都道府県の白地図を表示する
レポート上にある特定の都道府県の地図を表示するには、前章で説明したように「タイルレイヤー」にGoogleマップを表示する方法があります。しかし、この方法では画像として地図が表示されるため、地図上に人口や売上などの分析データを重ねて表示したい場合には不向きと言えます。
ここでは、レポート上に宮城県の白地図を表示する方法として、「多角形レイヤー」にシェープファイルを読み込む手順を説明します。
シェープファイルとは
シェープファイル(.shp)は、GIS(Geographic Information System、地理情報システム)のデファクトスタンダードといえるファイル形式です。シェープファイルには、以下の情報が含まれます。
1) 空間データ
- ポリゴン(都道府県、市町村などの区域情報)
- ライン(道路、線路などの線情報)
- ポイント(都市、名所旧跡などの位置情報)
2) 属性データ
- 名称(市町村名、店舗名など)
- 数値(人口、売上など)
付属のサンプルでは、国土地理院のサイトで公開されているシェープファイルを加工したものを使用しています。
空間データの表示
はじめに、シェープファイルの空間データ(宮城県の市町村の区域情報)を表示します。付属のサンプルは、「02_シェープファイル(空間データ)の表示.rdlx」をご参照ください。
前述のGoogleマップの表示と同様、[レイヤーペイン]からレイヤーを追加します。[レイヤーペイン]上で右クリックして[多角形レイヤーの追加]を選択すると、[Mapレイヤーデータ]ダイアログが表示されます。
[全般]ページで[レポートに埋め込まれたデータ]を選択した状態で、[ファイルの選択]をクリックします。[ファイルを開く]ダイアログでシェープファイル(.shp)を選択します。また、このとき、[ファイルを開く]ダイアログの右端にある[マップの解像度]を指定します。これは、地図データの描画品質を設定するものです。高解像度の地図データを利用するには、[マップの解像度]スライダーを[最高品質]に設定します。
シェープファイルを読み込むと、Mapコントロールに宮城県の各市町村の空間データ(ポリゴン)が表示されます。
出典
本地図データは、国土地理院ホームページ - 地球地図日本のデータをもとに、グレープシティ株式会社が作成しました。
属性データの表示
次に、シェープファイルに含まれる属性データ(市町村名)を表示します。付属のサンプルは、「03_シェープファイル(属性データ)の表示.rdlx」をご参照ください。
[レイヤーペイン]上で[PolygonLayer1](「空間データの表示」で追加したレイヤー)を右クリックし[編集]を選択すると、[Map多角形レイヤー]ダイアログが表示されます。
[全般]ページの[ラベルのテキスト]コンボボックスを開き、属性データを設定します。ここでは、「#laa」を選択し、市町村名(ローマ字表記)を表示します。
なお、[ラベルの表示]を[True]にするとすべての市町村名が表示されますが、ここでは、表示が重なるのを避けるために[Auto]に設定しておきます。