SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

「PyCon JP 2015」レポート

PyCon JP 2015レポート
~第2回 会場チームの作業内容

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 こんにちは、メディアチームの今津です。前回は、PyCon JP 2015の座長あいさつと、メディアチームの作業内容についてご紹介しました。第2回となる今回は、会場チームの作業内容についてご紹介します。

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

会場チーム全体

 会場チーム副座長の北原です。

 会場チームは、会場やその他設備などのハード面の調達や調整を担当しています。具体的な作業としては主に会場、カンファレンスルームの用意、ネットワーク環境、動画配信、電源環境、同時通訳設備、ランチ、コーヒーブレイク、パーティーなどの手配、調達、および当日の会場運営全般が含まれます。

 今年は昨年のKPTを活かし、要望が多かった飲み物の常時提供、温かいランチ、充電スポットなどを提供することができました。また、経験を積ませていただいたことで、ランチの混雑などを2日目に緩和するなど、臨機応変に対応できたことが良かったです。本年のKPTを活かし、来年もより良い環境がご提供できればと思います。

ネットワーク

 会場チームのNOC(※1)の田中です。

 NOC担当は、会場ネットワークの安定したネットワークの提供を目的に活動しました。事前準備からカンファレンス当日運営について報告します。

※1

 NOCとは、Network Operations CenterのイニシャルをとってNOC(ノック)とよび、ネットワークチームのことを指します。

事前準備:ホットステージ

 ネットワーク機器の設定を設営日に行う時間はないうえ、設定後に想定通り動作するかどうかを検証する必要があります。そのため、9月下旬からおよそ10日間、会場で実際に使う機器をすべて接続して、”ホットステージ”と呼ばれる検証環境でテストを行いました。特に、会場で用いるLANケーブルは、さまざまな長さのケーブルが必要なため、既製品を使わず、およそ60本、総延長約1kmのLANケーブルを作成しました。

ホットステージで作ったケーブルや設定した無線アクセスポイントを整理しています
ホットステージで作ったケーブルや設定した無線アクセスポイントを整理しています

会場準備

 10月8日(チュートリアル前日)の夕方からLANケーブルの配線、機器設定を行いました。翌日朝から使うため、4時間の間にネットワーク環境を構築する必要があり、時間との勝負でした。特に大変だったことは、”LANケーブルの配線”です。歩行者の足を引っ掛けて怪我をさせたり、断線したりしないようにしっかりと固定したり、ポールなどを使って天井にケーブルをはわせたりしました。

 10月9日(チュートリアル当日)に、10月10日から使うメイン会場(カンファレンスホール)などのネットワーク構築を行ったのですが、諸事情により朝は2人、お昼過ぎから2人増えて計4人しかメンバーがおらず、このメンバーですべてのLANケーブル配線、アクセスポイント設置を行うのは時間との勝負でした。適宜打ち合わせをし、配線の優先順位の確認を行ったことで配線・設置はひとまずできましたが、十分なテストを行う時間がなかったのが心残りでした。

歩行者がつまずいて断線しないようにLANケーブルをしっかり養生している様子
歩行者がつまずいて断線しないようにLANケーブルをしっかり養生している様子

大会1日目、2日目(NOCツアー)

 10月10日(カンファレンス 1日目)は朝から開場前に打ち合わせとともにテストを始めて、なんとか受付開始までにテストが終わったのですが、直前まで動いていたのに急にアクセスできなくなるなど、予想外のアクシデントの連続で常にメンバーが駆けまわって対応に追われていました。午前中はネットワークがつながらない時間もあり、参加者のみなさんに快適なネットワークを提供できなかったことは悔しい思い出です。ただ、午後からネットワークは非常に安定し、午前中慌ただしかった作業も落ち着きました。

NOCのコントロールルームです。ルータや監視サーバなどがあり、ここでカンファレンスネットワークを管理しています
NOCのコントロールルームです。ルータや監視サーバなどがあり、ここでカンファレンスネットワークを管理しています

 今回のトラフィックの監視には、オープンソースのKibana、Deadmanを使いました。また、通信状態の満足度は可視化できないので、Twitterなどでネットワークに関するコメントなどを常時監視しました。

 カンファレンス2日目は、各無線アクセスポイントでつながるか確認するための見回り、そしてNOCツアー開催が主な作業でした。NOCツアーは日頃見ることができないカンファレンスネットワークの裏側を知る機会の提供を目的とし、ネットワークを監視している部屋で、管理体制と今回のネットワークの説明と質疑回答、その後配線やスイッチの状況を見て回り、どのように構築したのかを説明するツアーを2回ほど行いました。計60人前後の方に参加していただき、「裏側がこんなことになっているなんて知らなかった。とても勉強になった」などの声を直接・またはTwitterなどでいただけたので開催して良かったです。

NOCツアーの様子
NOCツアーの様子

終わりに

 私の日頃の業務はWebアプリケーション作成やデータ解析であり、ネットワーク構築は趣味で構築するぐらいでした。今回初めて700人規模のDNS、DHCPサーバを構築したり、無線のアクセスポイント管理したりするなど学ぶことが非常に多く、とても勉強になる有意義な時間を過ごせました。これも、ホットステージ中に共に朝までネットワーク構築するぐらいネットワークが好きなメンバーに恵まれたためだと思います。ありがとうございました。

 最後となりますが、会場ネットワークを構築するにあたり、必要となる機材やインターネット接続サービスを、インターネットマルチフィード株式会社さま、ヤマハ株式会社さま、ビットアイル株式会社さま、株式会社DMM.comラボさまにご提供いただきました。この場を借りて、あらためて感謝申し上げます。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
Party

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「PyCon JP 2015」レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ナツ(ナツ)

ゲリラ的テスト屋さん。Python使いではありませんが、PyCon JPでは会場担当を引き受けて4年目になります。 Twitter: @natsu_bm

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

Kosei Kitahara(キタハラ コウセイ)

Web系なエンジニア。AWS, Docker, Python, Djangoあたりが好き。仕事では主にPythonを使ったサーバサイドアプリの開発をしています。Twitter: @Surgo Facebook: Kosei Kitahara

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

水野 真璃(ミズノ マリ)

 PyCon JPスタッフ2年生。Python書かないどころかプログラミングしていなくても入れる太っ腹なPythonボルダリング部(#kabepy)で壁を登っています。部員の腹は出ていません。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

今津 紀子(イマヅ ノリコ)

PyCon JP 2015ではメディアチームに所属。広報メインで動いています。Web系企業とか伝統肉系NPOとかに所属しているジビエ愛好家です。クリエイティブなことは一切できません。今欲しいものは第一種銃猟免許。二種でもいい。PyCon JPスタッフ歴も4年目となりましたが、まだまだ新人気分で日々を過ごしています。Twitter: @RicoImazu

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

新井 正貴(アライ マサタカ)

 東京大学文学部卒業、アライドアーキテクツ株式会社にて勤務。2016年4月、株式会社SQUEEZEに入社。コミュニティ活動として、PyCon JP 2015〜 スタッフ、Pythonもくもく会の主催を行う。趣味はラクロスとPerfume。 Site:http://massa142.github.io/ Twitter:@massa142 Facebook:新井 正貴

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

田中 翔(タナカ ショウ)

 株式会社リクルートテクノロジーズに所属。データ分析、開発者。参加するぐらいなら運営に携わりたいという考えからPyCon JP 2015からスタッフ参加。 他の主な活動は、Scala Matsuri 2017 スタッフ。 Twitter:@tshowis Facebook:Sho Tanaka

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/9109 2015/12/08 14:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング