Reactプロジェクトの構成
自動生成したプロジェクトの構成を見てみましょう。create-react-appツールにより作成されたプロジェクトは、以下のような階層になっています。
さまざまな種類のファイルがありますが、それぞれのファイル/フォルダの役割は以下のようになっています。
フォルダ | ファイル | 役割 |
---|---|---|
node_modules | * | Reactアプリが動作するために必要なnodeモジュール |
public | index.html | ブラウザに表示されるhtmlページ |
src | App.css | App.jsにより描画されるDOMに適用されるCSS |
App.js | Reactコンポーネントを定義するJS(※) | |
index.js | index.htmlを操作するためのJS | |
index.css | index.htmlに適用されるCSS | |
package.json | ライブラリの依存関係等、npmに関する挙動を定義する |
(※)コンポーネントについては別途紹介します。現時点ではhtmlの部品を描画するものと理解してください。
最初の理解のために特に重要なのは「public/index.html」、「src/index.js」、「src/App.js」の3ファイルです。以下はそれぞれのファイルの関係を図解したものです。
[コラム]ES6(ECMAScript6)の構文について
Reactで作成されるテンプレートでは、ES6が適用されています。ES6は2015年に策定された新しいJavaScriptの仕様で、新しい機能の追加とともに構文も刷新されています。ここでは、class構文とモジュール構文について補足をします。
ES5までの仕様では、JavaScriptにクラスという概念はありませんでしたが、ES6で追加されました。クラスの考え方はJavaをはじめとした他のオブジェクト指向の言語と同じです。以下のようにclass構文でクラス名を宣言し、extends句でクラスを継承できます。もちろん、関数の定義なども可能になっています。
class App extends Component { [省略] }
次にモジュール構文です。モジュールという単位でクラスや関数を管理する機能が追加されています。これにより、nodeのライブラリはもちろん、自作したクラスや関数も自由に外部のクラスに連携することが容易になりました。App.js内の最初と最後に、import句とexport句が記述されています。import句では、reactモジュールの中からReactとComponentというメンバーのみを読み込んでいます。また、export (export default)句ではファイル内で定義したAppクラスを外部に公開しています。
import React, { Component } from 'react'; export default App;
順に処理を追っていきましょう。
(1)コンポーネントの宣言
React.Componentクラスを継承したAppコンポーネントを宣言します。現時点ではrenderメソッド内で返されている「<div className="App">…</div>」という要素を描画するクラスが宣言されていることを理解いただければ十分です。コンポーネントについては次節以降に説明します。
(2)モジュールのエクスポート
ES6の構文に基づき、Appコンポーネントをエクスポートしています。
(3)モジュールの読み込み
(2)でExportされたコンポーネントを読み込みます。
(4)DOMの操作
ReactDOM.renderメソッドの実行によりindex.html内のroot要素にAppコンポーネントを挿入し、(1)の<div>内の要素を描画します。ReactDOM.renderメソッドの構文は以下のとおりです。
ReactDOM.render( element, container, [callback] ) element:描画するタグ要素、container:コンテナ要素、callback:描画コールバック