SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

jQuery 3で何が変わったのか?

いよいよ正式版が登場! jQuery 3での変更点と前バージョンからの移行のポイント

jQuery 3で何が変わったのか? 前編


  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コア機能(2)

追加機能

1. for...ofループが利用可能に

 ES2015(2015年に公開された次世代のJavaScript言語仕様)で導入されたfor...ofループが、jQueryのコレクションでも使えるようになりました。

var elems = $("li");
// 従来の記述方法
elems.each( function( i, elem ){
    console.log( $(elem).text() );
});
// ES2015の記述方法
for (let elem of elems) {
    console.log( $(elem).text());
}

2. $.readyが正式にPromiseオブジェクトとして利用可能に

 従来より、$.readyは、非同期処理の仕様であるPromiseに準じた振る舞いになっていましたが、正式にPromiseオブジェクトとして利用可能になり、$.whenメソッドや、JavaScriptのPromise.resolve()でも利用できるようになりました。

// whenメソッドでの例
$.when( $.ready, $.getJSON("test.json") ).then(function() {
    // ready状態で、test.jsonが読み込めたら
    console.log("ready");
}).catch( function() {  // エラーの場合
    console.log("error");
});

非推奨

1. jQuery.uniqueメソッドの名称がuniqueSortに変更

 動作がわかりやすいように名称が変更されました。名称のみで処理内容は変わりません。

2. $.parseJSONメソッドの非推奨

 jQuery 3.0がサポートするブラウザでは、JavaScriptのJSON.parseメソッドをサポートしているため、$.parseJSONは非推奨になりました。

3. document-readyハンドラの$(function)以外の非推奨

 document-readyハンドラの書き方には、次のようにいくつかありましたが、jQuery 3.0では、$(fn);という記法が推奨されるようになりました。

  • $(fn);
  • $().ready(fn);
  • $(document).ready(fn);
  • $("selector").ready(fn);

要素のプロパティ

 要素のプロパティを取得するAPIにも、破壊的な変更が2点あります。

1. .width、 .height、.css("width")、.css("height")が整数以外も返すようになった

 従来これらのメソッドは、DONのoffsetWidth、 offsetHeight.widthプロパティを参照して整数値のみが返されていましたが、jQuery 3.0ではDOMのgetBoundingClientRect APIを利用して、小数値を返すようになりました。

2. windowのouterWidth、.outerHeightの値にスクロールバーの幅、高さが含まれるようになった

 $(window).widthメソッドの値には、スクロールバーの幅を含みませんが、$(window).outerWidthはスクロールバーの幅が含まれるようになりました。この値は、DOMのwindow.innerWidthと同じです。$(window).outerHeightも同様です。

まとめ

 今回は、 正式にリリースされたjQery 3.0についての概要とコア機能まわりの変更点を紹介しました。次回は、Ajax、Deferred機能などを中心に紹介する予定です。

参考資料

修正履歴

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
jQuery 3で何が変わったのか?連載記事一覧
この記事の著者

WINGSプロジェクト 高江 賢(タカエ ケン)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/9545 2016/07/28 11:26

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング