ユーザーテストとプロトタイプ開発
さて、A/Bテストによるユーザーテストを行って、課題などが集まりました。次は集まった課題を整理し、UIなどの形にしていく作業になります。
このときに、僕らは「プロトタイプ」を作ることに注力します。なぜかというと、関係者との意思の疎通が容易になり、課題を早期に発見できるといったことのほか、「なんか違うから変えたいよね」といった場合にも対応しやすいためです。また、A/Bテストの後に限らず、A/Bテストの前にプロトタイプを作ることもありますし、プロトタイプを作りながらA/Bテストを回すこともあります。
プロトタイプを作るのに、今までいろんなツールを使いましたが、「意思の疎通」という点では、手書きのプロトタイプが一番速くて強いですね。一覧も詳細も、また「こういう風に動くよね」とう動作イメージまで手書きし、全体図を全員で共有することをよくやります。紙に書くこともありますし、ホワイトボードに書くこともあります。ユーザーにも見せることもあります。とにかく手軽で強力ですから、まずは手書きでのプロトタイプ作りを試してみてください。
手書きのプロトタイプなどを使って課題の整理が進んだら、次にツールを使って実際にA/Bテストができるパターンを作成します。手書きでプロトタイプを作っている間にも、「どのパターンを実際に試そうか」と考えるのがよいでしょう。
A/Bテストできるパターンを作成するツールは何でも構いません。僕たちはたまにExcelでも作りますし、それこそ手書きを画像にしてみることもあります。
プロトタイプ開発のプロセス
先ほども述べたとおり、プロトタイプを作ることには意思疎通のほか、課題の発見というメリットもあります。ユーザーにプロトタイプで見せる段階でも課題がたくさん見つかります。僕らがプロトタイプ開発を行うのは、課題を見つけそれを改善するというプロセスでWebサービスやアプリを作りたいからです。
実際に、プロトタイプを使って16名へのユーザーテストをしながらアプリを開発したこともありますし、これが本当に使えるかの確認をアンケート調査も含めてやっています。特にA/Bテストをしにくい環境においては、プロトタイプを作り、ユーザーに実際に使ってもらって課題を把握するという手法も取り入れるとよいと思います。
参考までに、僕たちが使っているツールを紹介しましょう。1つは「FLINTO」です。リンクの設定がいろいろできまして、プロトタイプなんだけれども実際にユーザーがWebサービスやアプリを体験できます。また、Webサービスやアプリを開発する前に触ってもらうこともできますし、「実物はこうやってやっていくと、こう変化する」といったことも体験できます。
そのほか「POP」など、いろんな便利なアプリが出てきていますから、どんどん使ってみて試してみましょう。新しい発見があると思います。