迷っていた所にRedshiftが登場したことなどもあって、さらにAWSの利用を後押しするような状況になりつつあるそうです。さまざまな不安要素や障壁などはあったものの、その都度部門を説得し、壁を突破。「利用する」方向へ進む形となり、社内の見方も変わっていったそうです。ビッグデータ周りのアーキテクチャについては、より詳細な形として以下の構成図を紹介し、その要点についての解説を行いました。
この他にも、一括請求(コンソリデーティッドビリング)やコスト管理ツール、「真逆のデザインパターン」など、興味深いトピックが話題に上がりましたが、レポートはこの辺りで結びたいと思います。40分のセッション時間でしたが、栄藤氏の講演内容はまだまだ聴き足りず、もっとお話をお伺いしたい!と実感した次第です。以上、AWS Summit Tokyo 2014における栄藤稔氏のセッションレポートでした。



