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基礎からはじめるReact入門

Reactの概要と基礎技術要素を理解する

基礎からはじめるReact入門 第1回


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Reactプロジェクトの構成

 自動生成したプロジェクトの構成を見てみましょう。create-react-appツールにより作成されたプロジェクトは、以下のような階層になっています。

図3 React標準ツールによって作成されたプロジェクト
図3 React標準ツールによって作成されたプロジェクト

 さまざまな種類のファイルがありますが、それぞれのファイル/フォルダの役割は以下のようになっています。

表1 Reactプロジェクトの概要
フォルダ ファイル 役割
node_modules * Reactアプリが動作するために必要なnodeモジュール
public index.html ブラウザに表示されるhtmlページ
src App.css App.jsにより描画されるDOMに適用されるCSS
App.js Reactコンポーネントを定義するJS(※)
index.js index.htmlを操作するためのJS
index.css index.htmlに適用されるCSS
package.json ライブラリの依存関係等、npmに関する挙動を定義する

 (※)コンポーネントについては別途紹介します。現時点ではhtmlの部品を描画するものと理解してください。

 最初の理解のために特に重要なのは「public/index.html」、「src/index.js」、「src/App.js」の3ファイルです。以下はそれぞれのファイルの関係を図解したものです。

図4 Reactプロジェクトのファイルの関係
図4 Reactプロジェクトのファイルの関係

[コラム]ES6(ECMAScript6)の構文について

 Reactで作成されるテンプレートでは、ES6が適用されています。ES6は2015年に策定された新しいJavaScriptの仕様で、新しい機能の追加とともに構文も刷新されています。ここでは、class構文とモジュール構文について補足をします。

 ES5までの仕様では、JavaScriptにクラスという概念はありませんでしたが、ES6で追加されました。クラスの考え方はJavaをはじめとした他のオブジェクト指向の言語と同じです。以下のようにclass構文でクラス名を宣言し、extends句でクラスを継承できます。もちろん、関数の定義なども可能になっています。

class App extends Component {
    [省略]
}

 次にモジュール構文です。モジュールという単位でクラスや関数を管理する機能が追加されています。これにより、nodeのライブラリはもちろん、自作したクラスや関数も自由に外部のクラスに連携することが容易になりました。App.js内の最初と最後に、import句とexport句が記述されています。import句では、reactモジュールの中からReactとComponentというメンバーのみを読み込んでいます。また、export (export default)句ではファイル内で定義したAppクラスを外部に公開しています。

import React, { Component } from 'react';

export default App;

 順に処理を追っていきましょう。

(1)コンポーネントの宣言

 React.Componentクラスを継承したAppコンポーネントを宣言します。現時点ではrenderメソッド内で返されている「<div className="App">…</div>」という要素を描画するクラスが宣言されていることを理解いただければ十分です。コンポーネントについては次節以降に説明します。

(2)モジュールのエクスポート

 ES6の構文に基づき、Appコンポーネントをエクスポートしています。

(3)モジュールの読み込み

 (2)でExportされたコンポーネントを読み込みます。

(4)DOMの操作

 ReactDOM.renderメソッドの実行によりindex.html内のroot要素にAppコンポーネントを挿入し、(1)の<div>内の要素を描画します。ReactDOM.renderメソッドの構文は以下のとおりです。

[構文]renderメソッド
ReactDOM.render(
  element,
  container,
  [callback]
)

element:描画するタグ要素、container:コンテナ要素、callback:描画コールバック

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JSX Syntax

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 飯田 勝也(イイダ カツヤ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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